「うまし」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「うまし」の意味は?
正しい日本語と若者言葉を一挙紹介!
「うまし」という言葉は、最近、SNSで見かけることの多い言葉です。
一体、どのような意味なのでしょう。
「うまし」という古文も含めて一挙、ご紹介します。
目次
- 「うまし」の意味とは?
- 「うまし」の類語や言い換え
- 「うまし」の使い方
- 「うまし」の例文
- 「うまし」の元ネタ
- 「いとうまし」の意味
「うまし」の意味とは?
「うまし」の意味は、若者言葉としての意味と、古文としての意味の、2通りを持っています。
まずは正しい日本語である古文の「うまし」から。
「うまし」は漢字にすると、「美し」「旨し」「甘し」と書きます。
「美し」は満ち足りている様子、素晴らしい様子を、「旨し」は十分で満足する様子を、「甘し」は味が美味しいことを表す言葉になります。
現代では美味しい料理などを食べて美味しいことを「旨い!」と言いますが、古文では「旨し」ではなく「甘し」の漢字を使っているところが以外です。
これらの古文を、あえて現代文に取り入れるとしたら、このような感じで使われていたでしょう。
「山川の眺めが素晴らしく、美し自然だ。」(山川の眺めがよく、素晴らしい自然だ。)
「こんなにたくさんのお金があれば、旨しだろう。」(こんなにたくさんのお金があれば十分だ。)
「このお菓子、甘し。遠くから来たかいがあった。」(このお菓子、美味しい。遠くからきたかいがあった。)
では、次に若者言葉としての「うまし」についてみていきましょう。
若者言葉として使われている「うまし」は味が美味しいという意味の「うまし」です。
古文でいえば「甘し」に該当する言葉です。
SNSで「うまし」と言っている人の写真を見ると、大抵、食べ物やスイーツなどの写真が載っているかと思われます。
その人はSNSにあげた写真の食事を食べて、とても美味しかったのでしょう。
「うまし」の類語や言い換え
「うまし」の類語や言い換えをみていきます。
ここでは、若者言葉での「うまし」の類義語を紹介していきます。
- 「ウマーベラス」【うまーべらす】
- 「舌鼓を打つ」【したつづみをうつ】
- 「美食を堪能する」【びしょくをたんのうする】
「ウマーベラス」【うまーべらす】
「ウマーベラス」とは、お笑い芸人コンビ「サンドウィッチマン」の「富澤たけし」さんが使っている言葉です。
主に食レポのときによく聞きます。
意味としては美味しいという意味になります。
「富澤たけし」が、何を食べても、まずは「ウマーベラス!」と叫んでいる姿が印象的です。
食レポ以外のときも、たまに「ウマーベラス」と意味は不明ですが叫んでいるときがあります。
また、「サンドウィッチマン」は「ウマーベラス」という曲も出しています。
日本の四人組ロックバンド・MONKEY MAJIKと共作した作品です。
曲を聞くと、「ウ、マーベラス。ウ、マーベラス」というノリの良い軽快なテンポで思わず体でリズムをとってしまいそうになります。
1回聞いたらクセになりそうな曲です。
でも、MONKEY MAJIKとの共作だけあって、なんだかんだいって格好よい曲でもあります。
SNSで「ウマーベラス」と書いている人は、サンドウィッチマンのファンかもしれません。
「舌鼓を打つ」【したつづみをうつ】
「舌鼓を打つ」という言葉は、美味しすぎて思わず舌を鳴らしてしまうほどの食べ物を堪能しているときに使う言葉です。
この言葉に出てくる「舌」とは口の中にあるベロのことですが、「鼓」とは一体なんでしょう。
「鼓」とは昔あった鼓太鼓のことです。
よく雛人形の中に鼓太鼓を叩いている人形を見かけることがありますが、それのことです。
しかし、この「鼓」と美味しいという意味に難の関係があるのでしょう。
それは、あまりの美味しさに思わず舌を打ち鳴らして食べてしまう様子を表しています。
あまりの美味しさに、周りの目を忘れて無我夢中で食べている様子が目に浮かぶでしょう。
そのときに「くちゃくちゃ」と音を立てて食べている表現を「まるで舌が鼓太鼓のようだ」という意味で「鼓」と表現しています。
例文としては、「焼きたてのカレーパンに舌鼓を打つ」などが挙げられます。
「美食を堪能する」【びしょくをたんのうする】
「うまし」を言い換えると、「美食を堪能する」という文体になります。
「美食」とは「贅沢すぎるほど美味しい物」を、「堪能する」とは「満足するまで食べること」を意味します。
つまり、「美食を堪能する」といったら、「贅沢すぎるほどの美味しいものを心行くまで食べ尽くす」という意味になります。
「美食」という言葉はあまり日常会話には出てこない言葉です。
しかし、文字としては「美食家」や「美食な旅」など、どこかで目に触れたことがあるはずです。
あまり日常会話としては馴染みのない言葉ですが、文字としてはよく使われる言葉なので、SNSなどで使っても違和感を感じないでしょう。
例文としては、「このツアーは美食を堪能するツアーです」などが挙げられます。
美味しい食べ物と書いて「美食」。
考えるだけでヨダレが出てきそうです。
「うまし」の使い方
若者用語の「うまし」は、「食べ物がうまい」「美味しい」という意味で使われています。
SNSに載っている「うまい」という言葉はほとんどがこの意味で使われています。
仲の良い友達と行ったランチが美味しいとき、取れたての新鮮な食べ物を口にすることができたとき、久しぶりにお母さんの手料理を食べたときなど、そのときどきの思い出の料理に「うまし」と言葉を添えて、自分が食べた食事をアップしていたりします。
「うまし」の言葉の使い方としては、「うまし」と一言で表現することもできれば、「このエビ、うまし」のように使うこともできます。
「うまい」と同じ感じで使ってみましょう。
また、なぜ「うまい」ではなく「うまし」とわざわざ語尾を「し」にしているのかというと、古文の「甘し」を意識しているからだと思われます。
昔の言葉を真似て、面白く現代用語に取り入れた言葉なのでしょう。
「うまし」の例文
「うまし」の例文を紹介します。
まずは使い方としては、「うまし」を名詞の前につけて使う使い方、そしてもう一つは「うまし」を述語として使う使い方の2通りがあると思われます。
「うまし」を名詞の前につけて使う使い方としては、「うまし京都の旅」「うましカフェ飯めぐり」「うましラーメン店10選」などが挙げられます。
美味しいものが食べられる場所などを表す言葉となっています。
もう一つの「うまし」を述語として使う使い方としては、「このパスタ、うまし」「このドーナツもうましだけど、このパンもうまし」「うまし!」などが挙げられます。
食べ物を食べて美味しかった時に使う言葉です。
どちらの意味でつかっても、SNSで写真をアップしていれば、その食べ物が絶品だったんだなとすぐに分かります。
まだ使ったことのない人は使ってみてはいかがでしょう。
また、「うまし」は若者言葉ですが、そこまで下品な言葉でもありません。
大人が使っても、そこまで違和感を持ちません。
それにSNSをみると、いろんな年代の人が使っているのを目にします。
そこまで神経質になることはないかもしれません。
「うまし」の元ネタ
「うまし」という言葉には元ネタがあるようです。
若者言葉なので、そのときの時代を物語る何かしらの影響があることは察しがつきます。
さて、「うまし」の元ネタは何なのでしょう。
「うまし」という言葉を言いだしたのは、お笑い芸人コンビ「オードリー」の「春日」さん、そして同じくお笑い芸人コンビ「ペナルティ」の「ヒデ」さんだと言われています。
どちらが先なのかは分かりませんが、二人とも美味しい物を食べた時に「うまし」と表現しています。
二人とも中高生に人気のお笑い芸人であるため、もしかしたら、二人が多用したことで広まっていったのかもしれません。
二人ともなぜ「うまい」を「うまし」と表現しているのかについては、恐らく古文の「甘し」を意識しているからだと思われます。
古文では最後に何でも「し」をつけます。
「悲しい」は「かなし」、「嬉しい」は「うれし」。
この表現方法を真似ているのでしょう。
しかし、若者言葉は、下品で汚らしい言葉であるのが一般的です。
ですが、この「うまし」については、もともと古来から続く美しい日本語の響きを持ち合わせているため、気品のようなものを感じます。
女性が使っても品を保つことができる、不思議な言葉です。
「いとうまし」の意味
「いとうまし」という表現もSNSでよく見かけます。
そして、こちらの言葉も古文に存在する言葉となっています。
古文において「いとうまし」といえば、「非常に美味しい」という意味になります。
「いと」が「とても」とか「非常に」という意味で、「うまし(甘し)」が「美味しい」です。
使い方としては、「いと」が「うまし」(美味しい)をさらに強めている言葉となります。
SNSで使われている「いとうまし」の言葉ですが、全くの同じ意味であると思っていいでしょう。
こちらの意味も「非常に美味しい」という意味になります。
例文をいくつか挙げてみます。
「このお菓子、いとうまし」(このお菓子、めちゃくちゃ美味しい)
「いとうましヨーグルトを食べる」(このとても美味しいヨーグルトを食べてみます)
「お料理してみたら、意外といとうまし」(お料理してみたら、意外とめちゃくちゃ美味しかった)
などです。
また、「いと、うまし!」とSNSで一言だけ書いてみるのも、印象深くていいかもしれません。
「いとうまし」も古文にも存在する言葉であるからか、使っても下品に聞こえません。
若者言葉だからといって躊躇することなく使えそうです。
自分が使いやすい使い方で使ってみましょう。
「うまし」も「いとうまし」も使いやすい言葉に感じたのではないでしょうか。
SNSなどを利用している人はぜひ使ってみましょう。
「うまし」と表現している者同士、美味しい物を堪能できた思い出に共感してくれるかもしれません。
また、「うまし」や「いとうまし」と表現すると奥ゆかしい日本人らしさもにじみ出てくるようです。
これは使ってみる価値がありそうな言葉かもしれません。