「ワンチャン」の意味とは?使い方や誤用を紹介!
最近「ワンチャン」なる言葉が、いろんなケースに使われ、使いやすさもあってか、様々に変化し、使用場面も多方面に広がって、重要な「イマドキことば」になりそうな勢いです。
使われ過ぎて、本来の意味からは、離れすぎているような例も見られますが、今、注目すべき若者を中心としたイマドキ言葉の一つです。
目次
- 「ワンチャン」の意味とは?
- 「ワンチャン」こういう言葉
- 「ワンチャン」の使い方
- 「ワンチャン」から派生した「ツーチャン」とは
- 「ワンチャン」の確立は特に決まっていない
- 「ワンチャン」の誤用
「ワンチャン」の意味とは?
可能性は微々たるものですが、しかし、0とは言えず、もしかしたらチャンスがあるかもしれないという意味です。
ただし、(ワン+チャンス)とい言葉通りに、「一度だけ、チャンスがある。」という意味で、使われるのではありません。
可能性は低いけれども、少なからず僅かな機会、チャンスはあるという意味で使われます。
戦闘ゲームであれば、攻撃力も守備力も、携帯する武器やアイテムも、ずっとずっと劣っているのに、僅かな可能性に全てをかけて、起死回生の必殺技をみまうような時に、使う言葉が、「ワンチャン」なのです。
「Bダンジョンのボスに「ワンチャン」勝てるかも?」
「Fステージクリアに、「ワンチャン」ありがたし」
のように、ひょっとしたら、という可能性を秘めている、まだまだ、勝ち目はあるという意味で使います。
- 「ワンチャン」は英語から来ている
- 「ワンチャン」の語源
「ワンチャン」は英語から来ている
この言葉は、確かに、「ワンチャンス」を略した言葉ですから、英語の“One Chance”の略語のように見えます。
しかし、もともとは、マージャンで使われていた言葉から生まれてきたものです。
さらに言えば、“One Chance”(ワンチャンス)というのは、いわゆる和製英語と呼ばれる言語の一つで、正式な英語ではありません。
そこで、英和辞典を引くと、“One Chance”の項には、「映画の題名」と訳され、往年の主演俳優の名前やあらすじなどが、記されています。
そこで、「ワンチャンス」を英訳するとしたら、“take one’s chance”あるいは、“to try one’s luck”などのようになります。
つまり、直訳すると、万が一の運にまかせるという英語になっています。
それでも「ワンチャン」とされているのは、誰にでも分かりやすく、気軽な響きで、覚えやすく、リズム感もよい、整った言葉だからかもしれません。
「ワンチャン」の語源
「ワンチャンス」の語源は、マ-ジャンだと記しましたが、実際に、今でもマージャンをする際に、使われている言葉です。
マージャンのルールを知らないと、分かりにくいとは思いますが、マージャンに使うカードの代わりをするものは、トランプと違って、パイといって、一種類につき4個ずつあります。
(スペードのAだけで、4枚あるわけです)その内の3個ずつを1セットとして、4セット(このセットの組み合わせ方で、獲得点数が変わります)を、他の人が出したパイでも、自分が積んであるパイの山から引いてきたのでもよいので、とにかく一番早くそろえた人が、「ロン」といって勝ちになります。
だから、自分が勝つために必要なパイが、すでに3個、パイを捨てる場に捨てられていれば、残りのパイの中で、たった1個だけしかないパイを待つことになります。
誰かが手の中にもっているのか、残りのパイ置き場の中に埋もれているのか、いずれにせよ残りのたった1個が出るのを待つという、とても不利な方法なので、普通は、待ちません。
そこから、まずはあり得ないけど、確かに1個は残っているのですから、決して0ではないという意味が生まれたのです。
他の人にとっても、3個出ているのですから、「ロン」と、当てられることはないと思えそうですが、リャンメン待ちといって、二通りの「ロン」が言える待ち方の、片方がこれに当たって負けることもあります。
これも、当たって負ける可能性は低いけれども、0ではありません。
「ワンチャン」こういう言葉
この言葉は、再トライのチャンスがあるという意味合いではなく、戦闘ゲームなどで、装備も、攻撃力も、防御力までも、圧倒的に劣っているけれども、必殺の裏ワザやアイテムを使えば、起死回生のチャンスがあるかもしれないという、そこに、少なからずある種の可能性がある場合に、使う言葉だと断りました。
結果、いろんな場で使われていくうちに、「ワンチャン」の示す範囲が、広がってきました。
- 「ひょっとしたらチャンスがあるかも」
- 「もしかしたらチャンスがあるかも」
「ひょっとしたらチャンスがあるかも」
「ひょとしたら」ですから、可能性としては、割と高めになります。
こんな時に使われる「ワンチャン」ですが、「今日の合コン、ワンチャンいける」「今日発売のRPGだけど、ブクロのMならワンチャンあるよ」など、「行けること」「あること」が、暗に前提となっている「ワンチャン」です。
従って、比較的に可能性大の時に、「そうなるかも」の意味で使われていますが、そうなることは8割方確定です。
「もしかしたらチャンスがあるかも」
「もしか」ですので、可能性としては、「ひょっと」より低いことになります。
こうした場合には「ワンチャン」をはさむ言葉に気を配ります。
「今日の合コン、ワンチャンいけるかも」「今日発売のRPGだけど、ブクロのMならワンチャンあるかも」と、チャンスの確立が、明らかに下がっていることが、分かります。
こうしてみてくると、「ワンチャン」には、断定や推量、判断といった機能はなく、前後の言葉が、それらを担っている点では、言葉にアクセントやリズムを与える働きをしているだけの単語かもしれません。
「ワンチャン」の使い方
基本的に、どんな場でも使えますが、いくつかの場に分けて説明します。
- 「ワンチャン」の例文1
- 「ワンチャン」の例文2
- 「ワンチャン」の例文3
「ワンチャン」の例文1
可能性がある場合の「ワンチャン」の例
「放課後のカラオケが終わったら、ワンチャン行ける」
「来週のゼミ旅行、ワンチャン参加ということで、お世話よろしくお願いします」
「ワンチャン」の例文2
相手を応援したり、励ましたりする場合の例
「5点差になったけど、まだまだワンチャンいけるよ」
「今度の人事で、ワンチャン昇任あり、決まったも同然でしょう」
「ワンチャン」の例文3
男女の関係についても使えます。
「A子をワンチャン狙ってるんだけど」
「次回の合コンではワンチャンいけるかも」
「ワンチャン」から派生した「ツーチャン」とは
可能性の大きさを「ワンチャン」の数で表すような雰囲気になってきて、「それって、ワンンチャン2つだよ」といった表現が、拡がり始めると、このことが「ツーチャン」という言葉で表されるようになり、やがて「スリーチャン」をも生み出す結果となりました。
現在では、「フォーチャン」までも目にするようになり、数が表すものが大事な風潮になってきつつあります。
つまり、「ツーチャン」が意味するものは、「ワンチャン」の可能性が1に対して、「ツーチャン」は、2の可能性をもっており、実現される可能性がより高いというわけです。
「ワンチャン」の確立は特に決まっていない
「1ワンチャン」だの「2ワンチャン」だのといった「ワンチャン」の数で、可能性の大きさを表現する例が増えてくるに従って、「ツーチャン」「スリーチャン」の他にも、絶対にできるという「フルチャン」、逆に、絶対に無理という「ノーチャン」と、次々に「ワンチャン」の数で、可能性度を表す傾向になってきています。
現在では、「フォーチャン」や「ゼンチャン」という言葉も出てきていますが、それを聞いても、別段驚きもしなくなりました。
まだまだ、別のバリエーションが、現れるはずです。
しかし、「フルチャン」「ゼンチャン」は、別としても、「ワンチャン」が、何%くらいの可能性をもつのか、「ツーチャン」は、それに対して何%の確立になるのか、といったことが、大まかでもあればと思いますが、その点については、今のところ実践例ひとつありません。
だから、「それって、ワンチャン4くらいあるのと違う」と言われても、可能性は高いとは感じられますが、「ワンチャン」に比べて何%程度の可能性の違いがあるのか、「ツーチャン」とは、どうなのかについては、皆目、見当がつきません。
むろん、可能性について、数値化するというのは、占い師でも難しいことなので、そもそもが、「ワンチャン」の数で可能性を表そうという使い方自体に、無理を生じているのかもしれません。
「ワンチャン」の誤用
「ワンチャン」が、広く知れ渡り、使われてくると、発生時のコンセプトがいつの間にか薄くなったり、消えてしまったりするというのは、他の例でもよくあることです。
「ワンチャン」も、ご多分に漏れず、本来の意味とは違ったところで、使われる例が多く見られるようになりました。
お願い事をする際に「神様、ワンチャンお願いします」とか「ワンチャンお願いします」といったふうに使う例が、あります。
これは、「ワンチャンス」くださいの意で、本来とは違う意味合いになっています。
似たような例で、ゲーム中に、明らかに形勢不利な状況から、一発逆転のわざが出たときに「ワンチャン来たあ」と大声をあげるのは、どんな意味をこめているのでしょうか。
この他にも、「今日の合コンで、ワンチャンするかも」「C子とワンチャンでさ」などと、本来の意味とは、全く違ったところで使われている例も多く、まさに、言葉は、使われていく中で、成長し、進化していくことを目の当たりにしているようです。
「ワンチャン。ワンチャン。ワンチャン。」と三回口にすることで、「大丈夫、大丈夫、大丈夫」と、気持ちを落ち着かせるなど、まだまだ、使用範囲が広がりそうな言葉です。
大学生を中心に、静かな拡がりを見せている「ワンチャン」出所もユニークなら、使い方もユニークですが、様々な出来事や新たな事への挑戦、新しい人との出会いなど、不安や心配がふくらむ時に、「ワンチャン」何個と開き直ってみるのも、逆に、勇気と知恵とが生まれるかもしれません。
正確でなくてもいいのです、おおよその可能性を数値にすることで、新たな考えや企画の必要性が見えてくるかもしれません。
この言葉ワンチャン大事かも。