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「てへぺろ」の意味とは?若者言葉?反対語や使い方、例文を紹介!

完全な現代語であり、日常会話ではまず使われないこの言葉。

目にするのは主に小説や漫画、コメディドラマにおいてであり、それも活字ではなく仕草や動作での表現が多く見受けられます。

それでいて、若者なら知らない方が少数派とも言えるのはなぜでしょう。

今回はこの何とも可愛らしく不思議な響きをもつ言葉について調査してみます。

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「てへぺろ」の意味とは?若者言葉?反対語や使い方、例文を紹介!>


目次

  • 「てへぺろ」の意味とは?
  • 「てへぺろ」を分解して解釈すると
  • 「てへぺろ」の使い方や使うタイミング、派生型について
  • 「てへぺろ」を使った例文
  • 「てへぺろ」の語源


「てへぺろ」の意味とは?

非常に律儀な定義をすれば、「自分の不用意な失敗を自覚しており、かつそれが重大な結果をもたらす事例でない場合、自己申告もしくは周囲からの指摘によって明るみになったそれを自省して、もしくは自虐、あるいは逆に悪びれることなく態度や仕草に出し、時には実際に口に出す」 という、どうにも難解な言葉の羅列になってしまいます。

もっとくだけた言い方をすると、自分のいわゆる「やらかし」に対して愛嬌を振りまくこととも言えます。

そしてその目的は、大きく以下の二つに分けられます。

  • 自分の失敗を許してもらいたい時
  • 自分の失敗を自虐的に認め、周囲と一緒になって笑い飛ばしたい時

またこの「てへぺろ」には、それ以上の追求を回避し、あわよくば周囲に「可愛い」と思わせてしまう、という狙いが含まれた場合もあり、その場合は成否のいかんに関わらず、同性から白い目で見られることとなります。

目的Iにおいて、この言葉はその性質から、使用する、または使用が許されるのは主に見た目の良い若年女性、それも殆どがフィクションでの出来事に限られており、男性キャラクターや年配女性がもし用いようとすれば、それが自虐的な笑いを誘う目的でない限り、顰蹙を買うことを覚悟しなければならない言葉でもあります。

「てへぺろ」以前にすでに相手がその失敗について怒っている場合もあり、それが火消しとなるか火に油を注ぐかは、人物像と後々の展開によって大きく変わってきます。

目的IIはそれに比べて実在の人物が使用することがある程度許容されていると言え、おもにSNSや個人ブログなどで多く見受けられます。

定義の中では「重大な事例でない」場合としましたが、これはあくまで一般的なものであり、例えば人類の存亡が懸かった危機のような局面においても、半ば諦念を含んで用いられる場合もあり、従ってこれは完全にフィクションの中でだけ許された用法です。

周囲の人物においては、気のおけない仲間うちや、その場の空気を許容してくれるような優れた器量の人物がいる場合に限り、ビジネスなどの場では一切許される行為ではありません。

一般的に、うっかりミスの多いいわゆる「ドジっ子」が多用すると思われがちですが、「自覚している」という点でドジっ子キャラとは齟齬が生じることもあり、その人物の計算高さや腹黒さの尺度でさえある場合も多いのです。

逆に普段隙がなく聡明に見える女性が行うと、その落差でより大きな効果をもたらします。



「てへぺろ」を分解して解釈すると

  • てへ
  • ぺろ

てへ

昭和の少女漫画に見られる「てへっ」の事。

その起源は古く、何と戦前の出版社「中村書店」から刊行されていた漫画シリーズ、俗に言うナカムラマンガにすでに見ることができます。

失敗に対しての照れ隠しであり、多くの場合片手を頭の後ろに持って行き、形骸的な申し訳なさを示します。

ぺろ

舌をペロっと出す事。

またその様子。

つまりこの二つが組み合わさった「てへぺろ」は分類するなら擬音と擬態語の中間に近いものと言えます。

それでいて、実際に行ってみるとわかりますが、舌を出しながら「てへぺろ」と発音するのは非常に難しいので、ここからも日常的というよりはフィクション寄り、口に出すよりは文字として表記する方が自然な言葉であることがわかります。

「てへぺろ」の使い方や使うタイミング、派生型について

  • 使うタイミング
  • 具体的な仕草
  • 文字として用いられる場合
  • 英語に「てへぺろ」はあるか
  • 派生型「てへぺろこつん」
  • 「てへぺろ」と似た使い方をする言葉、仕草
  • 「てへぺろ」が生み出す許容の精神が、実際に用いられた例

使うタイミング

上記で述べた通り、自分の失敗に対しておどける様子であり、周囲に指摘する人物群がいない場合、あまり使われることはありません。

具体的な仕草

まず実際に体で表現する場合、以下のようなプロセスを経ます。

  • 申し訳ないという意思のあらわれとして、片手を後頭部に当てる。但しこの時に必要以上に前傾姿勢を取らない。
  • 場合によっては肩をすくめる、小首を傾げるなどする。
  • 多くにおいてこのタイミングで「てへぺろ」と発言し、改めて以下の仕草を加える。男性などが極力顰蹙を買いたくない場合は、何も発言せずに仕草だけに留めると、場が和らぐ可能性がある。
  • 舌を軽く外に出す。この場合中央でも、左右どちらかの口端からでもよいが、一般的には口端が多い。飴菓子「ミルキー」のキャラクター、「ペコちゃん」が最もわかり易い事例として挙げられる。
  • 片目をつぶる(ウインクする)。このウインクする目と舌を出す方向は必ずしも一致しないが、実写作品においては食い違うことが多く、またその方が自然である。

文字として用いられる場合

文章の中では主に、語り手の独白の最後に付け足されます。

その場合は()で括られ、さらに語末に♪、☆などの記号をつけて(てへぺろ☆)などと表記される事がほとんどです。

この記号が意外に大事な要素であり、もし無いと女性的な愛嬌というものが失われてしまい、男性キャラクターが意図して棒読みしているような印象を与えてしまいます。

最近ではtwitterなどのSNSサービスで見られることも多く、その場合は文字数制限と、不特定多数の反感(炎上)を避ける意味からか「寝坊しちゃったてへぺろ」などとごくシンプルな使い方をされる場合もありますが、基本的にはフィクション内で可愛げを前面に押し出したものが本来の形です。

英語に「てへぺろ」はあるか

「てへっ」を表す“teehee”という単語があります。

「ティーヒー」と発音し非常に似通っていますがれっきとした英語であり、顔文字をつけて“teehee XD”とされる場合もあります。

派生型「てへぺろこつん」

手を後頭部に持っていく代わりに、頭頂部に自分で拳骨を落としたような状態。

より愛嬌を振りまく意図で用い、全ての動作に先立って「てへぺろこつん」と言ってしまいます。

2012年のテレビドラマ「非公認戦隊アキバレンジャー」では、声優の「内田真礼」の演じる登場人物が「てへぺろこつん」を披露しています。

「てへぺろ」と似た使い方をする言葉、仕草

元が特定の状況をあらわす言葉ですから類似する事例を探すのは難しいですが、「やっちゃった」あるいはただ単に「えへっ」や、無言で肩をすくめる、周囲を恐る恐る見回す、某アイドルのキャッチフレーズ「許してにゃん」などが挙げられます。

「てへぺろ」が生み出す許容の精神が、実際に用いられた例

昨年(2017年)、東京の六本木で「注文をまちがえる料理店」というイベントが開催されました。

これは注文を取るウェイタースタッフが皆、認知症であるという非常に特殊な試みをしています。

毎年9月21日は世界アルツハイマーデイとの事で、それに合わせて計画されたこのイベントは、300人近い来客を迎えて大盛況のうちに幕を閉じたそうです。

認知症の方を敢えて登用するのですがら、当然オーダーは正しく伝わらないかもしれない。

しかしそれを受け入れ、間違えたら間違えたでそれを皆で分かち合おう、というのが基本コンセプト。

舌を出したロゴマークと「広がれてへぺろの輪」の一文に、多くの人が賛同したそうです。

ここで大事なのは、注文を間違える「かもしれない」という点です。

最初から間違える前提では、何も意味がありません。

一生懸命の結果としての「ごめんね」「まあいいか」は、介護業界のみならず現代社会に最も必要な、寛容の心です。

つまり、まず相手の立場になって考える習慣を、皆が持つということです。

自覚しておどける「てへぺろ」の本来の意味とは若干違うかもしれませんが、一つの概念に真面目に向き合い、どういう解釈であれそこから良い点を見出すという、有意義なイベントだったと言えるのではないでしょうか。



「てへぺろ」を使った例文

  • 「お前あれほど念を押したのに、なぜ猛獣の尻を触って刺激するんだ」「てへぺろ」「てへぺろじゃない!」
  • 「○月○日 友達から借りたCDを我慢できなくて町中で開けたら全然違う中身で、慌てて引き返したら道に迷って、キョロキョロよそ見してたから犬の尻尾を踏んづけちゃって、吠えられてびっくりした勢いで放り投げたらフリスビーみたいに飛んで行っちゃった(てへぺろ☆)」
  • 今日はプロジェクトの納期だ。だが目が覚めたら夕方だった。携帯電話はなぜか電源が切ってあるが、恐らくメールと着信の嵐だろう。それにしても夕日が綺麗だ。(てへぺろ)

以上のようにまともに例文を作成しようとなると、非常に他愛のないものばかりになります。

「てへぺろ」の語源

人気声優の「日笠陽子」氏が発言し、広まったのがはじまりとされています。

氏は少なくとも2009年頃には自身のラジオ番組でこの言葉を使い出し、本人としては愛嬌を振りまくよりも自虐的な芸として捉えていました。

やがてそれを気に入ったアイドル、タレントなどが次々と模倣しだし、それを基にした楽曲が製作されたり、携帯電話会社が自社CMで用いたりなど、サブカルチャー界隈を中心としてあっという間に定着したという経緯があります。

さらに年配層向けの代表例とも言える「笑点」においても、時事ネタとして落語家たちが用い、挙句に2012年には「現代用語の基礎知識」にも掲載されてしまったほどですから、いかに世間に浸透したかがわかります。

言葉として定着してから10年ほどの歴史しかありませんが、その仕草そのものは、それよりもずっと前から散見されています。

1980年代の漫画「ドラゴンボール」では、力加減を間違えて山を崩壊させてしまった武術の達人、亀仙人が全く同じポーズを取っているのが確認できます。(但しセリフは「てへっ」と言うだけ)

icon まとめ

こうした一見不誠実で無意味に思える言葉も、真面目に考察してみると意外に奥深いものです。

それは、従来から当たり前にある人間のようすだからです。

失敗を必要以上に責めてもどうにもならないのであり、皆で笑い飛ばしてしまおう、また時には要領良く立ち回ってもいいじゃないか、という思いも込められているのではないでしょうか。

もちろん、相手側にもそれを許す度量の大きさと、どう反応するかというユーモアのセンスが問われ、フィクションの中では脱力感の演出として多用されています。

実生活に活用…とはいきませんが、心の中でたまには「てへぺろ」して息抜きしてみてはいかがでしょうか。