「ゾーンに入る」の意味とは?ことわざや反対語、使い方や例文、具体例を紹介!
「ゾーンに入る」の言葉の意味と、同じ意味の言葉を紹介します。
また「ゾーンに入る」の使い方や例文も紹介します。
目次
- 「ゾーンに入る」の意味とは?
- 「ゾーンに入る」に似た言葉やことわざ
- 「ゾーンに入る」の使い方や例文
「ゾーンに入る」の意味とは?
スポーツ界などでよく使われる言葉が、「ゾーンに入る」という言葉です。
スポーツドキュメンタリーなどを通じて「ゾーンに入る」という概念が一般的になり、ビジネスシーンなどでも使われるようになりました。
「ゾーンに入る」という言葉は、「集中状態に入る」という意味から、「無敵状態になる」という意味まで、幅広い状態を指します。
ものすごく物事に集中できて、何をしても失敗をしないような状態が「ゾーンに入っている」状態です。
理想的な精神状態と身体で、ほとんど不可能と思われるような成果を出したり、絶対に勝てるはずがないような相手に勝利するなど、ゾーンに入った人は、様々な奇跡を生んでいます。
つまり「ゾーンに入る」とは、とても集中できて、普段は発揮できないような実力を、思う存分発揮できるような心や体の状態と言い換える事ができます。
スポーツ選手はもちろん、大切な仕事や趣味に取り組んでいる人なら、何度でも自分に訪れて欲しいようなミラクルタイムです。
- 「ゾーンに入る」とは?
「ゾーンに入る」とは?
「ゾーンに入る」と言い表せるような状態は、実際どのような感じを味わう事になるのでしょうか。
例えばプロ野球選手なら「ボールが止まって見える」、そんな不思議な状態を味わうといいます。
一部の強打者だけに起こる現象で、本当は150km以上スピードが出ているボールなのに、ゾーンに入ると止まって見えるといいます。
止まっているため、当然、簡単に打ち返す事ができます。
五打数五安打、サイクルヒットなど、とんでもない成績を出すバッターは、もしかしたらゾーンに入っているのかもしれません。
このように「ゾーンに入る」と日常的には考えられないほどの、とてつもない実力を発揮する事ができます。
また凡庸な人よりも、一生懸命何かに取り組んでいる人に起こりやすい現象でもあります。
一流アスリートはもちろん、受験勉強やプロジェクトの準備を必死で頑張っている人、趣味に真剣に取り組んでいる人ほど、ふとした瞬間に「ゾーンに入る」事ができます。
「ゾーンに入る」に似た言葉やことわざ
「ゾーンに入る」と似たような言葉やことわざがありますので、チェックしてみましょう。
もしかしたら「ゾーンに入る」は知らなくても、これから紹介する言葉の方を知っているかもしれません。
- 火事場の馬鹿力【かじばのばかぢから】
- フロー状態【ふろーじょうたい】
- トリップする【とりっぷする】
- ランナーズハイ【らんなーずはい】
- 神が宿る【かみがやどる】
火事場の馬鹿力【かじばのばかぢから】
「火事場の馬鹿力」という言葉をご存知でしょうか。
火事になった時など非常事態に、人はとんでもない力を発揮するといわれています。
例えば、絶対に持ち出せるはずのない重い金庫を運び出してしまったり、数人を抱えて火事場から逃げ出したりするような信じられない力を発揮します。
そもそも人間の脳は、身体に無理をさせないよう制御しているといわれています。
「ストッパー」とも呼ばれていて、ストッパーのおかげで、人はケガをせずに生活する事ができます。
逆に言えばストッパーを外す事ができれば、人間には無限の力が眠っている事になります。
プロのアスリートは、できるだけストッパーを外したいと考えるはずです。
「火事場の馬鹿力」は、緊急事態に陥ったため、知らないうちにストッパーが外れてしまった状態を指します。
そして「ゾーンに入る」のと同様に、普段はできるはずのない事を達成してしまうのです。
フロー状態【ふろーじょうたい】
「ゾーンに入る」のと、ほとんど同じ意味を持つ言葉が「フロー状態」です。
フロー状態になった時も、ゾーンに入った人と同様に、普段以上の力を発揮して、大きな成果を出す事ができます。
フロー状態になると、まるで自動的に身体が動いているような「自動操縦感」を味わう事ができるといいます。
例えば大切なスポーツの試合で、自分は何も考えなくても、フロー状態になった体が勝手に動いてくれます。
そしてその動きが理想的で完璧なため、普段は勝てないような相手にも簡単に勝つ事ができます。
集中の先にある「超集中」のような状態が「フロー状態」といえます。
トリップする【とりっぷする】
「ゾーンに入る」と、不安や緊張がなくなり、無に近い状態になったり、楽しくなってきたりします。
このような不思議な精神状態に入る事を「トリップする」と呼ぶ事もあります。
お酒を飲んだり、薬物を摂取した場合も「トリップする」といいますが、スポーツの大会や仕事中に何も摂取せずに突然トリップする事もあります。
トリップした精神状態は「トランス状態」とも呼ばれます。
トランス状態になると、最高に楽しい気持ちのまま、とんでもない仕事を成し遂げる事ができます。
一般的に考えれば緊張や重圧で顔がゆがむはずなのに、笑っているアスリートがいるかもしれません。
このような人は、トランス状態に入っているのかもしれません。
ランナーズハイ【らんなーずはい】
「ゾーンに入る」と辛い事をしているのに、身体がきつくなくなり、精神的にも楽になる事があります。
似たような状況がランナーが経験する、「ランナーズハイ」という状態です。
ただ精神的にハイになるならば、脳内に快楽物質などが放出されただけだと予想する事ができますが、ランナーズハイになると、実技面でも良い効果が生まれます。
走るフォームが美しくなり、無駄が無くなり、実際に速いスピードで走る事ができるようになります。
また、それまで苦しかった呼吸がスッと楽になったり、足腰の痛みが抜ける事もあります。
そして「何キロでも走り続ける事ができる」という状態になります。
これがランナーズハイです。
多くの市民ランナーはランナーズハイになってみたいと感じています。
しかしなかなか狙ってランナーズハイになる事はできないようです。
神が宿る【かみがやどる】
「ゾーンに入った人」は、いつもよりも高い実力を発揮します。
特に普段から実力が高い一流のアスリートがゾーンに入ると、一般の人から見たら「神様レベル」の動きをする事になります。
160kmの剛速球を投げられるピッチャーがゾーンに入り、170km近いボールを投げたり、160kmのストレートを外角低めに寸分狂わず投げ込む事ができるようになります。
その姿はまるで神ですから、人々は「神が宿っている」と称賛します。
一般的な人がゾーンに入っても、神が宿るレベルには見えないかもしれません。
選ばれた人だけがなれるステージが「神が宿る」状態です。
「ゾーンに入る」の使い方や例文
「ゾーンに入る」の意味を知ったところで、具体的な使い方や例文を見て行きましょう。
「ゾーンに入る」を使う時は、自分の内面的な感じ方を表現するような場面が多いです。
使い方を知ると、普段はなかなか言葉にできないような感覚を、言葉にする事ができるようになるかもしれません。
さらに、ゾーンに入るとどのような状態になるのかも、合わせて紹介します。
- 「ゾーンに入る」の使い方
- ビジネスシーンでの「ゾーンに入る」を使った例文
- 趣味の世界での「ゾーンに入る」を使った例文
- プロのように「ゾーンに入った」場合
「ゾーンに入る」の使い方
例えば仕事に集中していると、時間を忘れてしまう事があります。
さらに出来上がった仕事の出来が良く、上司や同僚に見せても評価が高い事があると思います。
いつもなら絶対に到達できないような仕事の成果を、まるで他人事のように達成してしまう…このような状況は、まさに「ゾーンに入る」にぴったりな状態です。
そこで「私はさっきゾーンに入っていたようです」と使います。
上司や同僚から、「すごいね!どうしてこんな書類作れたの?」などと聞かれたら「ゾーンに入ってたみたいです」と答えましょう。
同様に、趣味などの場面でも使えます。
例えばテニスサークルで自分よりも実力が上の人と打ち合った時に、いつもよりも格段に良いパフォーマンスができた時は、その後の飲み会などで「今日はゾーンに入れました」と言いましょう。
「いえいえ」と謙遜したり、「上達したのかもしれません」と自慢するよりも、感じが良いですし、相手も興味を持ってくれるでしょう。
ビジネスシーンでの「ゾーンに入る」を使った例文
それでは「ゾーンに入る」を使った例文を見て行きましょう。
まずビジネスシーンでの「ゾーンに入る」の例文です。
自分以外の誰かが、一生懸命仕事をしていて、それがとても集中できている場合があります。
そんな時は、その人に聞こえないように「彼はゾーンに入ってるね」と言いましょう。
「とても集中している事」「良い仕事をしている事」が聞き手に伝わるはずです。
その人が仕事を終えたら「すごいね、さっきゾーンに入ってたでしょ?」と質問してみましょう。
ゾーンに入ったらどうなるか、その心身の状態を詳しく教えてくれるかもしれません。
趣味の世界での「ゾーンに入る」を使った例文
例えば将棋が趣味の人の中には、どうしても勝ちたい上級者の顔が思い浮かぶかもしれません。
その上級者に勝つためには、とても集中できていて、プレッシャーや緊張の無い、ゾーン状態に入るのがいちばんです。
そして対局中にもしゾーンに入る事ができたら、念願の勝利を手に入れる事ができるかもしれません。
そしてその時に「今日勝てたのは、ゾーンに入る事ができたからです」と言いましょう。
本当にゾーンに入れなかった場合でも、良いプレーができた時は「ゾーンに入りました」と冗談っぽく言うのもおすすめです。
実力ではなくゾーンのおかげで良いプレーができたと言った方が、角が立たないからです。
ビジネスシーンでも、仕事ができすぎて周囲の人に反発されそうな時は「ゾーンに入れたおかげです」とゾーンを持ち出して場の雰囲気を良くしましょう。
プロのように「ゾーンに入った」場合
ボールが止まって見える強打者のように、プロのアスリートは「ゾーンに入る」機会が多いです。
例えばある投手は、ボールを打者に投じようと思った瞬間、指先からキャッチャーミットまでの理想の道筋が光のように見えたといいます。
本人がする事は、その光の道筋に「置くだけ」だったそうです。
ボールを光の道筋の途中に置くだけで、ボールは理想的な軌道を描いて、キャッチャーのミットにどんどん吸い込まれていきます。
このような状況は、まさにゾーンに入った状態といえるでしょう。
本当の意味で「ゾーンに入る」事ができるのは、一流のアスリートや、天才的な誰かだけかもしれません。
しかし「ゾーンに入ったような感覚」は、誰にでも訪れるはずです。
そんな時は、ぜひその嬉しさを知ってもらうために「ゾーンに入った」という言葉を使って、周囲の人に伝えましょう。