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「宴もたけなわ」の意味とは?反対語や使い方、例文や例えを紹介!

忘年会や新年会、同窓会などの席で、「宴もたけなわですが、そろそろお開きにしたいと思います」というのを聞いたことがあると思います。

あるいはあなた自身が幹事をして、そのフレーズを口にしたことがあるかもしれません。

宴会の締めではよく口にされる言葉ですが、「宴もたけなわ」とはどのような意味があるかをご存知でしょうか。

この記事では「宴もたけなわ」の意味から使い方、その成り立ちについてお伝えしたいと思います。

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「宴もたけなわ」の意味とは?反対語や使い方、例文や例えを紹介!>


目次

  • 「宴もたけなわ」の意味とは?
  • 「宴もたけなわ」の言い換え
  • 「宴もたけなわ」を使う時は?
  • 「宴もたけなわ」の由来と背景
  • 「たけなわ」を漢字で書くと


「宴もたけなわ」の意味とは?

  • 「宴もたけなわ」の意味
  • 「宴もたけなわですが」は慣用句? 諺? 常套句?

「宴もたけなわ」の意味

「宴」には、「うたげ。さかもり」の意味があり、「酒宴」「宴会」「祝宴」などの熟語があります。

また、「楽しむ」の意味もあり、「宴遊」の熟語があります。

「宴を張る」「宴を開く」といった場合の「宴」には、「人が集まって酒を飲むなどして楽しむこと。また、その会」の意味があります。

一方、「たけなわ」には、「盛りを少し過ぎて衰えかけたとき。また、そのさま」と、「物事のもっともさかんなとき。また、そのさま」の二つの意味があります。

「齢たけなわ」といったときには、「少し盛りを過ぎたとき」の意味で用いられ、「春たけなわ」といったときは、「物事のもっともさかんなとき。

また、そのさま」
の意味で使われ、「春、真っ盛り」「春、真っ最中」の意味になります。

「宴もたけなわ」の場合は後者で、「宴会や酒宴などが大盛り上がりする。大盛況を呈する」といった意味になります。

「宴もたけなわですが」は慣用句? 諺? 常套句?

まずは、慣用句、諺、常套句とは何かについて述べたいと思います。

慣用句とは

二つ以上の単語が結びついて、その組み合わせにおいてのみ、特定の意味をあらわすものが慣用句です。

たとえば、「手を焼く」は、実際に手が焼けることを意味するのではなく、「手」「焼く」が結び付いて「てこずる」とか「もてあます」といった意味になります。

つまり、「手」「焼く」も本来の意味から離れ、二つが結び付いて別の意味を持った言葉になっているのが特徴です。

そして「手」「焼く」も、この組み合わせの場合にのみ、「てこずる」とか「もてあます」の意味を持つことになります。

慣用句の例:「油を売る」「爪に火をともす」「道草を食う」「目を三角にする」「鼻が高い」など。

諺とは

諺は、長い時間をかけて人々にいいならわされてきた、簡潔なかたちで言い表された教訓や、生きる上での知恵を含んだものを指します。

【諺の例】「善は急げ」「良薬は口に苦し」「覆水盆に返らず」「仏の顔も3度まで」など。

常套句

決まり文句や常套語ともいい、ある場面や状況においてよく使われる内容の決まっているセリフや形式的な文句を言います。

常套句の例:「いつもお世話になっています」「つまらないものですが」「ご無沙汰しています」「謹賀新年」など。

「宴もたけなわですが〜」は常套句

宴会などの締めで使われる「宴もたけなわですが〜」は慣用句でしょうか。

たしかに二つ以上の言葉から成っていますが、構成している言葉がもともとの意味を離れて新しい意味を持たせているわけではないので、慣用句ではないようです。

では、「宴もたけなわですが〜」は諺でしょうか。

この言い回しの中には教訓といった類のものは含まれていないので諺でもないようです。

「宴もたけなわですが〜」が使われるのは、宴会などの締めを行うときで、「〜」の後に続く言葉にはいろいろあるものの、前置きとしての決まった形をとっていることからも、これは常套句だといってよいでしょう。

ただし、「宴もたけなわ」それ自体は、「宴もたけなわななか、彼だけが一人、冷ややかな目で集まった人々の様子を見ていた」などのように、宴会などにおける挨拶以外でも普通に使われる言葉ですので常套句ではありません。

「宴」「たけなわ」も、もちろん常套句ではありません。



「宴もたけなわ」の言い換え

「宴もたけなわ」「たけなわ」を違う言葉に置き換えるとどうなるでしょうか。

「宴もたけなわ」の意味として使われている「物事のもっともさかんなとき。

また、そのさま」
「たけなわ」の場合の言い換えを取り上げてみます。

  • 宴会に集う年齢層が若い同世代だった場合
  • 年配の人もいる座なら
  • その場の雰囲気次第?

宴会に集う年齢層が若い同世代だった場合

「たけなわ」の類語としては、「最中」「真っ盛り」「真っ只中」などがありますが、「宴も〜」のあとにこれらの言葉をそのままあてはめてみても、ちょっと語呂的にすっきりしません。

「大いに盛り上がっている」に近い意味として、「クライマックス」「ますますテンション(あるいはボルテージ)があがっている」「ヒートアップしている」などを使って、会場に集まった人たちの年齢が若い、同世代ばかりの場合には、「宴もたけなわですが」というところを、「宴会もクライマックスをむかえたところで」などと言うことができるでしょう。

年配の人もいる座なら

同じ「盛り上がった状態」でも、年配の人たちや社会的地位のある人たちの集う場で、「ヒートアップ」「ボルテージ」などといった表現は避けたほうがいいかもしれません。

この場合は、「うたげも大いに盛り上がっていますが」と言うことができます。

あるいは、「祝宴も佳境に入ったところでまことに恐縮ですが」などといってもいいでしょう。

その場の雰囲気次第?

その場の雰囲気次第では、「会場のボルテージもますますあがってまいりましたが」とか、「みんなのテンションも最高潮に達したところで」などといった言い方も可能です。

「宴もたけなわ」を使う時は?

ところで、「宴もたけなわ」を使うタイミングはどこでしょうか。

  • 「宴もたけなわ」の使い方
  • 「宴もたけなわ」を使った例文1
  • 「宴もたけなわ」を使った例文2

「宴もたけなわ」の使い方

「宴もたけなわ」の意味は、「宴会や酒宴などが大盛り上がりする。大盛況を呈する」でした。

意味からすると、それを言うのは、宴会がもっともピークを迎えたときになるはずですが、実際にこの言葉を使うタイミングはそうではありません。

どんな宴会も、終電やかりている会場の時間の都合上、お開きにする時間が決まっています。

そこで、終了時間と考えている10〜15分くらい前に、「宴もたけなわですが、そろそろ〜」と言うことになります。

なかには、なかなか帰り支度を始めない人もいるので、余裕をもって言うのがコツです。

みんなが盛り上がっているところに「終了」を告げることに対する申し訳なさや、相手への配慮として、気持ちよく集まりを終えるための言葉として使われていることになります。

「宴もたけなわ」を使った例文1

「宴もたけなわでございますが、時間も迫ってまりましたので、この辺でお開きにしたいと思います」

宴会を締めるときに最もよく使われる定型文のようなものなので、おぼえておいて損はないと思います。

「宴もたけなわですが、一度、ここでで中締めをさせていただきたいと思います」といった使われ方もよくします。

「宴もたけなわ」を使った例文2

「宴もたけなわ」は挨拶のなかで使われるだけでなく、文章中においても使うことができます。

「宴もたけなわで、彼が会場を出ていったことは誰一人気づかなかった」

「宴もたけなわの頃、パーティーに行きそびれた彼女は一人自分の部屋で泣いていた」



「宴もたけなわ」の由来と背景

「宴もたけなわ」「たけなわ」の由来にはいくつかの説があります。

  • 三つの説
  • 「宴もたけなわ」は日本独特の言い方

三つの説

一つは、「たけなわ」「たけ」は盛りの時期を意味する「長ける」を、「なわ」「なおまだ」の意味のある「なは、なほ(猶)」からきているとするもの。

「うたげ(宴)なかば」が変化(短縮化)したとする説。

「長ける」「成る」から成り立つとする説。

「宴もたけなわ」は日本独特の言い方

宴会に集まった人たちを前に、「宴もたけなわですが」と幹事さんが言って、お開きをうながすという恒例のようなものは外国にはなく、中締めなども日本独特の文化のようです。

同じ終了を告げる言い方でも、「さあ、もう終わりだ」ではなく、「宴もたけなわでございますが、時間も迫ってまりましたので、このへんでお開きにしたいと思います」と言うことで、みんなが気持ちよく帰り支度を始められるから不思議です。

会場に集った人たちにむかって言うこの言葉は、まだまだ食べたり、飲んだり、話したりしていたい人たちへの配慮から出た言葉で、贈り物を渡すときに「つまらないものですが」と言うことがあるように、相手への気配り文化を背景にもつ日本ならではの言い方だといえるでしょう。

「たけなわ」を漢字で書くと

「宴もたけなわ」「たけなわ」は一般的にはひらがなで表記されますが、漢字でもあらわすことができ、その場合、「酣」「闌」の漢字が使われます。

「宴も酣」あるいは「宴も闌」となります。

「酣」は、「カン、たけなわ」の読み方があり、「物事の真っ盛り」とか「酒を飲んで楽しむ」の意味があります。

「酣戦(かんせん)」「酣酔(かんすい)」といった熟語があります。

酒が発酵して甘くなり飲み頃になったことを「酣(たけなわ)」といったことから、物事の盛りを意味するようになったようです。

「闌」は、「ラン、た(ける)、たけなわ、てすり」の読み方があり、「盛りになる。盛りをやや過ぎる」「半ば過ぎ、おそい」の意味があります。

「闌入(ランニュウ)」「闌声(ランセイ)」「闌干(ランカン)」などの熟語があります。

icon まとめ

宴会の締めをうながす言葉のなかで使われる「宴もたけなわ」「たけなわ」には、「物事のもっともさかんなとき。

また、そのさま」
の意味があり、「宴もたけなわ」で、「宴会や酒宴などが大いに盛り上がっている状態」を意味していることがわかりました。

「宴もたけなわですが、そろそろこのへんでお開きにしたいと思います」と言うタイミングは、字義通りのピーク時ではなく、宴会終了の少し前で使われるのが一般的で、何気なく耳にしていた言葉のなかにも、集まりを楽しんでいる人たちへの気配りがうかがえることがわかりました。