「団栗の背比べ」の意味とは?四文字熟語やことわざ、類語や反対語、使い方や例文を紹介!
「団栗の背比べ」の意味と読み方を紹介します。
また「団栗の背比べ」の類語や使い方、さらには対義語を紹介します。
目次
- 「団栗の背比べ」の意味とは?
- 「団栗の背比べ」の類語や似た意味のことわざ
- 「団栗の背比べ」の使い方や例文
- 「団栗の背比べ」の対義語や対することわざ
「団栗の背比べ」の意味とは?
よく使用されることわざに「団栗の背比べ」という言葉があります。
この言葉にはどのような意味が込められているのか、具体的には知らない人も多いでしょう。
団栗の背比べには、「どれもこれも平凡で、特に優れたものがないこと」という意味が込められています。
つまり「ほとんど同じ、差がない」という意味が入っています。
さらに「大した事がない」という意味も込められています。
団栗のような小さなものが背を比べても…というような、やや見下した意味が含まれています。
例えば「大巨人の背比べ」ならば、どれもこれも似たようなもの、差がないという意味はどうようでも、「大した事ない」という事にはならないはずです。
つまり団栗の背比べには「ほとんど同じ」「大した事ない」という2つの意味が含まれているのです。
- 「団栗の背比べ」の読み方
「団栗の背比べ」の読み方
「団栗の背比べ」の読み方は「どんぐりのせいくらべ」です。
団栗は、公園などに落ちているコナラなどの実の事です。
公園に落ちている団栗は、同じくらいの大きさですし、見た目もほとんど同じです。
同じような大きさとビジュアル、さらには小さいという特徴から、「ほとんど同じで大したことが無いもの」という意味で団栗が使われています。
「団栗の背比べ」の類語や似た意味のことわざ
団栗の背比べには似たような意味の言葉があります。
いくつかの似たような言葉を知り、比較すると、より立体的に言葉の意味が分かるようになります。
使い分ける事ができると知的にも見えますので、チェックしてみましょう。
- 「五十歩百歩」【ごじっぽひゃっぽ】
- 「似たり寄ったり」【にたりよったり】
- 「目くそ鼻くそを笑う」【めくそはなくそをわらう】
- 「一寸法師の背比べ」【いっすんぼうしのせいくらべ】
- 「五分五分」【ごぶごぶ】
「五十歩百歩」【ごじっぽひゃっぽ】
「五十歩百歩」という言葉は、「どんぐりの背比べ」にとても似ています。
「AもBも実力は、五十歩百歩だな」という時は、AとBの実力が似ていて、さらにそれほど大した事がないという意味を含んでいます。
「AとBじゃ、どんぐりの背比べだな」という場合も、ほぼ意味合いが同じです。
もし「千歩一万歩」という言葉があれば、「ふたりとも同じくらいすごい」という意味になるかもしれません。
自分と誰かを比較する時に「団栗の背比べ」や「五十歩百歩」という言葉が使われたら、あなたの現時点での評価は決して高くない事が考えられます。
「似たり寄ったり」【にたりよったり】
「似たり寄ったり」も「団栗の背比べ」と同様の意味を持つ言葉です。
この言葉を使う時も、2つ以上の物事や、2人以上の人を比較する時ですが、「実力が似ている」事、さらに「大した事はない」という意味が含まれています。
合コンに誘う相手を選ぶ時、「AもBも似たり寄ったりだな」という時は、AもBも似たようなレベルのビジュアルで、平均よりも低いレベルである事が分かります。
もしAもBもイケメンだったり美女だった場合は、「似たり寄ったり」や「団栗の背比べ」などという言葉は使われません。
「AもBも来てくれて夢みたい」「最高だな」など、褒め言葉が続くはずです。
「目くそ鼻くそを笑う」【めくそはなくそをわらう】
少しひねった言葉ですが「目くそ鼻くそを笑う」という言葉も、「団栗の背比べ」に比較的似ている言葉です。
まず「目くそ」と「鼻くそ」は、言葉のイメージ通り、周囲から見れば「大した事ない」ものだという意味が含まれています。
さらに、その普通の人がバカにするような大した事がないものの中が競ったり、見下したりしている事を、さらにバカにする…という意味も含まれています。
例えばクラスでいちばんイケてないと思われている男子達が、イケメンランキングをして楽しんでいたら、どう見えるでしょうか。
その中で1位だ2位だと順位付けをしている様子を見た時に、「目くそ歯くそを笑う」という言葉が浮かびます。
「団栗の背比べ」よりも、さらに侮蔑心が強い言葉といえそうです。
「一寸法師の背比べ」【いっすんぼうしのせいくらべ】
「一寸法師の背比べ」という言葉も「団栗の背比べ」と同様です。
あの小さな一寸法師が、何人かいて背比べをしたとしたら、「比べても仕方ない」という感想を持つかもしれません。
職場で仕事ができない二人がライバル意識バリバリで働く様子を見せている時、周囲のスタッフは「一寸法師の背比べ」または「団栗の背比べ」という言葉が頭に浮かんできそうです。
「五分五分」【ごぶごぶ】
「団栗の背比べ」と似ている言葉に「五分五分」という言葉があります。
「比較対象の実力がほとんど同じ」という意味では一緒です。
ただし、「やや侮蔑感が少ない」という特徴があります。
五分五分の実力を持つふたりは、団栗や目くそ鼻くそとは違い、必要十分以上の実力を持っている事もあります。
比較対象をバカにせずに言葉を発したい時に使う、比較的フラットでシンプルな言葉になります。
「団栗の背比べ」の使い方や例文
それでは「団栗の背比べ」の使い方を見ていきましょう。
団栗の背比べが持つ特徴を抑えると、誰でも上手に使う事ができます。
- 「団栗の背比べ」の使い方
- ビジネスシーンでの「団栗の背比べ」を使った例文
- 恋愛シーンで「団栗の背比べ」を使った例文
「団栗の背比べ」の使い方
「団栗の背比べ」とは「実力に差がない」という意味と「大した事がない」という意味が込められている事は、先述した通りです。
団栗の背比べという言葉を使う時は、この2つの意味が込められている時にだけ、使用するようにしましょう。
一般的に「素敵」だと思われている人、「実力者」と思われている人、「可愛い」と思われている人などが登場人物になる場合は、この言葉は使いません。
「実力がなく」「不細工」「伸び悩んでいる人」などを比較する時に使うようにしましょう。
ビジネスシーンでの「団栗の背比べ」を使った例文
「団栗の背比べ」をビジネスシーンで使用する時は、どのような例文になるでしょうか。
例えば何かのプロジェクトの、アイデア会議で使用する事があります。
AとB、さらにはCというアイデアがある時に、そのアイデアが凡庸で、選ぶほどの価値がない場合「どのアイデアも団栗の背比べだな」と誰かが言います。
「五十歩百歩ですね」という人もいるかもしれません。
一方で、良いアイデアが集まっていて、選んでも良いレベルの場合は「五分五分のアイデアだな」と言うかもしれません。
また社内の飲み会などで、次のプロジェクトに参加する新人社員を選んでいる時などにも「団栗の背比べ」という言葉は使います。
どの新人社員も実力不足で、特に選び甲斐がない場合は、「今年の新人社員はどんぐりの背比べだな」と話します。
「団栗のようにコロコロしてて可愛い」、という意味ではありません。
恋愛シーンで「団栗の背比べ」を使った例文
恋愛の場面でも「団栗の背比べ」という言葉を使います。
例えば合コンの途中で、女性の参加者同士がトイレの中で情報交換をするとします。
「今日の男子メンバーどうだった?」「団栗の背比べだね」という感じです。
もちろん「取り立ててお気に入りの男子はいなかった」「全体的なレベルが低い」という意味が含まれています。
女性メンバーから団栗扱いされてしまった飲み会では、カップル成立は難しいでしょう。
このように恋愛シーンで団栗扱いされると最悪です。
団栗にならないよう身だしなみを整えて、ブラッシュアップして異性の前に立つようにしましょう。
「団栗の背比べ」の対義語や対することわざ
「団栗の背比べ」という言葉にはいくつかの対義語がありますので、チェックしてみましょう。
「団栗の背比べ」と同じように、生きた言葉として使えるようになると語彙力が高い素敵な大人になれそうです。
- 「鶏群の一鶴」【けいぐんのいっかく】
- 「掃き溜めに鶴」【はきだめにつる】
- 「月とスッポン」【つきとすっぽん】
「鶏群の一鶴」【けいぐんのいっかく】
「鶏群の一鶴」は「けいぐんのいっかく」と読みます。
もし広い庭があって、そこにニワトリの大集団がいるとします。
そしてその中に、一匹の鶴が舞い降りたら、どのように感じるでしょうか。
「抜け出て美しい」と感じるのではないでしょうか。
このようにたくさんの凡庸な人や物の中に、群を抜いて素晴らしい人や物がある場合、この言葉を使います。
似た者同士で、ちょっと劣った存在ばかりが集まっている「団栗の背比べ」とは真逆の意味が込められている事が分かるでしょう。
「掃き溜めに鶴」【はきだめにつる】
「鶏群の一鶴」にとても似ていますが「掃き溜めに鶴」という言葉もあります。
こちらは「薄汚れた環境」と「美しい存在」を対比して、「鶴にあたる人や物の事を褒めよう」という意味が込められています。
何人かの凡庸な人を馬鹿にするような「団栗の背比べ」に対して、その場にいるのが信じられないくらい素敵な存在へのリスペクトにあふれた言葉です。
あまりイケている女子がいないとされている女子高校に、芸能人並みの女子高生が通っているのを知った時などに「掃き溜めに鶴」という言葉を使います。
「月とスッポン」【つきとすっぽん】
「月とスッポン」は素晴らしいものと凡庸なものを比較する言葉です。
この場合褒められているのは「月」で、けなされているのは「スッポン」という事になります。
なぜ月とスッポンが比較されるかは定かではありませんが、どちらも丸い事が原因だと考えられます。
例えば池の水面に移る美しい月があり、汚れた沼の中を漂うスッポンがいるシーンを創造すると、月とスッポン感がイメージしやすいかもしれません。
ただし日本では、スッポンの血肉は健康や長寿、精力に効くと呼ばれていて、良いイメージが強いです。
スッポン料理は高級料理でもありますので、「月とスッポン」という言葉を聞いた時、どっちがすごいか分からない人も多いでしょう。
そのため「お前がスッポンで、彼が月だ」と言われても、意味が分からず喜んでしまう人がいるかもしれません。
また彼女に対して、「Aさんは月で、お前はスッポンだよ」と間違って話してしまいキレられてしまうかもしれません。
ぜひこの機会に正しい意味を覚えておきましょう。
「団栗の背比べ」という言葉の意味と、類語、対義語や使い方について見てきました。
団栗の背比べを使う場面をイメージできたのではないでしょうか。
基本的にほめ言葉ではありませんので、仲の良い友達の間以外では、あまり使わない方が無難かもしれません。