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「忘却の彼方になる」の意味とは?類語、反対語や使い方、例文やことわざを紹介!

「忘却の彼方になる」という表現を知っているでしょうか。

最近はあまり使われなくなりましたが、知っている人もいるかもしれませんね。

ここでは「忘却の彼方になる」という表現について解説します。

忘却の彼方になる

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「忘却の彼方になる」の意味とは?類語、反対語や使い方、例文やことわざを紹介!>


目次

  • 「忘却の彼方になる」の意味とは?
  • 「忘却の彼方になる」の類義語
  • 「忘却の彼方になる」の対義語
  • 「忘却の彼方になる」の使い方
  • 「忘却の彼方になる」の例文
  • 「忘却の彼方になる」の英語


「忘却の彼方になる」の意味とは?

「忘却の彼方になる」の意味とは?
  • 「忘却の彼方になる」の意味
  • 「忘却」と「彼方」を合わせた表現

「忘却の彼方になる」の意味

「忘却の彼方になる」というのは「すっかり忘れてしまうこと」を指しています。

忘却とは「すっかり忘れてしまうこと」を指しますが、「忘却の彼方になる」という表現で「物を忘れること」「思い出せないこと」を指すことができます。

つまり、「忘却の彼方になる」「忘れる」の同義、ということが分かりますね。

忘却とは「忘れる」をさらに強調した表現であり、「すっかり忘れる」「忘れ去る」という意味になります。

だからこそ、思い出話に使われることが多いです。

「忘却」と「彼方」を合わせた表現

「忘却の彼方になる」というのは「忘却」「彼方」という言葉を組み合わせた表現になります。

忘却とは「忘れ去る」「すっかり忘れる」という意味だという説明をしました。

「彼方」というのは「あちらの方」「向こう」という意味になります。

そこから「忘却の彼方になる」というのは「記憶や思い出が遠くに行ってしまうこと」「記憶や思い出をすっかり忘れ去ってしまうこと」を指すようになったのです。

「忘却の彼方になる」以外にも、「忘却の彼方に消え去る」という言い方があります。



「忘却の彼方になる」の類義語

「忘却の彼方になる」の類義語
  • 「忘れる」【わすれる】
  • 「記憶が失われる」【きおくがうしなわれる】

「忘れる」【わすれる】

先ほども述べた通り、「忘却の彼方になる」というのは「昔の思い出や過去をすっかりと忘れ去る」という意味ですから、まず「忘れる」という表現が類義語になります。

それ以外にも「忘れ去る」「忘却する」というのも類義語と言えます。

これ以外にも「ど忘れする」「失念する」などという表現もありますが、先ほども述べた通り「忘却」はただ単に忘れるという意味ではな「忘れ去る」「すっかり忘れる」「思い出せないほどである」という意味合いを持ちますので、ただ単に「忘れる」では意味が軽いとも言えます。

「記憶が失われる」【きおくがうしなわれる】

「忘却の彼方になる」という表現は、主に記憶や思い出について使われる表現です。

そのため、「記憶が失われる」「記憶がなくなる」という表現も類義語と言えます。

「忘れる」の類義語として「失われる」という表現はあまり使いませんが、「記憶が失われる」と言えば「記憶がなくなる」ということであり、「失われる」という意味合いから「記憶が思い出せない」「記憶が取り戻せない」という意味であることが分かります。

「忘却の彼方になる」の対義語

「忘却の彼方になる」の対義語
  • 「想起する」【そうきする】
  • 「記憶する」【きおくする】

「想起する」【そうきする】

「想起する」という言葉は「思い出す」という意味ですが、それよりも強い言葉になります。

「思い出す」という表現は確かに「忘却の彼方になる」という表現の対義語になりますが、「忘却」という意味合いを考えると「思い出す」では少々軽いのです。

「想起する」「思い出す」を強調した表現になりますので、「忘却の彼方になる」の対義語としてふさわしい表現になるでしょう。

これは「過去に経験した事象などを思い起こすこと」という意味であり、「以前にあったことなどを思い起こすこと」を指します。

「記憶する」【きおくする】

「記憶する」というのは、「過去に体験したことや覚えたことを忘れずに覚えておくこと」「心に留めておくこと」を指します。

或いはその内容自体を指す場合もあります。

「記憶に新しい」「記憶にとどめる」「記憶力がない」などという言い方をします。

「コンピューターに記憶しておく」などという言い方もありますね。



「忘却の彼方になる」の使い方

「忘却の彼方になる」の使い方
  • 時代設定をしっかりと
  • 物事を大げさに伝える
  • 「忘却の彼方になる」以外の表現

時代設定をしっかりと

「忘却の彼方になる」という表現はあまり日常的に使う表現ではありません。

どちらかというと詩や小説で使われる文語的な表現であり、口語で使われる表現ではないのです。

また、年配の人が使うイメージを持つ人も少なくありません。

そのため、例えば「夏休みの宿題はすっかり忘却の彼方になった」と言えば、少なくとも小学生の文章には見えません。

むしろ高校生でも使わない表現です。

高校生がこの表現を使ったら、むしろギャグのように聞こえてしまいます。

物事を大げさに伝える

「忘却の彼方になる」というのは、極めて大げさな表現だと言えます。

「忘れる」ようなものではなく、「全く覚えていない」「全然思い出せない」といった時に使える表現です。

しかし、実際は全く覚えていない、全然思い出せない、ということはあまりないですよね。

この表現はそんな時であったとしても、覚えていない、思い出せない、ということを強調したい時に使えるのです。

例えば「彼女と別れてから数年経ち、彼女との思い出は忘却の彼方になったよ」と言えば、「彼女と別れてから数年経ち、その思い出は全く覚えていない、語る気もない」「思い出す気もない」という気持ちを表すことができます。

「忘却の彼方になる」以外の表現

「忘却の彼方になる」以外に「忘却の彼方に消え去る」という表現を紹介しましたが、それ以外にも「忘却の彼方に葬る」「忘却の彼方に追いやる」という言い方もあります。

この場合は「きれいさっぱり忘れる」「記憶から消し去ってしまう」などという意味合いが強いです。

「忘却の彼方になる」の例文

「忘却の彼方になる」の例文
  • 「彼女との楽しい日々は忘却の彼方になった」
  • 「あの頃の失敗は忘却の彼方になった」
  • 「高校生の時に隣に座っていた女の子の名前は忘却の彼方になった」
  • 「ここにいるとお金の心配も将来の心配も忘却の彼方になるね」
  • 「あの災害のことは人々の忘却の彼方になった」

「彼女との楽しい日々は忘却の彼方になった」

好きな人と交際をしている時は、毎日が本当に楽しいですよね。

しかし、そんな恋人と別れて自分の生活を歩むようになったら、付き合っていた頃の楽しい日々は過去のものとなります。

別れた直後はとてもショックかもしれませんが、彼女と別れてその彼女といつまでも会うことなく、自分の生活を大切にしていたら、いつの間にか彼女のことを忘れていきます。

そしていずれはその彼女以上に大切だと思える女性に出会えるかもしれません。

会わない時間が長いと、段々と相手のことを忘れて行くものです。

そんな時は「彼女との楽しい日々は忘却の彼方になった」と言えますね。

「あの頃の失敗は忘却の彼方になった」

誰であっても忘れたい記憶がありますよね。

例えば高校生の頃は試験を受ければ赤点だった、大学時代は単位を落とすこともあり、卒業できるか心配だったなど、今思い起こせば笑える話だけれど、当時は心配だった、などという過去がありますよね。

そんな時、「あの頃の失敗は忘却の彼方に消え去ったよ」という事ができます。

この場合は「あの時は大変だった、思い出したくない」といった気持ちが表れています。

もしも「あの失敗は忘却の彼方になった」と言われたら、そのことに関しては触れない方が良いかもしれません。

「高校生の時に隣に座っていた女の子の名前は忘却の彼方になった」

小学生や中学生、あるいは高校生の時は、隣に座る女の子のことが気になった、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。

しかしそんな女の子の名前は覚えていない、という人もいるでしょう。

人の名前はなかなか思い出せないことがありますよね。

そんな時は、隣の女の子に恋心を抱いた甘酸っぱい思い出と共に名前も消え去った、等という意味で「彼女の名前は忘却の彼方に消え去った」などという言い方が可能です。

「ここにいるとお金の心配も将来の心配も忘却の彼方になるね」

人間は常に様々な心配事などを抱えて生活していますよね。

お金のこと、将来のこと、家族のこと、常に心配事は絶えないという人もいるでしょう。

しかし、例えば家族や友達と旅行に行き、そこの空気を吸って美味しいものを食べると、心配事も忘れられる、どれだけ不安なことがあっても頑張ろうと思える、等という人も多いのではないでしょうか。

そんな時は「ここにいるとあらゆる心配が忘却の彼方に消え去るよ」という事ができます。

「あの災害のことは人々の忘却の彼方になった」

日本は地震大国と言われますが、同時に台風など様々な自然災害に悩まされる国でもあります。

そんな時、どこかで災害が起こって避難しなければならない人などが増えると災害に対する危機感が高まりますが、次から次へと災害が起こり、昔どんな災害が起こったか忘れてしまう、ということもあるかもしれませんね。

そんな時は「あの災害のことは忘却の彼方に消え去った」などということができます。

「忘却の彼方になる」の英語

「忘却の彼方になる」の英語
  • “The scandal passed from public notice(あのスキャンダルは世間の忘却の彼方になった)”
  • “The memory with my boyfriend passed into oblivion(彼との思い出は忘却の彼方に消え去った)”

“The scandal passed from public notice(あのスキャンダルは世間の忘却の彼方になった)”

政治家などのスキャンダルは世間の注目を浴びますよね。

しかし世の中は常に変化していますから、徐々に忘れ去られていくものです。

1年前のスキャンダルは覚えていても、5年前のスキャンダルなど覚えていないという人も多いでしょう。

そんな時は“The scandal passed from public notice”ということができます。

世間の注目を浴びなくなった、人目を引かなくなった、ということで「忘却の彼方になった」と言えるのです。

“The memory with my boyfriend passed into oblivion(彼との思い出は忘却の彼方に消え去った)”

「忘却の彼方になる」という表現は英語で“into oblivion”ということができます。

そのため、例えば「彼との思い出は忘却の彼方に消え去った」という表現は“The memory with my boyfriend passed into oblivion”とすることができます。

“oblivion”とは「忘却」という意味で、「忘れる」よりも強い言葉になります。

icon まとめ

いかがでしょうか。

「忘却の彼方になる」とはなかなか使わない表現かもしれませんね。

確かに口語で使うことは滅多にないですので、あまり耳にしたことがない、そもそも聞いたことがない、そんな言葉は知らなかった、と思う人もいるかもしれません。

しかし小説や詩などではよく使われる表現です。

安易に口語で使ってしまうと冗談を言っているように思われたりすることもありますので、言う相手やシチュエーションには注意が必要です。