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「仰々しい」の意味とは?類語や反対語、使い方や例文を紹介!

普段なんとなく使っていても、いざ意味を問われると答えられない日本語があります。

「仰々しい」もその一つ。

詳しい意味についてみていきましょう。

仰々しい

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「仰々しい」の意味とは?類語や反対語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「仰々しい」の意味とは?
  • 「仰々しい」の類語やことわざ
  • 「仰々しい」の使い方
  • 「仰々しい」を使った例文
  • 「仰々しい」態度の特徴


「仰々しい」の意味とは?

「仰々しい」の意味とは?

「仰々しい」とは「大げさな様子」を表す言葉です。

大がかりな規模であることやちょっとしたことを大きくしてしまう様子であることを意味します。

この「仰々しい」という言葉の裏には「何もこんなに大げさにしなくても」「ここまですることはないだろう」という気持ちが込められてます。

つまり、ちょっとやり過ぎた人に向けて発している言葉だということです。

そこまでしなくても心配のないのに行き過ぎた行動を行っている物事について表しています。

また、少しこの意味から転じて、騒がしいなどという意味も含んでいるようです。

この言葉はいつもと違う異質な状況を見た時に使う言葉です。

騒々しい雰囲気や、物々しい雰囲気が伝わってくつ言葉となります。

どちらの意味にしても、おおがかりなことを表す意味だといえるでしょう。

  • 「仰々しい」の読み方

「仰々しい」の読み方

「仰々しい」「ぎょうぎょうしい」と読みます。

良く驚くことを「仰天する」(ぎょうてんする)といったり、たくさんあることを「仰山ある」(ぎょうさんある)などと話しますが、「仰」はそれと同じ読み方です。

「仰」の漢字ですが、言葉としては「仰ぐ」(あおぐ)などと言われ、上を見上げるときに使う言葉となっています。

しかし、ここでの意味の「仰」はこの意味ではありません。

「大げさな」という意味の「仰」となります。

つまり、「仰々しい」とはこの「仰」が二つ重なる言葉となっています。

そして「仰々しい」という言葉は「仰」と一語で現されるより、「大げさ」であることが強調されている言葉だと気付くことができるでしょう。

「仰々しい」とは「大げさ」という意味の「仰」の言葉が二つ重なる漢字です。

周囲を驚かせるほど、非常に大がかりな様子であることが理解できるでしょう。

ちなみに一語での「仰」「ぎょう」と読みます。



「仰々しい」の類語やことわざ

「仰々しい」の類語やことわざ

「仰々しい」の類語やことわざについてみていきましょう。

  • 「オーバー」【おーばー】
  • 「大根を正宗で切る」【だいこんをまさむねできる】
  • 「大口をたたく」【おおぐちをたたく】

「オーバー」【おーばー】

「オーバー」とは英語から来た“over”の意味です。

もともと日本語ですが、日本においてもよく耳にする言葉です。

「オーバーリアクション」「制限時速が大幅にオーバーしている」「(ある考え方について)オーバーだなぁ」などと使われています。

さて、この「オーバー」にも「仰々しい」と同様の意味が含まれています。

「大げさだな」という意味があり、一般的に許容される程度を超える様子を表します。

先程の例文でいえば、「オーバーリアクション」「大げさすぎるリアクション」「制限時速が大幅にオーバーしている」「制限時間を大幅に超えすぎている」「(ある考え方について)オーバーだなぁ」「考え方がかなり度を超えている」という意味になります。

どの表現も、一般的な感覚よりも度を超えて、大掛かりである様子が見て取れるでしょう。

「仰々しい」という言葉を使いたい人は、「オーバー」とほぼ同様に使えることを意識しておくと使いやすいでしょう。

「大根を正宗で切る」【だいこんをまさむねできる】

「大根を正宗で切る」ということわざがあります。

あまり馴染みのない言葉であるため、初めて知った人も多いでしょう。

この言葉の意味も「仰々しい」と同様、「大掛かりな様子」「大げさな様子」を表しています。

ここでこのことわざに出てくる「正宗」(まさむね)とは何だろうと思うでしょう。

歴史上の人物「伊達政宗のこと?」となどと誤解する人もいるかもしれません。

この「正宗」は伊達政宗のことではありません。

鎌倉時代の名高い刀工・岡崎正宗が鍛えた刀を指しています。

つまり、この言葉の意味は「大根を名高い刀工・岡崎正宗が切るとは大げさだ。」となります。

才能ある素晴らしい人物につまらない仕事をさせているときに使う言葉となっています。

「仰々しい」と同様、大げさに物事を行っていることがみてとれる言葉です。

「大口をたたく」【おおぐちをたたく】

「仰々しい」という言葉を、少し嫌みな感じで表すと、「大口をたたく」(おおぐちをたたく)という意味になるのではないでしょうか。

「大口をたたく」という意味は、偉そうなことを言ったり、身の丈に合わないことを話しているという意味になります。

分かりやすくいえば「ビッグマウス」という意味です。

ただし、「仰々しい」と比べると、「大口をたたく」は話言葉のみに向けて発信される表現であり、様々な物事や様子を表す「仰々しい」に比べ、使い方が限られています。

「大口をたたく人」は嫌われる傾向にあります。

力がないくせに自分をよく見せようとするからです。

今まで素晴らしいことを言っている人も口だけ、いざというと何の役にも立たない人なんて、鬱陶しいことこの上ないでしょう。

また、「たたく」「叩く」と書きますが、ポンと頭を叩くの叩くではありません。

昔かた日本では話すことを「たたく」と表現してきましたが、それでこのような表現となっています。

「軽口を叩くな」「無駄口を叩くな」などという表現にも使われています。

「仰々しい」の使い方

「仰々しい」の使い方

「仰々しい」の使い方は大きく分けて2通りです。

一つ目の使い方は、一般的な感覚よりも度を超した感覚を持っている人や物事について使う使い方です。

例えば、このようなときに使います。

  • 用意しすぎて大げさになってしまったとき
  • 大したことがないのに大げさに扱われたとき
  • 大きな振る舞いをしすぎているとき

などです。

二つ目の使い方は、いつもと違う雰囲気を表現するときに使う使い方です。

例えば、このようなときに使います。

  • いつもと違う騒がしい雰囲気
  • 騒がしくて目を引くような状況

のときなどです。



「仰々しい」を使った例文

「仰々しい」を使った例文

「仰々しい」を使った例文をみていきましょう。

  • 「仰々しい」の例文1
  • 「仰々しい」の例文2

「仰々しい」の例文1

「ちょっと転んで擦りむいただけで救急車呼ぶなんて。仰々しいったらありゃしない。」

(ちょっと転んで擦りむいただけで救急車を呼ぶなんて。大げさすぎるでしょう。)

ちょっとしたことに驚くほど反応している様子が伺えます。

過剰とも思える大げさすぎる行動が大げさな様子を表しています。

日常においても、「なぜこんなに過剰に反応しているのか」と思う人がいます。

自分の権利を主張したり、心配のないことなのに過敏に反応していたり。

そういう人達はまさに「仰々しい」人達であると言えます。

一緒にいると目立ってしまいそうです。

「仰々しい」は一般的に悪い意味合いで捉えられている言葉です。

本人は気づいていないかもしれませんが、周囲の人達はその人のことを「大げさすぎて恥ずかしい」と評しています。

「仰々しい」人だねなどと誰かに使えば、親しい仲でない限り、喧嘩を売る言葉となってしまいます。

どちらかというと、陰で非難する言葉として使われる言葉です。

「仰々しい」の例文2

「この仰々しい雰囲気は何なんだ。いつもは誰も通らない通りなのに、人だかりができている。」

(このいつもと違う騒がしい雰囲気は何なんだ。いつもは誰も通らない通りなのに、人だかりができている。)

いつもと違う騒がしい雰囲気を感じると、胸がザワザワしてしまいます。

事件や事故が起きたのか、何かトラブルが生じているのかと心配になります。

「仰々しい」はあまり良い意味を持ちません。

たとえその「仰々しい」雰囲気が「活気あふれる雰囲気」であったとしても「仰々しい」と表すだけで「騒がしくていやだな」という感情をにじませた言葉となります。

「名高いラーメン屋の前はいつも仰々しい雰囲気だ。いつも人、人、人で溢れている。」

などと言ったら、「いつも騒がしくてすみませんね。」

などとラーメン屋のおじさんに嫌みをいわれてしまいそうです。

こういうときは「いつも活気あふれて賑やかな雰囲気ですね。」

などと表したいものです。

「仰々しい」態度の特徴

「仰々しい」態度の特徴

「仰々しい」態度の特徴についてみていきましょう。

  • 常識の範囲を超えている様子
  • 周囲から浮いている様子
  • 胸がざわつくような様子

常識の範囲を超えている様子

「仰々しい」態度は、常識の範囲を超えている様子を表しています。

物事には、なんでもいいさじ加減というものがあります。

それを無視して常識の範囲を超えている様子は「仰々しい」態度に他なりません。

人が予想していた範囲を超えた態度を「仰々しい」などと表しています。

そのため、その度をすぎた様子が非常識などと言われてしまう可能性もあります。

「仰々しい」態度を取り続けると、「あいつは変わった奴だ。」

などと言われ、周りの人と溝が出来てしまうかもしれません。

たとえ、本人は良かれと思ってしていても、周りは変わった人などと見ていることが多いです。

「仰々しい」態度は控えたいものです。

周囲から浮いている様子

「仰々しい」態度は、周囲から浮いている様子を表します。

常識の範囲を超えたその様子は、周囲から浮いてしまっても仕方がありません。

ちょっとしたかすりキズに包帯を巻いていたり、2〜3時間のちょっとしたお出かけに大きな荷物をパンパンに積んできたり。

本人としては用意周到に準備したり、慎重に物事を考えて行動しているつもりなのかもしれませんが、度を行き過ぎると、人に嘲笑されます。

見た目にも、その様子は周囲から浮き、異質な雰囲気に包まれることでしょう。

胸がざわつくような様子

「仰々しい」態度は、胸がざわつくような様子を表します。

人がたくさん集まったり、物騒なものがあったりと、胸がざわつくような物々しい雰囲気を表す言葉です。

何か悪い予兆を感じる言葉となっています。

「今、自宅が仰々しい雰囲気に包まれているよ。」

などと聞いたら、自宅がどのような様子になっていることを想像するでしょうか。

火事になっているのか、あるいは車が自宅に突っ込んできて人だかりが出来ているのかなどと、悪い予想をしてしまうことでしょう。

胸がざわつくような様子を「仰々しい」といいます。

icon まとめ

「仰々しい」という言葉を正しく理解していたでしょうか。

誤まった認識で覚えていた人はぜひ正しい理解を深めてください。

あまり良い意味で使われる言葉ではないので、間違っても親しくない人には使わないようにしましょう。