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「てんぱる」の意味は二種類?言い換えや「パニくる」との違いを紹介!

緊張していたら、「てんぱるんじゃないぞ」と言われたことはないでしょうか? 「てんぱる」という言葉について掘り下げていきましょう。

てんぱる

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「てんぱる」の意味は二種類?言い換えや「パニくる」との違いを紹介!>


目次

  • 「てんぱる」の意味とは?
  • 「てんぱる」の意味
  • 「てんぱる」の派生語
  • 若者の「てんぱる」の言い換え
  • 「てんぱる」と「パニくる」の違い
  • 「てんぱる」の使い方や例文


「てんぱる」の意味とは?

「てんぱる」の意味とは?

「プレゼンでてんぱった」「試験でいつもてんぱるので実力が発揮できない」「てんぱりやすいと損だよね」など、「てんぱる」を使った表現に出会うことがあります。

あらたまって、どんな意味か聞かれると、「あやふやかもしれない」と思うこともあるのではないでしょうか。

「てんぱる」「てんぱ+る」なので、「る」の部分が変化して「てんぱった」「てんぱって」「てんぱりやすい」などと使われます。

語感から緊張感がピンと張り詰めているような印象を受けますが、実際にはどんな意味や使われ方をしているのか紹介しましょう。



「てんぱる」の意味

「てんぱる」の意味

「てんぱる」は緊張して思わぬことをしてしまう状況や、頭の中が真っ白になってやるべきことがわからなくなってしまう状況を表しています。

必死で対応して周りが見えず、機転がきかない「いっぱいいっぱいの状況」ともいえます。

緊張しているときばかりでなく、仕事の量が容量を超えてうまくこなせないという場合にも使われます。

神経が細やかで、気にしなくていいことまで気になってしまう性格や、準備が整っていないと感じて不安になっている時や自信が持てない時に「てんぱる」現象が起きやすいのではないでしょうか。

  • 若者の「てんぱる」の意味「心に余裕がない」
  • 麻雀の「てんぱる」の意味「聴牌」

若者の「てんぱる」の意味「心に余裕がない」

「◯◯くんは、すぐにてんぱるから、早く慣れたらいいのに」と言われる場合、「すぐ、心に余裕がない状態になり適切な行動が取れないから、(仕事や環境に)早く慣れて欲しい」という意味かもしれません。

また、「彼女への告白のチャンスなのに、てんぱるおかげで、言い出せなかった」と使う場合もあります。

ドキドキして心に余裕がないので、気の利いた言葉もでてこないし、上手くリードすることもできなかったという無念が伝わってきます。

心の余裕があれば視野が広がり緊張しにくくなりますが、そんな余裕がなかったということです。

麻雀の「てんぱる」の意味「聴牌」

麻雀があと一枚で上がりという場面を「聴牌(てんぱい)」といいます。

上がりが近いということを顔にだしてはいけませんし、否が応でも緊張が高まり、心に余裕が無くなってしまいます。

麻雀で「てんぱる」というときの状況のように、「あと一枚という緊張感に、舞い上がってしまい、いつもと違ったことをしてしまった」という時に使われます。

「てんぱる」という言葉そのものは、心が落ち着かなくて余裕もないので、心を見透かされてしまうといった意味を含んでいます。

「てんぱる」の派生語

「てんぱる」の派生語

「てんぱ+る」の語尾「る」が変化して派生的な使われ方がみられます。

気持ちに余裕がない、焦っている、緊張で意識が飛んでいるという状態を「てんぱる」の派生語を使うことで表しています。

「てんぱっている」「てんぱりぎみ」など、「てんぱる」から生まれた言い回しを紹介しましょう。

  • 「てんぱってる」
  • 「てんぱりぎみ」
  • 「てんぱらせる」

「てんぱってる」

「きょうの俺はてんぱってる。なぜなら締切がかぶっているからだ。」や、「てんぱってるやつに任せたやつが悪い。」などのように余裕のない状態を「〜している」の部分を「〜っている」としてつなげています。

「がっつく⇒がっついてる」(ガツガツして浅ましい様子になっている)、「矢沢る⇒矢沢ってる」(矢沢永吉のようになっている)などのつなげ方に似ています。

能力の容量を超えている、追いつかなくて不安が大きくなっている状態では、ベストパフォーマンスは発揮できません。

それ以前に準備して、コントロールしたいものです。

「てんぱりぎみ」

「てんぱりぎみだったから、失敗だしたと思う」や、「あのときお前、てんぱりぎみだったわ」などの言い方をします。

「てんぱりぎみ」は、「てんぱる」状態であったことを100%認めているわけではないけれど、仕方のない状態になっていた言い回しです。

実力がないのではなく、状況がよくなかったという言い訳であり、後者の使い方では、相手の責任を正面から責めないニュアンスになります。

年配上司に「てんぱり気味だったんで、今回は仕方ないです。」と謝罪のつもりで言っても、全く謝罪になりませんから注意しましょう。

「てんぱらせる」

「てんぱらせるようないうことを言っちゃだめだよ」のように、「る」の部分を変化させて「〜させる」に接続して使役のニュアンスをプラスする使い方があります。

「てんぱらせる」では、「てんぱる」のは当人と違うところに責任があり、周囲の空気が「てんぱらせた」体裁を醸し出しています。

セルフイメージが高く、自分はまだ本気出してないだけという感覚と「てんぱらせた」(相手をてんぱる状態にさせた)、「てんぱらされた」(自分がてんぱる状態にさせられた)という言い方は、しっくりくるのではないでしょうか。



若者の「てんぱる」の言い換え

若者の「てんぱる」の言い換え

「まじてんぱるわ」など、日常的に「てんぱる」若者は多く、ドキドキして自分でコントロールできない状況を指している場合があります。

若者が使う「てんぱる」の言い換えを紹介しましょう。

  • 余裕がなく焦っている
  • 我を忘れてしまう

余裕がなく焦っている

「泡をくう」(ひどく慌てる)、「尻に火がつく」(期限が迫って焦る)、「キョドる」(余裕がなく挙動不審な態度になる)、「汗」(緊迫した空気を感じている)、「張り詰める」(緊張感で気持ちが張っている)、「キャパオーバー」(容量超過)などの言葉が、余裕がなく焦っている時の表現に使われます。

「キャパオーバーでキョドってしまって汗」では、まさに余裕がなくて焦ってしまっているという意味にドンピシャです。

気持ちが空回りしている、適したアイディアが浮かばないなど心の状態も「てんぱる」には含まれています。

我を忘れてしまう

思考が低下してどうしたら良いかわからなくなった時に「固まる」「石化」「フリーズ」「思考停止」「上の空」を使うことがあります。

適切なベクトルに向いているときは、「集中する」「没頭する」などプラスイメージの言葉に言い換えられます。

しかし、「てんぱる」状態では、我を忘れて役立たずになり、思考や行動ができないか、空回りしてしまうニュアンスになります。

平常心を忘れて、当たり前のことができなくなってしまう状況です。

この点では、「パニくる」と共通項があります。

「てんぱる」と「パニくる」の違い

「てんぱる」と「パニくる」の違い

「てんぱる」は余裕がなくなり判断力が低下してしまう状態を指していますが、「パニくる」は訳がわからなくて混乱することや、その結果思いもよらない行動に出てしまうという意味を持っています。

見た目の状況はよく似ていますが、「パニくる」「パニックになる」から派生しているため、何がなんだかわからなくなる、混乱してめちゃめちゃになるといったニュアンスに重きがおかれています。

  • 余裕がなく思考力が低下するのが「テンパる」
  • 落ち着きをなくして取り乱すのが「パニクる」

余裕がなく思考力が低下するのが「テンパる」

「てんぱる=テンパる」では、余裕がなく思考力が低下してしまうので、「フリーズ」「石化」が起こることがあります。

自分でも思いもよらない行動を起こしてしまうこともありますが、それは能力や想定を超えて対処できなくなったことが原因で、思考力が低下したためです。

本来、条件の変化を見極めて対応すべきことを見落としたり、臨機応変さを失ったりするのです。

隙きのない準備をしておくと余裕を持って対処できるとも言えますが、経験値を積んで慣れておくことが対処力を磨くには必要です。

落ち着きをなくして取り乱すのが「パニクる」

「パニクる」では、想定外のことに落ち着きをなくして取り乱してしまいます。

「テンパる」では上の空や意識が飛んでしまって適切な行動が取れない状態も含みます。

「パニクる」ではさらに混乱が大きく、何をしたらよいかわからなくなって不適切な行動をとる、精神状態が不安定になるニュアンスを含み、「判断力が失われて取り乱す」という意味に重きがあります。

「てんぱる」はもともと麻雀の「聴牌」が語源で古くから使われていましたが、「パニクる」はその後に使われるようになりました。

「てんぱる」の使い方や例文

「てんぱる」の使い方や例文

ここまでは、「てんぱる」の言葉の意味やニュアンスについてみてきました。

次に、具体的な使い方や例文を紹介しましょう。

  • 「てんぱる」の例文1
  • 「てんぱる」の例文2
  • 「てんぱる」の例文3

「てんぱる」の例文1

「上司に突然質問されてんぱる」

対応しきれずにしどろもどろになった、思考力がうまく働かなくなって困った様子が表現できます。

いきなりだったので準備ができなかった、フリーズしなければもう少しうまく答えられたのにという責任逃避にならないよう、しっかり経験値をあげていきたいものです。

「てんぱる」の例文2

「てんぱらせたらやばいやつだから」

クセの強い人などと呼ぶこともある絡みにくい人、行動パターンが読みにくい人、個性的な人の中には、「てんぱりやすい」人も含まれています。

そんなときには、フォローの意味でテンパらせちゃだめと気遣う場合もありますが、気遣いが必要なめんどくさい人というニュアンスが含まれるケースもあります。

「てんぱる」の例文3

「てんぱっちゃったからイマイチ不発」

セルフイメージが高すぎの人が多用しがちなフレーズです。

実力を発揮できなかった言い訳が感じられ、本気出してなかった感を匂わせています。

誰でもてんぱることはあるので、「てんぱらなきゃうまくいったよ」なんてフォローすることも大事ですが、自分からてんぱったことをアピールするのは控えたほうが良いかもしれません。

周囲の目が、「いつになったら本気出すの?」とか「実力ってナニ?」なんて空気になると苦しくなってしまいます。

「てんぱる」ことが多い場合には、自分を達観して自然体でいられると生きやすくなるでしょう。

icon まとめ

「てんぱる」は麻雀の聴牌を決める時に気持ちがうわずってしまうことから派生して、気持ちの余裕を失って思考力が低下する、焦ってしまうという時に使われます。

ただ、言い訳に使うと信頼を失いかねないので注意しましょう。