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「メーデー、メーデー、メーデー」の意味とは?「SOS」との違い、類語を紹介!

毎年、お盆が近づいてくると、テレビの映像や新聞、雑誌などの紙面に、「御巣鷹山」の文字が、登場してきます。

あれから、30年も過ぎたというのに、あの国内最大の航空機事故は、まだまだ、多くの人々の記憶に残る大惨事でした。

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目次

  • 「メーデー」の意味とは?
  • 「メーデー」の類語
  • 「メーデーの使い方」
  • 「メーデー」を使う時の現場の例
  • 「メーデー」とSOSの違い
  • 「メーデー、メーデー、メーデー」以外の遭難信号


「メーデー」の意味とは?

航空機や豪華客船などの船舶を中心に、多くの人命が危険な状況にあるという危機的状況の中で、一刻も早い救助の必要性を訴え、またそれを要請する意味をもつ言葉です。

従って、発信する周波数に規制はなく、どんな周波数からでも発信できます。

逆に、「メーデー」が発信されたら、その周辺では、同じ周波数は、救助、もしくはその支援にあたる通信以外では、使用できなくなります。

通信だけでなく、一旦、「メーデー」が発信されると、関係するあらゆる機関だけでなく、発信現場付近にいる航空機や船舶が、救助に向かうなど、即、対応が開始されます。

間違っても虚偽の発信は、厳禁です。

  • 「メーデー」はフランス語から来ている?

「メーデー」はフランス語から来ている?

フランス語で「助けに来て」を意味する“venez m’aider”(ヴネ・メデ)から生まれた言葉で、ロンドン空港に勤務していた無線技士が、パイロットも地上のスタッフにも分かりやすい、自機が遭難したことを表す単語の考案を依頼され、当時、便数の多かったフランス便の飛行機を基にして、フランス語からネーミングした言葉です。



「メーデー」の類語

字面も同じ言葉に「メーデー」とありますが、これは、ヨーロッパの各地で夏の訪れを祝うものとして催されてきた、5月祭に起因するものです。

この祭りでは、地主も、そこに働く農夫達もみんな一緒に休みを取って、夏の到来を共に喜び、祝っていた慣習が、現代になって、現在のメーデーへと転化してきました。

そして、カナダの職能労働組合連盟の行ったストライキを景気として「労働者の日」としての「メーデー」が、誕生しました。

従って、救難信号である「メーデー」とは、読み方も全く同じ言葉ではありますが、意味するものも、成立してきた過程も、全く違う言葉です。

それで、類語と言うより、似た言葉と言った方が適当かもしれません。

  • 「SOS」

「SOS」

一般的に、広く知れ渡っている救助を求める遭難信号です。

もともとは、船舶を中心とした遭難救助信号だったのが、やがて、広く救助を求める信号として使われるようになりました。

ただ、使われるようになったと言っても、1905年にドイツで、周辺の無線局に遭難発生の事実を知らせると同時に、通信の使用中止を求める信号として条例に記載されたのが最初です。

しかし、SOSという言葉は登場せず「・・・―――・・・」というモールス信号の符号で説明されています。

日本では、戦後の電波法の改正によって、初めて、SOSという文字が表記されるようになってきました。

また、国際的な条約に登場するのは、1959年と比較的最近のことです。

なお、“Save Our Ship”(我らの船を救え)、“Save Our Souls”(我らを救え)の略だとする説がありますが、SOSを初めて使ったという説と一緒で、タイタニック号の遭難後に、作られた話で、打電しやすく覚えやすかったモールス信号が、たまたまO、Sだったというのが、本当のところのようです。

「メーデーの使い方」

航空機において「メーデー」を発するような事態が発生した場合には、即、墜落事故などにつながることが想定され、相互通信の場が成立するのは、希有のことだと想像できます。

そこで、レジャーボートなど、身近で、気軽に使っている船舶を例にとって、使い方を確認します。

基本は、落ち着いて「メーデー」を三回くり返し、その後に、船舶の名前、もしくは、識別信号や船体番号を同様に三回くり返します。

それから、現在の位置、乗船者の人数(内、負傷者数、負傷の程度など)人的な損傷と同時に、船体の破損の状態や現在の状況、必要とされる救助内容といった情報を伝えます。

場合によっては、先方から順次、尋ねてくる場合もありますので、その時は、質問内容をよく聞き分けて、不明な点は問い返すなりして、できるだけ正確な情報を提供します。

しかし、現在では、コスパスサーサット衛星を使った救難体制が確立されており、小型の船舶やレジャーボートなどにも、非常用位置指示無線標識装置(Emergency Position Indicate Radio Beacon)通称「イーパブ」(E-PIRB)と呼ばれる遭難現場を特定できる無線機というよりも、魚釣りの浮きを大きくしたような形のブイの搭載が義務づけられています。

この装置の仕組みは、船舶に遭難救助を要請する緊急事態が起きた際には、手動でスイッチを入れるものと、水中に没して4、5mくらい沈むと、ケースに仕組まれた水圧センサーが作動し、ケースが開くことで、この装置が水面に浮かび上がり、電波を発し始めます。

その電波を、宇宙にあるコスパスサーサットが受信し、地上の受信局へと送信します。

それから、業務管理センター、救難本部へと連絡が行き、救難本部から、洋上の巡視艇や巡視船、海上保安庁の航空機へと、救助に向かう指示が出される仕組みになっています。

  • 「メーデー」は無線の時のSOSに使う

「メーデー」は無線の時のSOSに使う

「メーデー」を三回くり返すことで、これから遭難救助を要請しますというある種の国際的な合い言葉ですので、別の見方をすれば、「メーデー、メーデー、メーデ-」は、言葉による「SOS」だとも言えます。

つまり、三回「メーデー」をくり返すことは、「救助」をお願いしますと連呼しているようなものだからです。



「メーデー」を使う時の現場の例

航空機を例に取ると、双発エンジンの片方が停止する、エンジン火災が起きる、客室火災が起きる、重大な機体の損傷が起きる、急な減圧が起きるなど、といった状況に陥った時点では、まだ、遭難救助を要請する段階ではありません。

こうした緊急事態に対する対応を、機種ごとに定められた操作マニュアルの手順にそって対応し、それでも改善が見られない時に、最寄りの空港への緊急着陸を要請する「メーデー、メーデー、メーデー」が、発せられることになります。

よく、空港で見かけるパイロットが引っぱっている黒いトランクの中には、今から操縦する機種の操作マニュアル本が、実は、ぎっしりと詰まっているのです。

「メーデー」とSOSの違い

SOSは、無線通信に使われる符号で、救難の要請を伝える、言ってしまえば一種の記号です。

Sが「・・・」トントントン。

Oが「―――」ツーツーツーと、他に比べて打ちやすく、覚えやすいこともあって、国際的にも拡がり、無線以外では「SOS」を書くことで、救助を求める共通の符号になりました。

これに対して「メーデー」は、救難を要請する意味では「SOS」と同じですが、無線電話で救難状況を伝える時の「今から現状を伝えます」という国際的な合い言葉のようなものである点が違います。

つまり、この後に、「メーデー」は、遭難地点や状況、必要な救難内容などを細かに発信するところが、救難信号を打つだけのSOSとは大きく違っています。

「メーデー、メーデー、メーデー」以外の遭難信号

「メーデー」の他にも、次のような救助を要請する遭難信号の方法があります。

  • 「パンパン」
  • 「エマージェンシー」

「パンパン」

遭難救助を要請する程、重大な差し迫った脅威ではないけれども、その方向に発展するかもしれないという際に発信する、フランス語で「故障」を意味する“Panne”からきた言葉です。

「機械が故障した」「機内に病人が発生した」といった状況の中で、発せられる言葉で、今すぐにと、差し迫った事態ではないけれども、重大事故への発展性が明確な状況にある場合を指しています。

政治紛争地区の上空を、ジュネーブ条約で保護されている、負傷者や疾病者の輸送に使用中であることを「パンパン」で、あらかじめ断って、安全にフライトしている例もあります。

また、「メーデー」と同様に、「パンパン」を三回続けて言うことで、現状が、遭難救助を要請する、一歩手前のぎりぎりの段階であることを報せ、あらかじめ遭難救助の準備を行ってもらうよう要請する場合もあります。

同様に、三回続けることで「当機ではないのだが」と断る意味を表して、他からの「メーデー」をリレーする場合があります。

「パンパン」を先にくり返しておくことで、自機が「メーデー」を発していると誤解されないようにする堅実な発信の工夫です。

「エマージェンシー」

航空機で使われる遭難救助要請の言葉です。

英語の“Declaring emergency”からきた言葉で、直訳すると、“declaring”が、「宣言する。布告する。公表する」の意味をもっている“declare”の現在進行形の形であることが分かります。

さらに“emergency”が、「非常時」「緊急」「有事」などの意味をもっている言葉ですから、「非常事態発生」「緊急事態発生」といった意味になります。

しかし、航空機という非常に高速で飛んでいる機体に起きる緊事態ですから、対処するといっても、極めて短時間での判断、行動でしかなく、「エマージェンシー」をコールしたとしても、正常な通信機能が作動し、正常な情報交換そのものが成立するかも疑問です。

そこで、現在は、緊急事態が発生した時、航空機の無線通信の設置は難しいとう判断に従って、「航空機用救命無線機(Emergency Locator Transmitter)」通称ELTを搭載しています。

この無線機には三種類あって、墜落やオーバーランなどの強烈な衝撃によって作動する自動型。

水中に投げ込まれることで、水面に浮上し自立して作動する水上型。

スイッチを入れると作動する手動型があります。

icon まとめ

通信技術の驚異的な発展のお陰で、遭難救助の要請から無事救助に至るまでの時間は、飛躍的に短縮されました。

しかし、いかに、救出に使用する機材が発展しようと、救出する対象や場所、位置の特定が早くなろうと、最終的に、手をさしのべて、差し迫る危機から引き上げてくれるのは、救出される人間と全く同じ人間なのです。

地球より重い人命を救出するために、日夜、厳しい訓練に励んでいる人達がいます。

様々な活動をする際には、十分過ぎる位の安全に関する準備と心構えをもちたいものです。