「ああ言えばこう言う」の意味とは?類語や例文、英語を紹介!
日常生活や漫画など、誰しも耳にした事があるフレーズ「ああ言えばこう言う」。
この言葉を聞くと、「自分も言われた事がある」と思い当たる人も多いのではないでしょうか。
今一度この言葉を掘り下げて理解していきたいと思います。
目次
- 「ああ言えばこう言う」の意味とは?
- 「ああ言えばこう言う」の類語や言い換え
- 「ああ言えばこう言う」心理
- 「ああ言えばこう言う」を使った例文や使い方
- 「ああ言えばこう言う」の英語
- 「ああ言えばこう言う」について解説
「ああ言えばこう言う」の意味とは?
この言葉の字面通り、「何かを言うと、必ず何か言い返して素直に聞かない様子」を表します。
アドバイスや忠告、注意したときに理屈っぽく反論され、不快な思いをしたときに使われます。
よくこの言葉が使われる場面としては家庭内のいざこざです。
例えばドラマや本などで、親が子に「出しっぱなしにしないで片付けなさい」や「宿題をしなさい」と注意すると、子が素直に従わず「今やろうと思ってたのに」と返すような場面の描写が多く見られます。
本当はそう思っていなくとも注意された事が腹立たしく、何か言い返さないと気が済まずに精いっぱいの反論として「今しようと思っていたのに注意されて気が進まなくなった」と主張します。
このように、相手の発言に対していちいち反論し屁理屈をこねることを「ああ言えばこう言う」と指します。
「ああ言えばこう言う」の類語や言い換え
この言葉の特徴は、言った事に対して反論する様であるため、類語にあたる言葉は「○○なら●●」という構成です。
前者にたいして全く正反対のことを言うという意味を示して、後者は逆の意味になる言葉が並びます。
- 「山と言えば川」【やまといえばかわ】
- 「酢の蒟蒻の」【すのこんにゃくの】
- 「売り言葉に買い言葉」【うりことばにかいことば】
「山と言えば川」【やまといえばかわ】
何だか合い言葉のように聞こえますが、「ああ言えばこう言う」の類語の一つです。
似たような言葉に「右と言えば左」や「西と言えば東」というものもあります。
場所や位置が全く正反対にあるものを並べることで、相手に言われたことの逆を言ってとにかく反対する様子を表しています。
海ではなく川と言われるのは、場所ではなく言葉そのものが持つ意味合いとして、山は陸地であり川は水辺であるからでしょう。
そのルールにのっとると、実在しない言葉ですが「海と言えば陸」という言葉も使えそうです。
「酢の蒟蒻の」【すのこんにゃくの】
何を言ってもすぐに穴や欠点を見つけて文句を言う人がいますが、この言葉はまさに「あれやこれやと文句をつける」という意味です。
「ああ言えばこう言う」と似て、何につけてもすぐ文句を言う相手に「酢の蒟蒻の言わないで」などと戒めたり、諌めるときに使います。
他にも似たような言葉に「四の五の」という言葉があります。
「売り言葉に買い言葉」【うりことばにかいことば】
使われる場面が少し違いますが、「ああ言えばこう言う」に似たような言葉として「売り言葉に買い言葉」という言葉があります。
相手が腹を立てるとわかっているのにわざと言葉をいい、腹を立てた相手が売られた喧嘩を買うかのように反論して応酬する様子を表します。
「ああ言えばこう言う」と同じで、投げかけられた言葉に対して応戦される状況で使います。
「ああ言えばこう言う」心理
冒頭の方で挙げましたが、「ああ言えばこう言う」にあてはまる人はとにかく理屈っぽくて、相手に言われたことに対して自分が優位に立てるよう反論しなければ気が済みません。
腹を立てやすく短気な人に多く見られます。
心に余裕がなく、言われたり受けた忠告を素直に受け入れる態勢が整っていないのです。
まず言われて返すのは「でも〜…」や「だけど…」と反論ばかり。
本人は利口に正論を返しているつもりですが、聞いている側の方からすると保身に走っているようにしか見えません。
プライドが高く、自分のメンツを守ろうとして相手を否定しがちです。
こういった人に出会ってしまったり、身近にそういう人がいる場合は、反論を返すとまた反論が返ってくるだけで堂々巡りになってしまいます。
話を終わらせる、その場を収めるには相手の反論を聞き流しつつ自分が引くことが大事です。
「ああ言えばこう言う」を使った例文や使い方
「ああ言えばこう言う」というのは、何につけても反論する様子であることから、あまり良い意味では使われません。
- 「ああ言えばこう言う」の例文1
- 「ああ言えばこう言う」の例文2
- 「ああ言えばこう言う」の例文3
「ああ言えばこう言う」の例文1
「あの人はああ言えばこう言う性格だから、付き合うのが難しい」
人間関係はただでさえ気を使うものですが、何を言っても反論で返す人ほど付きあいにくいものはありません。
「ああ言えばこう言う」という言葉と聞いて、自分にとって良いイメージの人が浮かぶ人はいないと思います。
反論に対してさらに返してしまうと「口ごたえするな」と怒られてしまいます。
ぐっとこらえて、理不尽なことも言い返したくなる気持ちを飲みこみつつ「仰るとおりです」と相手の意見を聞かないといけません。
そんな場面で使います。
「ああ言えばこう言う」の例文2
「せっかく忠告してあげたのに、ああ言えばこう言うんだから」
プライドが高い人は、誰かから受けるアドバイスや忠告が素直に受け取れません。
「でも●●じゃない?」とすぐに反論してしまいます。
忠告した側にとっては善意であっても、「ああ言えばこう言う」側の人は聞き入れず、結果、物事が悪い方向へ向かってしまうものです。
何度もそういったことが起こると、「ああ言えばこう言う」タイプのまわりにいる人はうんざりしてしまいます。
自分に同調する言葉しか聞き入れない人に対して、いら立ちをつのらせた時使われます。
「ああ言えばこう言う」の例文3
「そうやってすぐああ言えばこう言うから、全然話が進まない」
「ああ言えばこう言う」人は言われたことに対して反論したいだけなので、しっかりと決まった意見を持っているわけではなく、言葉遊びのように反対意見しか言いません。
その迷惑さが特に顕著に表れるのは、何かを決めなければいけない時です。
結果をひとつに定めようとしても誰か一人が「ああ言えばこう言う」性格であればその話し合いが長引くのは必至です。
「ああ言えばこう言う」の英語
“Whatever I say, you say the opposite.”
“Whatever”とは「何であっても」、“opposite”とは「逆の」という意味です。
日本語と同じで、「何か自分が言えば逆のことを返してくる」ということです。
何につけても反論する、ということを指しています。
“Always has to get his last word in!”
「いつでも最後には彼の意見を言わないと気が済まない」と訳します。
日本での「ああ言えばこう言う」と同じで、人の意見を聞かず何かと反論して自分の意見で終わらせようとする心理が見える英文です。
日本語だと比喩表現で色々な文章がありますが、英語で表わす時には直接的に表現されます。
「自分が言っても聞かない」、「何を言っても言い返してくる」という文章になります。
「ああ言えばこう言う」について解説
- 「ああ言えば」
- 「こう言う」
「ああ言えば」
この言葉で述べられる「ああ」とは、感動や驚愕の気持ちを直接表わす言葉である「嗚呼」とは違います。
俗に「こそあど」と言われる指示詞のなかの、「あれ」の副詞です。
「ああいう風に」や「ああいった」と使われるように、話し手や聞き手から離れた場所や違う場面のことを指す時に使います。
「ああ」というのは他にも「ああでもない、こうでもない」という風に、「こう」とセットで使われることの多い言葉です。
「こう言う」
「こう」という言葉も「ああ」と同じ副詞ですが、「ああ」とは違い話し手にとって近い場面、聞き手に対して説明するときなどに使われます。
「こう持って下さい」「こうしてください」という具合です。
「ああ言えばこう言う」とは類語で述べたように、左と言うと右と言われ、西へ行こうとすると東へ行かれるという真逆を述べて反論することです。
指示詞を用いて「ああ」に対して逆の意味となる「こう」という副詞を使う事で、「反対する」様子を示しています。
相手を怒ったり、皮肉をこめて嫌味を言ったりとあまり良いイメージが持てない「ああ言えばこう言う」。
ネットで検索すると「ああ言えばこう言う」タイプの人に悩まされている人が多いようです。
そういう人にならないよう、「ああ言えばこう言う」という言葉は反面教師や戒めとして心の中に留めておきたい言葉の一つです。