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「売り言葉に買い言葉」の意味とは?類語や例文、英語を紹介!

「売り言葉に買い言葉」という慣用句について解説しています。

例文、類語、英語、間違った使い方なども掲載していますので、ぜひご参照ください。

売り言葉に買い言葉

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「売り言葉に買い言葉」の意味とは?類語や例文、英語を紹介! >


目次

  • 「売り言葉に買い言葉」の意味とは?
  • 売り言葉とは?
  • 買い言葉とは?
  • 「売り言葉に買い言葉」の類語や言い換え
  • 「売り言葉に買い言葉」の例文
  • 「売り言葉に買い言葉」の対義語
  • 「売り言葉に買い言葉」の英語
  • 「売り言葉に買い言葉」を使う状況
  • 「売り言葉に買い言葉」の間違った使い方


「売り言葉に買い言葉」の意味とは?

  • 「勢いだけで暴言を応酬する」という意味
  • 「本心ではない」という言い訳にも使う

「勢いだけで暴言を応酬する」という意味

喧嘩腰な発言に、つられて同じように強い言葉や口調で返してしまうことを指します。

口論や、言い争いなどを示す時に使う表現なので、ただの「深く考えずに言ってしまった言葉」ではありません。

あくまで「暴言」に対してのみ使います。

ヤンキー漫画などに出て来るような、「お前、喧嘩売ってんのか?」「おう、やってやろうじゃねぇか」というやり取りは、まさに売り言葉に買い言葉の典型例ですね。



「本心ではない」という言い訳にも使う

「相手に言われたことにカッとなり、勢いだけで反論してしまったが、本心ではない」といった謝罪をしたい時にも使われます。

「あれは売り言葉に買い言葉だった」と言われた場合には、「本当はそんなこと思っていない」など、発言してしまったことの撤回を意図しているのだと解釈しましょう。

売り言葉とは?

乱暴な物言いの、「始め」となった方の言葉です。

辞書などでは「相手の言葉」といったニュアンスを含めている解説もありますが、必ずしも相手から言うだけでなく、自分が「売り言葉」を言ってしまうケースもあります。

単語だけ見ると「売り文句」と似ていますが、「売り言葉」は商売や宣伝には全く関係のない言葉です。

「喧嘩を売る」「売る」だと覚えておきましょう。

買い言葉とは?

「売り言葉」に応じる形で返した言葉のことです。

よって、「あっそ!」程度の返答では「買い言葉」になりません。

先程のヤンキー漫画の例をもう一度見てみましょう。

「喧嘩売ってんのか?」という言葉に対して、「おう!」だけではただの同意のようなものです。

「おう、やってやろうじゃねぇか」と強い姿勢と言葉を返してこその「買い言葉」です。

「売り言葉に買い言葉」の類語や言い換え

  • 「口喧嘩」
  • 「ああ言えばこう言う」

「口喧嘩」

「口論」でも間違いではありませんが、口論よりももう少し勢い任せに言い合っているニュアンスが、「売り言葉に買い言葉」にはあります。

よって、「口喧嘩」の方が言い換えとしては適しているでしょう。

また、言い換えとしても使えますが、繋げて使うことも可能です。

「売り言葉に買い言葉から口喧嘩に発展してしまった」

「ああ言えばこう言う」

喧嘩していることを伝えるニュアンスは弱まりますが、相手に乗せられた形で不本意な言葉の応酬がなされているニュアンスを伝えたいのであれば、「ああ言えばこう言う」の方が適しています。

なお、「ああ言えばこう言う」は理屈っぽい印象を与える言葉ですが、売り言葉に買い言葉には「理屈を並べる」といった意味合いは皆無です。

「売り言葉に買い言葉」の例文

  • 「売り言葉に買い言葉」の例文1
  • 「売り言葉に買い言葉」の例文2
  • 「売り言葉に買い言葉」の例文3

「売り言葉に買い言葉」の例文1

「別れたいと言ったのは、売り言葉に買い言葉で、本心ではないんだ」

謝罪をしたい時に「ノリで言ってしまったんだ」と表現しては、かえって相手を怒らせてしまう可能性がありますそんな時に売り言葉に買い言葉という表現が使えます。

ただし、この慣用句には「お互いが言い合った」という意味が含まれていますので、「私も悪いって言いたいのね」とかえって怒らせてしまう恐れもあります。

「売り言葉に買い言葉」の例文2

「部長と課長が揃うと、売り言葉に買い言葉だらけで会議が荒れてしまう」

冷静な話しあいにならないことを示す時にも使える表現です。

また、「口論」と表現するよりも「ついついムキになってしまう」といった意味合いも伝わるので、ただ仲が悪いよりも、強烈なライバル関係や、相性の悪さなどを示したい時にも使うといいでしょう。

「売り言葉に買い言葉」の例文3

「今どきの若者はちょっと挑発されただけで売り言葉に買い言葉でキレる」

まるで卓球のラリーのように、ポンポンと言い合う様が「売り言葉に買い言葉」からは想像出来ますので、堪え性のなさや、発言に対する安易さといった意味を含ませたい時にも使用できます。

「売り言葉に買い言葉」の対義語

  • 「柳に風」【やなぎにかぜ】
  • 「笑う顔に矢立たず」【わらうかおにやたたず】

「柳に風」【やなぎにかぜ】

売り言葉に買い言葉の対義語としては「柳に風」が有名です。

風が吹く方向にしなる柳のように、相手に歯向かうことなく受け流すことを指します。

向けられた敵意に、敵意で応じることをさす「売り言葉に買い言葉」とは真逆ですね。

「笑う顔に矢立たず」【わらうかおにやたたず】

矢を向けられても、笑顔を向ければ射たれない。

つまり、敵意を向けられても、こちらが笑顔を向ければ、相手の敵意も薄れるという意味のことわざです。

「柳に風」はただ受け流すだけですが、こちらは向けられた敵意に、敵意を返すなというニュアンスの教えも含まれます。

「売り言葉に買い言葉」の英語

売り言葉に買い言葉 meaning in english

売り言葉に買い言葉を英語で言うと“One ill word asks another”になります。

「ちょっとひどいこと言ったら、他のも出てきちゃった」というニュアンスの言葉です。

「どうしてこんなことになったんだ、そんなつもりなかったのに」と、完全に予想以上の喧嘩をしてしまった感じが伝わります。

  • “tit for tat”
  • “Getting back at you for what you said”
  • “the exchange of harsh words”
  • retort

“tit for tat”

ニュアンス的には「やられたらやり返す」に近い意味あいで“One ill word asks another”に比べるとフランクな言い方です。

“tit for tat”を使う時は、“pay”“give”などの動詞とくっつけて使います。

“Getting back at you for what you said”

「あなたがそう言ったから、返しただけ」と、少し丁寧な言い方の表現もあります。

「ああ言えばこう言う」の方が言葉の雰囲気としては近いですね。

“the exchange of harsh words”

「暴言の交換」といった意味合いの英語です。

retort

「言い返す」という意味の動詞です。

口答えという意味もあり、勢いでひどい言葉を言うだけでなく、素直に従いたくないなど、反抗的な意味合いを含みたい時に使えます。

しかし、「retort」だけだと、「相手もひどいことを言った」というニュアンスが薄いので注意が必要です。

「売り言葉に買い言葉」を使う状況

基本的に「売り言葉に買い言葉」は、口論をしている者同士が近しくある場合に使います。

例えば恋人同士や夫婦、友達、職場の人間なら同期同士などです。

社長と新入社員との間では「売り言葉に買い言葉」が発生する可能性は低いでしょう。

売り言葉に買い言葉が発生するということは、両者の間に、言われたら言い返せるだけの関係性があるという証にもなり得ます。

社会的地位の差や、年齢差、また性格の強弱などなど、様々な要因で、そこに大きな不平等があれば起こり得ないものです。

小説などで使う場合は、登場人物たちの関係性に留意して使うことをオススメいたします。

  • 仕事では使わないのが賢明
  • 相手に責任を押し付けたい時にも使える慣用句

仕事では使わないのが賢明

先述(5-1)の通り、売り言葉に買い言葉には「あなたが言ったから私も言った」という意味合いが含まれています。

よって、仕事上の失言などに対する謝罪文では絶対に使わないようにしましょう。

例え先方がクレーマー気質で、相手の語気の強さに当てられて失言してしまったのだとしても、「売り言葉に買い言葉でとんだ失言をしてしまい、申し訳ありませんでした」などと言ってしまったら、「まずあなたが暴言を吐いたから、私も口を滑らせてしまったのです」と言っているように聞こえかねません。

ビジネスに限らず、お詫びの言葉としてはあまり適した慣用句ではないということを覚えておいてください。

相手に責任を押し付けたい時にも使える慣用句

「あなたが言ったから私も言った」という意味合いが含まれていることを逆手に取って、「本当はこんなこと言いたくないんだけど、あなたがひどいことを言ったから、私も言い返すわね」と、相手に責任を押し付けるような時にも使えます。

「売り言葉に買い言葉になっちゃうけど、あなただって相当自分勝手で自己中心的よ」

勢いで反論してしまっていると自覚しているニュアンスも伝わります。

「売り言葉に買い言葉」の間違った使い方

様々な使い方がある「売り言葉に買い言葉」ですが、下記のような使い方は誤りです。

  • 売り言葉に買い言葉で契約するって言ってしまった
  • 別れを切り出され売り言葉に買い言葉で承諾した
  • お得だよと売り言葉を言われた
  • チャンスの話をもらい売り言葉に買い言葉でOKした

売り言葉に買い言葉で契約するって言ってしまった

ノリで言ってしまったことや、雰囲気に流されて言ったことを後悔する時などには使いません。

喧嘩などあくまで「怒り」がそこにある場面でのみ使います。

別れを切り出され売り言葉に買い言葉で承諾した

言われたことに対して言い返していないと、売り言葉に買い言葉という慣用句を使うにはふさわしくありません。

例えば、彼氏が「もうお前にはウンザリだ、別れよう」と言ったのに対し、彼女が「ええ、分かったわ」と返答しただけでは、売り言葉に買い言葉と表現するかどうか難しいですが、「望むところよ、これでせいせいするわ」と返答していれば、まさしく売り言葉に買い言葉だと断言出来ます。

「暴言」に明らかな「暴言」で返していない場合は、「弾みで」など、感情の強弱が含まれない表現を使っておく方が無難です。

お得だよと売り言葉を言われた

「売り言葉とは?」でも解説していますが、売り言葉と売り文句は全く別の言葉です。

「これ、限定品で、しかも最後の1個なんですよ」「あら、上手い売り言葉ね」というのも誤りです。

チャンスの話をもらい売り言葉に買い言葉でOKした

売り言葉に買い言葉という表現には、確かにスピード感あふれる印象がありますが、この使い方も誤りです。

こういった場合は「二つ返事でOKした」と表現する方が適しています。

icon まとめ

最後に、売り言葉に買い言葉の意味や使い方をまとめておきます。

  • 暴言の応酬を指す慣用句。
  • 「怒り」がある場面で使う。
  • 弾みで暴言を吐いてしまった際の言い訳として使うこともある。
  • 「売り文句」とは無関係の言葉。
  • 仕事上では使わない
  • 概ね対等な関係性で使う

かなり使う場面が限定される慣用句なので、日常生活で言葉にする機会は少ないかもしれません。

しかし、この言葉を知っておくことで、親しい人と予想外の激しい口論をしてしまったり、あまりにひどい言葉を言われたりしても、「売り言葉に買い言葉だったのかもしれない。

時間を置いてもう一度話をしてみよう」
と思えるかもしれません。

物の弾みで厳しい言葉を口にしてしまうこともあると、心に余裕を持つための慣用句として覚えておくことをオススメいたします。