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「じわる」の意味とは?反対語、使い方や例文を紹介!

現在ではSNSが幅広い年齢層に普及し、特に文字数が少なく気軽に投稿できるTwitterなどは、若者の間で根強い人気を誇っています。

それらの投稿の中で、インターネット上特有の言葉や、若者独自の言葉なども数多く使われています。

今回はそんな独特なネットスラングの中から、「じわる」という言葉に焦点を当て、解説を行い、他のネットスラング、若者言葉についてもご紹介していきたいと思います。

じわる

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「じわる」の意味とは?反対語、使い方や例文を紹介!>


目次

  • 「じわる」の意味とは?
  • 「じわる」を使った例文
  • 「じわる」のようなネットスラング
  • ネットスラングに略語が多いのは何故?


「じわる」の意味とは?

「じわる」の意味とは?

まず、「じわる」とはどういった言葉なのでしょうか。

これは元々は「じわじわくる」という言葉の省略形です。

何か面白い、笑えるようなものを目にしたとき、人間は幾つかの反応をします。

例えば、その面白さに対し、一気に笑いが込み上げてくる状態。

その場で思い切り笑い転げてしまうほどおかしい、という時は、通常、感情を抑えることができず、爆発的に笑い出してしまうものです。

それとは対照的に、目にした瞬間はそれほど感情の動きは無かったのに、時間が経つにつれて、その面白さがゆっくりと浸透していき、にやにやと笑ってしまったり、思い出すたびにおかしくなるような場合もあります。

「じわる」という言葉は後者の「後から面白くなってくる」状態です。

時間差で「じわじわ」と面白くなってくる状態を、短い言葉で表現しているのが「じわる」という言い回しなのです。



「じわる」を使った例文

「じわる」を使った例文

ここでは、実際に「じわる」という言葉を使った例文を見てみましょう。

「新しく発表された地元のゆるキャラのデザインがじわる」

「ゆるキャラ」という言葉も今や日本中で定着しましたが、可愛いものもいれば、非常にシュールな風貌のものもいたりと、様々なデザインのキャラクターが存在します。

ここではそんなゆるキャラのデザインを指して「じわる」と表現していますが、「じわる」という言葉が実際に使われている場合、ネガティブな意味合いとして使われることはほとんど無く、概ね「おもしろい」「笑ってしまう」といったことを表現しています。

おそらく、確かに可愛いのだけれどどこか不自然な点が存在したり、一見すると不気味ではあるのに、ずっと見ていると可愛く思えるなど、じわじわと感じる「中毒性」のようなものがある、ということでしょう。

こういった一瞬では判断できないようなものを表す際に、この「じわる」という言葉は非常に使いやすい表現だと言えます。

「じわる」のようなネットスラング

「じわる」のようなネットスラング

今回のテーマとなっている「じわる」はネットスラングのひとつですが、インターネット上、特にSNSなどで使われている言葉の中には、同じように多数のネットスラングが含まれています。

ここではそんなネットスラングの中から、時に「感情」にまつわる言葉を紹介し、解説していきたいと思います。

当然、一般的な会話で使う事は無く、基本的にはインターネットのように文字媒体の中で利用することが常です。

とはいえ、インターネット上の情報を読む際、こういった独特の用語を知っておくと、発言の意図・意味を読解するために役立つことでしょう。



  • 「草不可避」
  • 「もにょる」
  • 「ぽんぺ」
  • 「メシウマ」

「草不可避」

これも「じわる」のように笑いの感情に関わる言葉ですが、どちらかといえば耐え切れずない爆発的な笑いを示す言葉であると言えます。

この言葉が指す「草」とは、「w」という文字のことです。

面白かったり、ついつい笑ってしまったということを表す際、文末に「(笑)」をつける文章表現というのが存在しています。

「w」というのはこの「(笑)」の省略された表現です。

慣例的に「w」が使われるようになったのは、「笑い」のローマ字表記における頭文字であるからと考えられます。

匿名掲示板やオンラインゲームなどで発言を書き込む際には、少しでも短い時間で入力を済ませ、意思表示を行う必要がある、そんな場面が多々存在しました。

その結果、大文字に変換する手間をかけないまま、小文字の「w」「(笑)」の代わりに使用することが定着しました。

また、1文字だけでは感情的に表しきれたと感じないほど非常に面白かった場合には、「www」など複数回入力することもあります。

この「w」という文字は、特に並べて表記すると、地面から生えている草のようにも見えるため、やがてこの「w」という文字自体を「草」などと表現するようになりました。

ここから、笑いの表現である「w」を使わざるを得ないほど面白い状態を、「草を使わざるを得ない状態」「草の入力が不可避の状態」という形で表現することが定着しました。

また、笑いがこらえきれないほど面白おかしいような場合、「www」と文字を複数回使うと前述しましたが、大笑いをこらえきれない、お腹が痛くなるほどの笑いを表現する際、「面白すぎwwwwwwwww」といったように、語尾に大量の「w」を使いうケースがネット上では見受けられます。

この大量の「w」の羅列を、沢山の草が生えているという状態に見立て、「大草原」というように表現することもあります。

「草不可避」よりも更に感情の動きの度合いが大きい場合には、「大草原不可避」という言葉が使われるケースも。

当然、これらは公的な文章で用いるべき表現ではありませんが、少ない文字で視覚的に感情表現を行う必要性の中から、こういった言い回しが生まれたという事実は、インターネット上の文字文化を考えるにあたって、非常に興味深い点です。

「もにょる」

「もにょる」は、感情で言えば「困惑」に分類される言葉でしょう。

言われたことや見たものに対して、反論や意見などを言いたいものの、否定感や諦観、愛憎などが入り交ざり、うまく言葉にできないまま、「もにょもにょ」とはっきりしない言葉しか口から出てこないような、形容しがたい、歯がゆいような感覚が、この言葉で表現されています。

これも当初は匿名掲示板から普及した言葉で、「お腹がもにょもにょする」という表現として使われていました。

現在はどちらかといえば、何かに対する反応や感想の際に用いることで、直接的な批判をするほどではないものの、あまり良い印象ではない、という意味の否定的意思表示としての用法が多いようです。

「ぽんぺ」

これは「ぽんぽんぺいん」という言葉の略称です。

ここでの「ぽんぽん」とは「お腹」のことを、「ぺいん」とは英語における「Pain」、つまり「痛み」を指します。

まとめると、「お腹の痛み」ということになり、便意を伴う腹痛や、女性の生理痛などの総称という扱いもあるのですが、もちろん、ただお腹が痛いというだけの意味ではありません。

痛みという感覚は、それを体感している本人にしか解らないものです。

それを他者に表現として伝えようとしても、痛みの感じ方自体が人それぞれですから、完全には伝わりません。

そこから、相手には伝えにくく何とも説明しがたい負の感情を、直接的ではなく自分の中で抑え、こらえ続けているような状態を「お腹の痛み」という形で表現したのが、この「ぽんぽんぺいん」という言葉です。

既存の言葉とは一風変わった、非常にユニークな比喩表現であると言えます。

「メシウマ」

言葉だけを取り上げてみると、「飯が美味い」の略語のように見えますが、正式には「人の不幸で飯が美味い」の略称となっています。

自分が不幸になってしまった場合には、その真逆とも言える、「自分の不幸で飯が不味い」の略語、「メシマズ」となります。

誰かが不幸な状態になっているのを見て、優越感に浸りながら食べる食事は美味いという、意味だけを聞けば、非常に不愉快な内容に思えるかもしれません。

ですが、こういった言葉は決して現代の文化の中だけで生まれた、新しい負の概念、という訳では決してないのは事実です。

「他人の不幸は蜜の味」という言葉も存在しますが、自分が特に手を下すことなく他人が不幸に見舞われたとき、「ざまあみろ」と思ってしまうことは、人間の感情として事実存在します。

ドイツではこのような感情の動きを「シャーデンフロイデ」と呼び、復讐心や妬みに基づいた、ごくありふれたものと定義しています。

なお、この「シャーデンフロイデ」という感情は、あくまで自分が関わっていない、他人の失敗や不幸に対するものであり、自分が相手を引きずり下ろした結果生まれる感情とは全く別物です。

他人を故意に不幸に陥れるのは、当然悪しき行いです。

ですが、人間は決して完全な生き物ではありません。

ちょっとした他人の不幸に「しめしめ」と思うこともあるものです。

自発的にそういった感情を抱く必要性は勿論ないものの、そういう負の感情があることを認めることで、人間というものの理解をより深めることができるかもしれません。

ネットスラングに略語が多いのは何故?

ネットスラングに略語が多いのは何故?

ここまで紹介してきた「じわる」をはじめとしたネットスラングは、いずれも「略語」として発展してきたものです。

ネットスラングはこのように、元の言葉をできる限り短くし、省略した形にすることで、多様な発展を遂げてきました。

では、何故ネットスラングは省略後ばかりなのでしょうか。

いくつかの可能性はありますが、その中で最も大きな要因として、「入力の速さ」が挙げられるでしょう。

例えば、インターネット黎明期には、匿名掲示板への投稿や、文字によるチャットなどが盛んに行われていました。

世界中からリアルタイムに情報が書き込まれるインターネットですが、実際に人と会って喋るのに比べると、どうしてもタイムラグが生じ、弾むようなやりとり、というのは非常に難しくなります。

できる限り早く反応したいけれど、相手の発言を認識し、そこから文章を考え、文字を入力するとなると、やはりいくつもの作業工程が発生するのは事実です。

また、日本語は世界でも稀に見る複数の文字体系を使う言語でもあります。

ひらがな、カタカナ、漢字に加え、数字やアルファベットも用いられます。

その分、欧米のようにアルファベットのみの単一言語を使う場合と比べ、文字の変換という要素も含まれることになるのです。

こういった日本語の特性は、文字の入力を比較的時間のかかるものに変えています。

そこで「意味は通じるけれど、できる限り文字数を少なくする」ための、最も合理的な手法が、文字を削ること、すなわち「略語を使うこと」だったのです。

これによって、完全ではないにせよ入力文字数を減らす事はでき、副次的にインターネット上のみで通用する「ネットスラング」という言葉として、独特の文化を生み出すに至った、というのはひとつの事実でしょう。

icon まとめ

今回は「じわる」という独特のネットスラングを中心に、言葉の成り立ちや使い方について解説してきました。

ネットスラングは、文字媒体であるインターネットだからこそ生まれた、数多くの略語の集合体である、とも言えるかもしれません。

癖の強い言葉であるからという理由だけで拒否反応を示すのではなく、何故、このような言葉が生まれたかにまで思いを馳せれば、意外な面白さを知るきっかけになるかもしれません。

これを機に、ネットスラングというものについて調べてみては如何でしょうか。