「食いっぱぐれる」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「美味しいものを食べられいということ?」「食べ物に困らないこと?」なんて思ってしまいそうです。
本当の意味を解説しましょう。
目次
- 「食いっぱぐれる」の意味とは?
- 「食いっぱぐれる」の類語
- 「食いっぱぐれる」の使い方
- 「食いっぱぐれ」を使った色々な言葉
- 「食いっぱぐれない」職業の特徴
「食いっぱぐれる」の意味とは?
もともと「食い逸れ(くいのがれ)」⇒食べるチャンスを逃す⇒「食べ物と縁がない=食べるものを手に入れるお金がない」という意味です。
ですから、食べ物に困るほど収入が得られないという時に「食いっぱぐれる」という言い方が使われます。
仕事がなくて収入が得られない時に「食べていけない」と表現するのに似ています。
仕事に波がなく、安定した収入が得やすい仕事に事を「食いっぱぐれのない仕事」と表現します。
不安定な雇用条件で、いつ収入がなくなるかわからない状況なら、「いつ食いっぱぐれてもおかしくない仕事」という言い方があてはまります。
リストラされたり、仕事が見つからなかったりした時に、「このままでは、くいっぱぐれてしまう」という言い方をします。
- 「食いっぱぐれる」の読み方
「食いっぱぐれる」の読み方
「くいっぱぐれる」と発音します。
「食」は、音読みで「しょく」ですが、「食いっぱぐれる」のときは、そのまま「食(く)いっぱぐれる」です。
「しょく」から「職」をイメージする方もいらっしゃるかもしれませんね。
「食べていく」=「生活していく」と広い意味でとらえていますが、発音的には「くいっぱぐれる」です。
食べるという表現を使っていますが、食べ物を買うための資金だけでなく、衣食住を整えるための資金が持てることを指して使われることがほとんどです。
「食いっぱぐれる」の類語
生活していけないという意味の「食いっぱぐれる」を他の表現に置き換えると、イメージが湧きやすくなるでしょう。
「食いっぱぐれる」の類語を紹介しましょう。
- 「口に糊する」
- 「おまんまの食い上げ」
- 「生活困窮者にならない」
「口に糊する」
昔話「舌切すずめ」では、おばあさんが糊(のり)を煮ておいたらすずめが食べてしまうシーンがあります。
昔は、お米や残りご飯を煮ておかゆ状にしたネバネバを、洗濯のりや障子貼りの糊に使っていました。
おかゆを食べたとき、口の周りにこうした糊のようなものがつきます。
「口に糊する」というのは、ようやくおかゆをすすることができる程度の生活レベルを表し、暮らしに困っている様を表現します。
さらに、その「糊」さえも口に入れることができないとなれば、かなりの貧乏ということになります。
すこしへりくだって、「どうにか食べていける」という状態を表す時に「口に糊することができる」という言い方をします。
「おまんまの食い上げ」
「おまんま」はご飯のことですから、「食事ができなくなる」ことを「おまんまの食い上げ」といいます。
「食いっぱぐれる」と同じように、食べ物だけでなく、「衣食住が整わない」、「生活していけなくなる」ということを指して「おまんまの食い上げ」ということがあります。
「クビだなんて、こちとらおまんまの食い上げだよ」といった、くだけた調子の話し言葉として使われます。
下町風のニュアンスが感じられる表現です。
迷惑行為をする人に向かって「商売の邪魔されちゃ、おまんまの食い上げなんだよ」といった言い方もあります。
「生活困窮者にならない」
「暮らしに困ること=せいかつこんきゅうしゃ」ですから、「食いっぱぐれない=生活困窮者にならない」という言い換えることもできるでしょう。
「食べる」や「食べていく」という表現は、「暮らしていく」、「十分に生活できる収入を得られる」という意味になります。
十分に収入があり、住むところ、着る物、食べるものの「衣食住」が整うことで、暮らしが成り立つのです。
衣食住が満足に成立しなければ、生活困窮者なり、食いっぱぐれてしまったということになるのです。
もうすこし軽い言い方では、「暮らしに困らない」=「食いっぱぐれない」という言い方もできるでしょう。
「食いっぱぐれる」の使い方
「食いっぱぐれる」や「食いっぱぐれない」という、どちらの使い方もできます。
「食いっぱぐれる」は収入が不安定だったり、不十分で暮らしに困ること、「食いっぱぐれない」は暮らしに困らない収入が安定していることを表しています。
「食いっぱぐれる(くいっぱぐれる)」がどんなふうに使われるのか紹介していきましょう。
- 「食いっぱぐれる」を使った例文1
- 「食いっぱぐれる」を使った例文2
「食いっぱぐれる」を使った例文1
「転職がうまくいかないので、このままでは食いっぱぐれてしまうだろう」
思ったような職業につけないので、収入が不安定で食べるものに困るような厳しい状況になるだろうという意味人になります。
社会情勢の変化で、リストラにあったり、働き方の変更をしなければならなかったりすると、収入が予想を下回ってしまうことがあります。
想定外の収入低下にあうと、予算オーバーで家計のやりくりが破綻してしまいます。
そんな時、ひと踏ん張りしなければ食いっぱぐれてしまいます。
「食いっぱぐれる」を使った例文2
「公務員なら食いっぱぐれないだろう」
公務員は不況に強く、好景気でボーナスがあがることはありませんが、一定の給与が保証された職業です。
こうした安定感のある職業は、「食いっぱぐれない職業」と呼ばれることがあります。
反対に収入が不安定な職種の場合には、「食いっぱぐれる心配が大きい職業」と表現されます。
どんな人生を選択したいか、個性や能力に応じて変わってきますからなんとも言えませんが、収入が安定している、社会に必要とされる職業なら「食いっぱぐれない」と言えるでしょう。
「食いっぱぐれ」を使った色々な言葉
「食いっぱぐれないように過ごすこと」は、充実した生活を送るのに欠かせません。
食べることができなければ、生活が成り立ちませんし、幸福感も得られないでしょう。
衣食住が確保できて始めて安定した生活を送ることができ、心にも余裕が生まれます。
将来を見通して、備えを考えていくことも同時に必要かもしれません。
「食いっぱぐれ」を使ったいろいろな言葉や表現を解説していきましょう。
- 「食いっぱぐれない資格」
- 「食いっぱぐれない人生」
- 「食いっぱぐれ防止」
「食いっぱぐれない資格」
食いっぱぐれないためには、履歴書に書ける資格が数多くあった方が有利だと考える人は多いものです。
安定的に仕事を確保するには、誰からも必要とされるスキルを持っていると有利です。
医師免許、看護師など医療系の資格は、人が健康に生きるために必ず必要とされる資格ですし、現在、人で不足になっている分野ですから、「食いっぱぐれない資格」だと言えるでしょう。
また、取得の難しい「弁護士」や「司法書士」、「公認会計士」といった法律にかかわる資格は、職業に直結しています。
学歴については、高偏差値の有名大学なら「食いっぱぐれない資格」になるでしょう。
「食いっぱぐれない人生」
社会情勢の変化が激しい時代ですから、「食いっぱぐれのない人生」を望んでも、誰もがスムーズにいくとは限らない時代かもしれません。
かつての大企業誰が合併や買収される時代ですから、収入に困らない食いっぱぐれのない人生を送るのは、難しくなっています。
かつては、大企業に入社できれば福利厚生に恵まれ、一生食いっぱぐれしないと考えられていましたが、電気・電子機器関係や、銀行などの金融関係の企業でも安全とは言えない時代を経験しました。
食いっぱぐれないためには、時代を先読みすることと、実直に仕事と向き合うことの両輪がうまく噛み合う必要があるでしょう。
「食いっぱぐれ防止」
食いっぱぐれないように保険をかけるという考えの人もいるのではないでしょうか。
社会の動きが読めないことも多いですから、食いっぱぐれるのはゴメンだと思っても、うまくいかないこともあるのです。
食いっぱぐれ防止の方法としては、資格試験の必要な職業を目指す、公務員のように倒産のリスクのない職業につくということをイメージするでしょう。
情報を集め、時代を先読みして、必要な勉強に励むというのも対策になります。
また、ビジネスでは、人脈・クライアントとのつながりがチャンスを広げるので、そうした行動パターンを大事にすることもポイントになります。
「食いっぱぐれない」職業の特徴
必ず必要とされるニーズが長続きする、その人にしかできない希少価値がある、雇用形態が安定しているといった条件がそろうと、「食いっぱぐれない」職業と言えるでしょう。
定年になるくらいまでの長いスパンでニーズが尽きないというところがポイントになるでしょう。
食いっぱぐれのない職業について紹介しましょう。
- 「医師・看護師など医療に携わる職業」
- 「国家公務員」
- 「特別技能をもったエンジニア」
「医師・看護師など医療に携わる職業」
命を預かる仕事は責任が重く、特別な知識や技能が必要となります。
必ず国家試験に合格していなければできない仕事だという難しさがありますから、さらに狭き門といえます。
こうした資格を持って、医療関係の仕事についている人は、人材不足な状況も手伝って、どこでも引っ張りだこです。
そのかわり、かなりの激務になることが予想されますが、食いっぱぐれのない職種だといえます。
絶対に食いっぱぐれたくないという人、ビジネスよりも目の前の人の役に立つことがしたいという方は、医療関係を目指すのが良いでしょう。
「国家公務員」
ビジネスには波がつきものです。
時代の流れに乗っている時には、大きく儲けることができますが、ブームに乗って儲けるジャンルでは浮き沈みが激しいものです。
商売は、一種の賭けのような思い切りが必要ですから、堅実に安定した暮らしを望む場合には、公務員が向いています。
公僕(こうぼく)として、社会のために働く仕事ですから、制約もありますが、倒産のリスクがとても低い仕事ですし、福利厚生が整っているので、長く務めて老後も安心というケースがほとんどです。
公務員そのものが、「食いっぱぐれない」仕事の代名詞ともなっています。
「特別技能をもったエンジニア」
食いっぱぐれのない仕事といった時に、資格を思い浮かべる人が多いですが、特殊技能というところがポイントです。
誰もができない希少価値があり、それが時代のニーズにあったものであるほど、仕事を失うことはありません。
転職というときにも、ヘッドハンティングのかたちで、より良い条件をゲットできる可能性が高いです。
「食いっぱぐれ」と聞いて、将来への不安を連想する方も多いでしょう。
しかし、将来を見越して準備する、それだけの情報を集めて備えておくことで「食いっぱぐれない」人生を過ごせる可能性が高まります。
日々の暮らしを堅実に一生懸命過ごすことが大事なのかもしれませんね。