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「てんてこ舞い」の意味とは?読み方や類語、使い方や例文を紹介!

「もう、本当に今は『てんてこ舞い』で大変だ」という表現を聞いたことありますか?

今回は「てんてこ舞い」について深く考えてみましょう。

てんてこ舞い

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「てんてこ舞い」の意味とは?読み方や類語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「てんてこ舞い」の意味とは?
  • 「てんてこ舞い」の類語や似ている意味のことわざにはどのようなものがあるのだろう?
  • 「てんてこ舞い」はどのようなときに使うのだろう?
  • 「てんてこ舞い」の例文
  • 「てんてこ舞い」を英語ではなんというの?
  • 「てんてこ舞い」の「きりきり舞い」の違いはあるの?


「てんてこ舞い」の意味とは?

「てんてこ舞い」とは、やるべきことをたくさん抱えて、休む暇がなく、忙しく動き回ることをいいます。

「てんてこ」とは、祭囃子(まつりばやし)や神楽(かぐら)で使用する小太鼓の音で、その音に合わせてせわしなく舞う姿を、バタバタと歩き回って働いている姿にたとえて「てんてこ舞い」と呼ぶようになったといわれています。

また、別の説では、山車(だし)や神輿(みこし)をひくとき、男装をした女性が先導するときに舞った舞を「手古舞(てこまい)」といったため、「てこまい」「てんてこまい」に徐々に変化したのだともいわれています。

  • 「てんてこ舞い」の読み方
  • 「てんてこ舞い」の「舞い」を深く考えてみよう
  • 「舞い」と「踊り」は何がちがうのだろう?
  • ゆったりの「舞い」と跳びはねる「踊り」
  • 「舞い」がつく慣用句や四文字熟語はほかにもある

「てんてこ舞い」の読み方

「てんてこ舞い(てんてこまい)」と読みます。

「てんてこ舞い」の「舞い」を深く考えてみよう

「舞う」とは、くるくる回るという意味があります。

「木の葉が舞う」といえば、葉っぱがくるくる空中を回転しながら落ちている様子をたとえていますよね。

仕事が忙しいと、その場をあちらこちらを回るように移動しながら働きませんか?要は、「舞い」とは、回る様子をいっているのです。

また、古来より舞うことは、神に捧げる神聖な儀式でもありました。

お正月には「獅子舞」をあちらこちらで目にしますよね。

このように、日本人にとって身近なものでもあるのです。

「舞い」と「踊り」は何がちがうのだろう?

「舞い」「踊り」を合わせた「舞踊(ぶよう)」という言葉があります。

意味を辞書でひくと「音楽に合わせて身体をリズミカルに動かし、感情や意志を表現する芸能。舞踏。ダンス(小学館 デジタル大辞泉より)」とあります。

では、「舞い」「踊り」とは、まったく同じ意味なのでしょうか?実は、「舞い」「踊り」は違いがあるのです。

日本舞踊(にほんぶよう)では、古来より「舞い」「踊り」に二分割されています。

「踊り」がリズムに乗った跳びはねる動作を主体とするのに対して、「舞い」はくるくる回る動作を基本としています。

もともとは「舞い」とは、足を地面や床をするような動作をするため、足を上げることが少なく、テンポは比較的ゆるく、その場を回ったりめぐる動作を主とします。

ゆったりの「舞い」と跳びはねる「踊り」

「てんてこ」という言葉はかわいらしい表現に聞こえませんか?

「てんてこてんてこ…」今にも踊りだしたくなりますが、ここでは、「てんてこ舞い」であって、「てんてこ踊り」ではありません。

盆踊りや阿波おどりなどのように、「踊り」は太鼓のリズムにあわせて誰でも楽しく踊ることができる、どちらかというと大衆的なものですよね。

しかし、獅子舞(ししまい)や能、狂言での舞などの「舞い」は、なかなか飛び入りで参加することができない専門的なものです。

いきなり「獅子舞」をしようにも何をしていいかわからないですよね。

「踊り」は参加したり、自分も楽しむことができますが、「舞い」は、本格的に習わないとなかなか身につくものではないのです。

そう思えば「てんてこ舞い」は誰にでもできる「舞い」のひとつなのかもしれませんね。

「舞い」がつく慣用句や四文字熟語はほかにもある

古来より日本人に親しまれてきた「舞い」

「てんてこ舞い」のほかにも「舞い」のつく慣用句や四文字熟語をいくつか集めてみました。

「きりきり舞い(じゅうぶんに対処できないほど忙しく動きまわっていること)」

「二の舞を演じる(前の人と同じ失敗をくり返すこと)」

「狂喜乱舞(大喜びすること)」



「てんてこ舞い」の類語や似ている意味のことわざにはどのようなものがあるのだろう?

「大いそがし」「せわしない」の意味を持つ慣用句やことわざ、四文字熟語を集めてみました。

  • 「目が回る」【めがまわる】
  • 「猫の手も借りたい」【ねこのてもかりたい】
  • 「てんやわんや」
  • 「東奔西走」【とうほんせいそう】

「目が回る」【めがまわる】

ここでいう「目が回るよう」は、めまいがしたり、目がくらむという意味ではありません。

非常に忙しいようすをたとえた慣用句で、「忙しくて目が回るようだ」のように使います。

あまりに、あわただしく動き回ると目が回ってきてしまい、めまいがしてしまいます。

そんなようすからこの「目が回る」の表現がうまれたといわれています。

「猫の手も借りたい」【ねこのてもかりたい】

「猫の手も借りたい」とは、とても忙しくて手が不足していることをたとえています。

犬は調教すれば、警察犬や盲導犬など人間にとって役立ちますが、自由気ままに生きる性質のネコは、人間に役立つとしてもネズミをとるくらいで、ほかには手伝いをしてくれそうにありませんよね。

このように、忙しいので、まったく役に立ちそうにない動物のネコであったとしても手助けしてほしいほど忙しいことからつけられました。

「てんやわんや」

「てんやわんや」とは、予想外の出来事などのため、大勢の人が勝手に動いて混乱することや、ゴタゴタがたてこんでどうしようもないほどに多忙なことをいいます。

慌てふためいている様子を表すことがでもある「てんやわんや」は、今でいえば「パニック状態」ということですね。

忙しいときは、パニックを起こしやすいので、ふっと一息ついて冷静になりたいものです。

「東奔西走」【とうほんせいそう】

「東奔西走」とは、目的のためや、仕事を処理するために、あちらこちらへ忙しくかけまわることをいいます。

「東」「西」は広い地域という意味で、「奔」「走」もどちらもが「走る」という意味を持ちます。

「どうにかなる見込みがある」「走り回ることで目的を達できる可能性がある」ときに使用されます。

「『東奔西走』して成功した」は、忙しく走り回ったおかげで成功した」という意味です。

「てんてこ舞い」はどのようなときに使うのだろう?

「てんてこ舞い」な状態は、あれやこれやといろいろな用事がたてこんでいたり、やらなければならないことがたくさんありすぎて、なかなか収拾がつかないことです。

仕事の納期が迫って休む暇などなく働かねばならないとき、育児や家事で大忙しの母親、出勤前の朝の忙しい時間帯など、日常には「てんてこ舞い」の場面がたくさんありますね。



「てんてこ舞い」の例文

ここで、「てんてこ舞い」の例文をご紹介します。

  • 「ごめん、今度の飲み会にはいけそうにないよ。納期が近いので、もう『てんてこ舞い』の忙しさなんだ」
  • 「急に主人がお客さんを連れて帰るって連絡してきたから、もう『てんてこ舞い』で食事の支度をしたわよ」
  • 「妹は三人の子どもたちの世話で『てんてこ舞い』している」

「てんてこ舞い」を英語ではなんというの?

てんてこ舞い meaning in english

「大忙し」「せわしない」の二つのキーワードをもとに集めてみました。

  • “to be hectic”
  • “to be rushed off one's feet”
  • “to frantically busy”

“to be hectic”

場所、時間帯、生活について使われる“hectic”とは、非常に忙しくて、ゆっくりする暇もなく、慌ただしく物事をこなしていく様子をさします。

まさに、「てんてこ舞い」の意味ですね。

“I've found the past few weeks rather hectic.”(ここ数週間は「てんてこ舞い」だったなと、ふと気がついた)

“to be rushed off one's feet”

「とても忙しい」という意味に用いられるイディオムです。

“rushed”の代わりに“run”を入れて、“to be run off one's feet”ともいいます。

“With three young kids, it's hard to remember a time when I wasn't rushed off my feet.”(三人の子どもたちと過ごしていると、『てんてこ舞い』にしていたことも忘れてしまう)

“to frantically busy”

“frantically” とは、「半狂乱で」「非常に」という意味です。

“She was frantically busy preparing for dinner.”(彼女は夕食の準備で『てんてこ舞い』だった)

「てんてこ舞い」の「きりきり舞い」の違いはあるの?

「てんてこ舞い」の他にも「大いそがし」という意味の慣用句に「きりきり舞い」がありますよね。

その違いは「てんてこ」「きりきり」の違いですが、この二つの言葉には、どんな違いがあるのでしょうか?

  • 「てんてこ」と「きりきり」の違い
  • 「きりきり舞い」のもうひとつの意味
  • 「てんてこ舞い」と「きりきり舞い」の違い

「てんてこ」と「きりきり」の違い

「てんてこ舞い」「てんてこ」は、神楽(かぐら)に用いられる小太鼓の音からと言われていますが、「きりきり」とは何からか知っていますか?実は、「きりきり」の音は、こまがくるくる速度を保って急いで回っている様子を表現した擬態語なのです。

また、「きりきり」の音には、歯を強くくいしばる時の音、時計のぜんまいなどを強く巻く音にも使われています。

「きりきり働く」とは、物事をてきぱきこなしていることをいいますし、「胃が『きりきり』痛む」とは胃が強く痛むことですよね。

「てんてこ」に比べると「きりきり」は、「激しい、強い」のニュアンスが強いですね。

「きりきり舞い」のもうひとつの意味

「きりきり舞い」には、目が回るほどとても忙しいという意味の他にも、予想外の事態や経験のないことに出合って、あわてるという意味があります。

昔流行した歌謡曲に「きりきり舞い」という歌詞が入っていましたが、これは、想定外のことに大あわてするという意味ですね。

どちらかというと、目が回るほどとても忙しいという意味よりも、この予想外なことにあわてるという意味で「きりきり舞い」を用いる人が多いように感じます。

「てんてこ舞い」と「きりきり舞い」の違い

「てんてこ舞い」「きりきり舞い」には、「とても忙しい」という意味での違いはありませんが、「きりきり舞い」のもうひとつの意味で使われたときに違いがはっきりとわかります。

「速球に『きりきり舞い』させられた」といいますが、「速球に『てんてこ舞い』させられた」とはいいませんよね。

icon まとめ

「てんてこ舞い」を今風に言うなら、「ちょー忙しい」ですよね。

「てんてこ舞い」という慣用句はだんだんと用いられなくなってきましたが、「てんてこ舞い」には忙しい中にもどことなく「てんてこ」というひょうきんな擬音があり、その忙しい緊張感を少しやわらげてくれるような言葉です。

忙しい時には「てんてこ舞い」しながら頑張って自分の目標を達成していきたいものですね。