「なかなかどうして」の意味とは?類語、使い方や例文を紹介!
「なかなかどうして」の意味は意外と分からない人が多い
なんとなく意味が分かっているつもりでも、間違って使っている場合があります。
「なかなかどうして」という言葉も意外と分からない人が多いのではないでしょうか。
詳しくみていきましょう。
目次
- 「なかなかどうして」の意味とは?
- 「なかなかどうして」の類語や言い換え
- 「なかなかどうして」の使い方
- 「なかなかどうして」の例文
- 「なかなかどうして」の「なかなか」は漢字では?
- 「なかなかどうして」はアニメなどで使われることが多い
「なかなかどうして」の意味とは?
「なかなかどうして」の言葉は、「自分が予想していたことよりもはるかに上回る結果であること」を意味しています。
良い結果、悪い結果、どちらの状況のときも使います。
「なかなかどうして」の言葉ですが、この言葉は「なかなか」と「どうして」の二つの言葉に分けることができます。
「なかなか」も「どうしても」も、二つとも「予想を上回る」という意味。
同じ意味の言葉が二つ重なってできた言葉となっています。
さて、ここで疑問が出てきます。
「どうして」という言葉を聞いて、なぜ、「どうして」という言葉が予想を上回るという言葉なのか理解できない人もいるはずです。
日常的に使われている「どうして」は「なぜ」という疑問を表す言葉として使われているからです。
「どうして」という言葉を詳しく調べていくと、確かに「どうして」という言葉は、疑問を表す言葉となっているようです。
しかし、「どうして」には他にも意味がありました。
「どうして」という否定的な気持ちを表すことで、予想外であることを強調する言葉となっているようです。
つまり、「なかなかどうして」という言葉は、自分の予想をはるかに超える結果に感嘆の声や驚きを隠せない様子を表現しています。
「なかなかどうして」の類語や言い換え
「なかなかどうして」の類語や言い換えについてみていきましょう。
- 「予想以上に」【よそういじょうに】
- 「いい感じ」【いいかんじ】
- 「ハンパない」【はんぱない】
「予想以上に」【よそういじょうに】
「予想以上に」という言葉は、日常会話としてよく使われる言葉です。
そして、この言葉は「なかなかどうして」の類語となります。
巷には「予想以上に」という言葉がたくさん使われています。
ニュースなどでも「予想以上の人だかり」や「予想以上の気温の寒暖差」などと使われたりします。
「予想以上に」とは、文字通り「予想を上回る」という意味です。
言い方は違えども、意味としては「なかなかどうして」と全く同じです。
しかし、あえて違いを述べるとすれば、「予想以上に」よりも「なかなかどうして」の方が、予想を上まわる結果に驚きを隠せない様子が表れているところです。
「予想以上」は「なかなかどうして」と比べると、驚く気持ちがそこまで強く出ていない表現となっています。
「いい感じ」【いいかんじ】
「なかなかどうして」を簡単に言い換えると、「いい感じ」という言葉もあてはまります。
「いい感じ」とは「いい線をいっている」という意味です。
ですが、この表現も抽象的すぎて、いまいちどの程度の「いい線」なのか分からない人もいるでしょう。
「非常にいいね。」
とか「とてもいいね。」
などと言われたら、よくできているのだなと思えますが、「いい感じ」と言われると、「いい感じはするけど、非常に良いという意味ではない?」「とても良くはないけど、まあまあという程度?」などと理解に苦しんでしまいます。
「いい感じ」と言う言葉をみてみると、その物事について肯定的に捉えている様子を現しています。
だから「いい感じ」といったら「とても良い」という意味になります。
「まぁまぁ」といった、いまいち良くないという意味は含んでいません。
この言葉を言われたら、素直に喜びましょう。
「ハンパない」【はんぱない】
「ハンパない」という言葉は、若者言葉です。
正しい日本語ではありませんが、よく耳にする言葉です。
「ハンパない」は漢字で書くと「半端ない」になります。
「半端」とは中途半端という意味の半端です。
「半端な気持ち」などと表現されることがありますが、この例文でいえば、中途半端な気持ちであることを意味する言葉になります。
この「ハンパ」という言葉と「ない」という言葉が組み合わさって、「中途半端なことがない」という意味になります。
つまり、ずば抜けて良い様子、あるいはずば抜けて悪い様子を表しています。
とにかく、圧倒されてしまうような、生半可でない様子を表現する言葉として使われています。
「なかなかどうして」と比べると、「ハンパない」という言葉も、予想以上の結果に驚きを隠せない様子が非常によく出ている言葉だといえます。
正しい日本語である「なかなかどうして」を、若者言葉でいえば「ハンパない」だと理解しておいてもよいでしょう。
「なかなかどうして」の使い方
「なかなかどうして」の言葉は、どのようなシチュエーションのときに使われるのでしょうか。
いくつか挙げてみます。
- 予想と反する状況であるとき
- 違う結果に驚いているとき
- 今までの考え方が覆されたとき
- とても感心しているとき
などです。
今まで自分が思っていたことが、間違いだったことに気づいたとき、その現実に驚くことがあります。
そして、この言葉は、今までの自分の考えが間違っていたよという認識の言葉に乗せて、さらにそれについて驚いたり、感心したりといった自分の気持ちを表現しているところに特徴があります。
とても感情的になっているときに使われる言葉だと言えます。
「なかなかどうして」の例文
「なかなかどうして」の例文についてみていきましょう。
- 「なかなかどうして」の例文1
- 「なかなかどうして」の例文2
「なかなかどうして」の例文1
「こんな問題、簡単に解けると思っていたのに、なかなかどうして難しいのだろう。」
自分の知識に自信のある人が、自信満々に試験に臨んだけれど、受けてみたら問題が難しくて全く解けない様子を表しています。
そして、解けない自分を悲嘆している様子も表しています。
このときのこの言葉をよぎった人の気持ちとしては、「解けないのか、でも、まぁいいか。」
などという気持ちではありません。
どちらかというと。
問題を解けない自分に非常にショックを抱いています。
「まさか、自分にこんな問題が解けないなんて」という気持ちが強く出ている表現です。
「なかなかどうして」の例文2
「あまり期待していなかったのだけど、なかなかどうしてこんなに素晴らしい作品を造り出したのか。」
下手な作品を造るだろうと思っていた人が、非常に素晴らしい作品を造り出しており、それを見かけた時に思わず飛び出した言葉です。
「あの不器用で何を作っても下手だった人が、ここまで素晴らしい作品を造るとは」という感嘆の気持ちや驚く様子、賛美の様子などを表しています。
この言葉を話した人は、かなりその人のことを侮っていたのでしょう。
その人の評価が低いところから一気に高いところへと変化している様子が伺えます。
また、実は素晴らしい実力を持つ持ち主だったことに気付き、心から讃え、拍手を送っている様子が表れています。
「なかなかどうして」の「なかなか」は漢字では?
「なかなかどうして」の「なかなか」は漢字でどう書くのでしょう。
答えは、「中々」あるいは「中中」です。
「なかなか」という言葉が、単独の意味で「予想を上回る」「とてもいい」という意味を持つため、「中」という「中くらい」の意味をもつ漢字で表記されるのは意外なように感じます。
しかし、この「なかなか」という言葉について詳しくみていくと、「なかなか」という言葉は、「中くらい」の意味を持たないようです。
確かに、日本語において「中」という言葉単品では、「真ん中」や「中くらい」「平均的な」という意味になります。
しかし、「中中」という「中」が二つついた言葉だと、「非常に」とか「ずいぶんと」といった平均以上のずば抜けている様子を表すようになります。
「中」が一つなのか、あるいは二つなのかが違うだけで、こんなにも意味が異なるようです。
つまり、「なかなか」という言葉には「中」という漢字を使用するものの、その意味に「中くらいの」という意味はありません。
「中」という漢字の雰囲気だけで平均的な意味を持つと誤解をしている人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
これを機に、ずば抜けている様子であることを覚えておきましょう。
「なかなかどうして」はアニメなどで使われることが多い
「なかなかどうして」という言葉は、日常会話にはあまり出てこない言葉です。
どちらかというと、アニメなどでよく使われている言葉となります。
アニメなどで初めてこの言葉を知ったという人も中にはいるでしょう。
アニメには、日常会話としては耳にしないけど、アニメや小説などではよく使われている言葉があります。
この言葉もそうした言葉の一つです。
さて、アニメにおいて「なかなかどうして」を使うときは、どのようなシチュエーションなのでしょうか。
- 気難しいキャラクターを演出したいときに使用する
- 思わぬ事態で気持ちが高ぶっている様子を表したいときに使う
この2つのことが考えられます。
「二度と会えないと思っていたのに、なかなかどうしてこんなにすぐに会えるなんて。」
とか「戦えない奴が、なかなかどうして強くなっている」などというと、気持ちが高ぶっている様子が伺えて、非常にドラマチックな表現になります。
日常会話でも「どうしてこんなに可愛いの。」
などのように「どうして」という言葉で、可愛すぎる相手への気持ちの高まりを表現することがありますが、「なかなかどうして」はそれよりもさらに上回る気持ちの高まりを感じる言葉です。
しかし、現実世界においては、そこまでドラマチックな展開はないと思います。
淡々とした日常よりも、アニメやドラマの方がドラマチックな展開があるため、使用されているのかもしれません。
また、変わった表現だと、「なかなかどうして、こんなにすごいの。」
などがあります。
これは凄すぎることに非常に感心している言葉となります。
「こんなに凄いなんて、大したものだ。」
という意味です。
「なかなかどうして」の意味を誤解していた人は、これを機に認識を変えましょう。
なかなか耳にしない言葉なので、すぐに使うことはないかもしれません。
ですが、意味を知っているだけで今後のアニメやドラマをさらに楽しむことができるでしょう。