「子はかすがい」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「子はかすがい」の意味と類語を紹介します。
さらに「子はかすがい」の使い方や例文、そして「子はかすがい」から学びたい事についても紹介して行きます。
目次
- 「子はかすがい」の意味とは?
- 「子はかすがい」の類語や似たことわざ
- 「子はかすがい」の使い方
- 「子はかすがい」から学びたい事
「子はかすがい」の意味とは?
「子はかすがい」という言葉を耳にした事がある人がいるかもしれません。
何となく「子供っていいな」という意味の言葉だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、「子はかすがい」という言葉は、もう少しシビアで切実な場面で使う言葉です。
ほのぼのした言葉と思っている人は、実は違うという事を知っておきましょう。
特に「離婚」を考えているような、結婚生活が破たんしそうな人は、このような言葉を聞くと耳が痛いかもしれません。
「子はかすがい」とは、まさに「離婚危機に陥っている人」に向けた言葉だからです。
人によっては親しい人から、「子はかすがいだよ。
子供がいるんだから離婚をするのをやめなさい」などと説得された経験もあるでしょう。
これから結婚する人も、幸せな結婚生活を送っている人も、今のうちに「子はかすがい」の意味を知り、今後の結婚生活に役立てて欲しいと思います。
- 「子はかすがい」の意味とは
- 「子はかすがい」と時代の流れ
「子はかすがい」の意味とは
「子はかすがい」は離婚危機の夫婦に向けた言葉です。
「子はかすがい」の「子」は「子供」の事で、「かすがい」とは漢字にすると「鎹」となります。
鎹は木の柱と柱、木材と木材をつなぎとめる、釘のような物の事です。
大きなホチキスの芯のような形の釘を思い浮かべるとイメージしやすいです。
つまり子供は鎹で、両親は木材と木材という事になります。
「子はかすがい」という言葉には、両親のきずなをつなぎとめるのは、鎹のような子供しかない…という意味があります。
子供がいなければ、すでに別れてしまった夫婦、または子供の事を考えて離婚を留まっている夫婦は、子供がまさに鎹状態になっているといえるでしょう。
「子はかすがい」と時代の流れ
「子はかすがい」は、子供の事を考えて、離婚するのを我慢する夫婦や、子供が幸せになるなら、愛情は冷めていても結婚生活を続けようとする夫婦の姿を連想させる言葉です。
現代に生きる人からすると、多少違和感を覚える言葉かもしれません。
「子はかすがい」という言葉がメジャーだった時代は、離婚は悪、離婚は世間体が悪い、離婚はしない方がいい、という考え方が大勢を占めていました。
そのため離婚しそうな夫婦がいると、周囲の誰かが「子はかすがいだよ」と言って、説得していました。
また「子はかすがい」だからと、子供をかわいがる事で、夫婦問題を棚上げする夫婦がたくさんいました。
しかし現在は、仲が悪い夫婦に育てられると子供はかわいそうとか、子供のために無理をして結婚生活を続けるのは良くない…そんな風潮もあります。
夫婦仲が悪くなった時に、子供を理由にして結婚生活を続けるかどうかは、賛否両論になっています。
そのため「子はかすがい」という言葉も賛否両論になっている面があります。
それでも、結婚生活を続けるモチベーションの大きな要素が「子供」である事は、疑いない事実です。
「子はかすがい」という言葉は、そのため今でも生きた言葉として語り継がれています。
「子はかすがい」の類語や似たことわざ
「子はかすがい」の類語や似たことわざをチェックして、さらに言葉に対する理解を深めて行きましょう。
いずれも離婚危機を迎えた夫婦に向けた言葉です。
実際にそのような立場にいる人は、身につまされる部分があるかもしれません。
- 「縁の切れ目は子で繋ぐ」【えんのきれめはこでつなぐ】
- 「跡追う子に引かれる」【あとおうこにひかれる】
「縁の切れ目は子で繋ぐ」【えんのきれめはこでつなぐ】
「縁の切れ目は子で繋ぐ」という言葉も「子はかすがい」と同じ意味の言葉です。
「縁の切れ目」とは、まさに「夫婦の縁の切れ目」です。
夫婦間の愛情が冷めて、すでに離婚目前の状態になっている時、「子供」の存在を意識する事になります。
「もし、私達が離婚したら、この子の将来はどうなるだろう」そのように考えると、なかなか離婚という決断を下せないかもしれません。
「縁の切れ目は子で繋ぐ」という言葉には、子供のために、離婚の危機を乗り切った夫婦、または離婚問題を先延ばしにした夫婦の姿が見て取れます。
その事から、どんなに夫婦の愛情が冷めていても、子供がいれば夫婦関係を続ける事ができる、子供のおかげで離婚危機を乗り越えられる、という意味が込められています。
「跡追う子に引かれる」【あとおうこにひかれる】
「跡追う子に引かれる」という言葉も「子がかすがい」と同じ意味の言葉です。
「後追い」とは、ハイハイやつかまり立ちができるようになった小さな子供が、親を追いかける様子を指します。
この時期の子供は、親が視界から消えると、不安になって親を追いかけます。
子育てをしていて大変な時期でもありますが、楽しい時期でもあります。
このような小さくて可愛い子供の将来を考えると、夫婦の仲が悪くても、離婚をするわけにはいかないと思うかもしれません。
「跡追う子に引かれる」は、まさにそんな親の気持ちを表現した言葉です。
基本的には、子供の事を考えて離婚を先延ばしにしようとする母親の心情を表現した事がですが、近年はイクメンという言葉があるように、子育ての中心で頑張っているお父さんの気持を表現した言葉ともいえるでしょう。
「子はかすがい」の使い方
「子はかすがい」の言葉の意味を知ったところで、使い方を例文とともに見て行きましょう。
「子はかすがい」は離婚を考えている夫婦の周辺で使われる言葉です。
例文を見ながら、どのような場面でどう使うべきかチェックしてみましょう。
- 「子はかすがい」を使った例文1
- 「子はかすがい」を使った例文2
- 「子はかすがい」を使った例文3
「子はかすがい」を使った例文1
「子はかすがい」という言葉によって、結果的に幸せになる夫婦もあります。
例えば結婚したのも成り行きで、燃え上がるような恋愛をしたわけでもない夫婦がいます。
そんなに愛情がなかった夫婦ですから、いつ離婚をしてもおかしくない状況でした。
しかし子供が生まれると様子が一変します。
ふたりには「子育てが好き」という共通点があったからです。
ふたりで力を合わせて子供を育てている間に、夫は妻の素晴らしさが、妻は夫の魅力が理解できるようになりました。
そして子育てが終わる頃には、お互いの事を最高のパートナーとして認め合い、「結婚して良かった」と思えるようになりました。
そんな夫婦が結婚当初の事を振り返って話をします。
妻が「実は、結婚したばかりの頃、いつ離婚しようかって考えてた」と言うと、夫も「実は僕もだよ」と笑って答えました。
妻は「私達、子供ができて変わったよね」と言うと、夫は「そうだね、『子はかすがい』とは良く言ったものだね」と言いました。
このように子供のおかげで離婚の危機を乗り越えた場合に、「子はかすがい」と言う言葉を使うと良いでしょう。
「子はかすがい」を使った例文2
離婚の危機に瀕している夫婦がいます。
親しい人で、お互いの良さを理解している人なら、離婚をしないでほしいと思うかもしれません。
例えば離婚したいという夫婦の妻の母親は、離婚をしないように説得しようとするかもしれません。
特に夫婦の間に小さな子供がいる場合は、「子はかすがい」という言葉を使って、離婚を踏みとどまらせようとするでしょう。
そのような時に、妻の母親は「昔から『子はかすがい』と言うよ。
子供がまだ小さいんだから、離婚を考え直す事はできないか?」という感じで説得をするでしょう。
「子はかすがい」というような、昔からある言葉には説得力があります。
離婚を踏みとどまらせたい時に、文章に組み込まれる事が多いです。
「子はかすがい」を使った例文3
「子はかすがい」という言葉通りに行動した結果、悪い結果を生むケースもあるでしょう。
例えば結婚直後に「失敗だった」とお互いに感じる夫婦は、できるだけ早く離婚をして、人生をやり直すのがベターだったかもしれません。
しかし両親からの「子はかすがいだから」という説得に従って、離婚を先延ばしする事にしました。
夫婦の愛情は冷めていて、子供を通じてしか会話をしない日々が続きます。
それでも子供がいるから、夫婦の仲は何となく良い感じで保たれているように見えました。
しかし子供が大学生になり、社会人になり、ついには独立する日がきました。
子供が独立して、夫婦がふたりで生活するようになって気付いたのは、「夫婦の愛情がない」という、実は結婚直後に感じていた事でした。
子供抜きの生活はつらく、生きがいもありません。
ふたりでいるのは耐えられないほど苦痛になってしまいました。
そして結局、ふたりは熟年離婚をする事になります。
引越し当日の別れのあいさつで、妻は夫に対して「…『子はかすがい』っていうけど、本当だね」と言い、夫は「ああ…。子供が出て行ったら、ふたりの関係はすぐに壊れたからな」と言いました。
子供は強力な鎹になるからこそ、夫婦の幸せを考えた時に、それに頼りきりになるのは正しいのかどうか、早い段階で考えた方がいいのかもしれません。
「子はかすがい」から学びたい事
「子はかすがい」という言葉から、「子供がいた方が夫婦間は幸せ」という意味を読み取る事もできます。
しかし、「子供がいなければ、終わっていたはずの夫婦」という現実も見えてきます。
人生100年時代を考えると、子供が独立してからの生活の方が長い事が想像できます。
「子はかすがい」ではありますが、夫婦として幸せになる事、子供抜きでも幸せになれるようにお互いがお互いを気に掛ける事が今後は大切になるかもしれません。
「子はかすがい」という言葉から、「子供だけに頼らずに、夫婦間の愛情も確かめおう」という事を学ぶ事ができます。
「子はかすがい」は離婚の危機を迎えた夫婦、またはその周辺の人が使う機会が多い言葉です。
子供は強力な鎹ですが、長寿社会になった日本では、子供がいなくても大丈夫なように、夫婦のきずなを強くしていく必要があるかもしれません。
子供を育てながら、夫婦の愛情も育てていく事をおすすめします。