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「初心忘れるべからず」の意味とは?類語、四文字熟語や使い方と例文を紹介!

「初心忘るべからず」はモチベーションを保つ言葉としてよく使われている言葉です。

ビジネスシーンや学生生活でもどのようなシチュエーションでも大切な「初心忘るべからず」とはどのような意味があるのでしょうか?

初心忘れるべからず

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「初心忘れるべからず」の意味とは?類語、四文字熟語や使い方と例文を紹介!>


目次

  • 「初心忘るべからず」の意味とは?
  • 「初心忘るべからず」の類語や四文字熟語
  • 「初心忘るべからず」の使い方
  • 「初心忘るべからず」の英語
  • 「初心忘るべからず」の反対語とは


「初心忘るべからず」の意味とは?

「初心」とは「最初に抱いた志」「初めた頃の謙虚な気持ち」を指し、物事をはじめたばかりの気持ちや志を忘れずにいなさい、そして時には振り返ることが大切だという意味です。

初心者は自分がまだまだ修行の身であることを知っています。

自分の目標を成し遂げるためには日々の努力が必要ですし、失敗したときには何が悪かったかを検討し、どうしたら自分の目標に届くかを試行錯誤します。

「初心」は自分を築き上げるうえに大切な「軸(じく)」「骨組み」になっていくのです。

  • 「初心忘るべからず」の語源
  • 「初心忘るべからず」の読み

「初心忘るべからず」の語源

今から約600年前の室町時代に活躍した猿楽師(さるがくし)である世阿弥(ぜあみ)が書き残した言葉です。

猿楽師とは今で言う能楽師(のうがくし)で、能芸論書『花鏡(かきょう)』の中で芸の奥義として「初心忘るべからず」という言葉を書き記しました。

しかし、世阿弥は現在で使われている「最初の気持ちや志を忘れない」という意味とはまた違った人生を三段階に分けたそれぞれの段階の初心について書いています。

「是非初心不可忘(是非の初心忘るべからず)」

今現在では「初心忘るべからず」というとこの「是非の初心忘るべからず」が一番近い意味で使われています。

「是」とは「良い(長所)」「非」とは「悪い(短所)」という意味で、最初の頃に感じたことや考えたことをしっかり心にとどめて振り返ることが大事だということを伝えた言葉です。

「新人のわりに上手だな」「なかなかいい筋しているじゃないか」などと、若いうちは誉めそやされることがあるかもしれません。

しかし、初めは誰もが大目に見るものです。

自分のまだまだ未熟な点を省みないで「自分は結構イケてるんじゃない?」と慢心していてはいけません。

初心を忘れずに、基本をおろそかにせず、常に振り返って修行していることを忘れずにいることが大切なのです。

「時々初心不可忘(時々の初心忘るべからず)」

ビジネスシーンで新人時代も過ぎ、数々の案件もこなしてきた30代〜40代でも、常に段階ごとに新しい経験を積んでいきます。

初めての案件を取り扱った気持ちを忘れないでいなさいという言葉です。

「老後初心不可忘(老後の初心忘るべからず)」

世阿弥のいう老後は50歳ごろを指しています。

「老後の初心忘るべからず」とは、さまざまな経験を経てきたとしても、常に新しいこと立ち向かって苦しみあがいていた若い頃の気持ちを持ち続けること、チャレンジし続ける気力や維持し続けることをいっているのではないでしょうか。

「初心忘るべからず」の読み

「初心忘るべからず」「しょしんわするべからず」と読みます。



「初心忘るべからず」の類語や四文字熟語

「初心忘るべからず」とは世阿弥の残した名言ですが、この言葉に良く似ている言葉や四文字熟語はどのようなものがあるのでしょうか。

「初めて」「モチベーションを持ち続ける」をキーワードに集めてみました。

  • 「初心忘るべからず」に似た意味を持つことわざや表現
  • 「初心忘るべからず」とよく似た意味を持つ四文字熟語
  • 「初心忘るべからず」によく似た意味を持つ名言

「初心忘るべからず」に似た意味を持つことわざや表現

「初心にかえる」

世阿弥の『花鏡(かきょう)』の中の一文、「初心忘るべからず」をかみ砕いた表現なので、会話の中でも使いやすい表現です。

事を始めた当初の純真な気持ちを改めて思い出すことをいいます。

「初めが大事」

物事をはじめるには良く考えて慎重にやらなければないということをいいます。

きちんと計画立てて行うことが成功への道につながっていきます。

「初心」をしっかりと刻んでおくことが肝心なのかもしれませんね。

「初心を貫く」

最初の気持ちや志を最後まで持ち続けることをいいます。

「初心忘るべからず」が振り返ることの大切さを教えてくれる言葉だとしたら、「初心を貫く」は最初のモチベーションを持ち続けることの重要さを教えてくれる言葉です。

長く続くとモチベーションを保つことが難しくなってきますが、「初心」を糧にゴールを目指していきたいものですね。

「初心忘るべからず」とよく似た意味を持つ四文字熟語

「原点回帰(げんてんかいき)」

その字の通り、原点に帰ることをいいます。

原点とは初めの頃の気持ちや心構えを取り戻すことを指します。

「初心にかえる」とほぼ同じ表現です。

「初志貫徹(しょしかんてつ)」

「初志(しょし)」は思い立ったときの最初の気持ちや志をいいます。

「貫徹(かんてつ)」は最後まで貫き通すこと。

つまり、志を最後まで貫くという意味の四文字熟語です。

「初心を貫く」とほぼ同義語です。

「初心忘るべからず」によく似た意味を持つ名言

「慢心(まんしん)は人間の最大の敵だ」William Shakespeare(ウィリアム・シェイクスピア、1564-1616)

世界中に名を馳せる作家は数々いますが最も有名といっても過言でないほどの数々の傑作を後世に残したイギリスの劇作家シェークスピアの言葉です。

四大悲劇『ハムレット』『マクベス』『オセロ』『リア王』などの作品は今も尚、映画や本などに影響を与え続けています。

そんなシェークスピアの言った「慢心(まんしん)は人間の最大の敵」には重みがあります。

いかに世に認められようと、それに満足して向上心を持たずにいてはいけないという戒めの言葉です。

常に「初心忘る」ことなく日々邁進(まいしん)していくことが大切なのかもしれません。

「初心忘るべからず」の使い方

では「初心忘るべからず」はどのようなシーンで使用すればよいのでしょうか。

ここではビジネスでの使い方と日常生活での使い方のパターンをご紹介します。

  • 「初心忘るべからず」の例文1
  • 「初心忘るべからず」の例文2

「初心忘るべからず」の例文1

「仕事にすっかり慣れたのはいいが、チェックもれが多くなってきてはいないか?『初心忘るべからず』を心がけてくれ」

慣れてきたときこそ大きな失敗をしてしまうことがあります。

振り返ってちゃんと確認することが大切ですね。

「初心忘るべからず」の例文2

結婚してもう十数年経つけれど、いまだに仲のよい夫婦でいるコツは『初心忘るべからず』の気持ちでいることです」

時が経つにつれ新鮮な気持ちが薄れていきます。

特に夫婦は「空気のような」存在になりますが、それは決して「透明で見えない」ことをいっているのではなく、「必要不可欠である」ということなのです。



「初心忘るべからず」の英語

初心忘れるべからず meaning in english
  • “Don't forget your original intention.”
  • “Always keep your mind as open as when you begin.”
  • “Try never to lose your initial enthusiasm.”

“Don't forget your original intention.”

最初に決めたことを忘れないように。(そうすれば成功する)

“Always keep your mind as open as when you begin.”

「いつも初めて接するように、偏見をもたずに広い心を保ちなさい」

常に柔軟な精神をもつ、という意味の「初心忘るべからず」を表現する言葉ですね。

“Try never to lose your initial enthusiasm.”

「最初の熱意(感激)を決して失わないようにしなさい」

新鮮な気持ちを保つという意味の「初心忘るべからず」を表現する言葉です。

「初心忘るべからず」の反対語とは

「初心を忘れない」の反対語はどのようなものがあるでしょうか。

インターットで「初心忘るべからずの反対語」と検索してみても、なかなか思うような検索結果が出てこないでしょう。

正確な意味での反対語は見つからないのです。

しかし、「単純に「初心を忘れない」の反対の意味を考えてみると、「初心を振り返らない、基本に立ち戻らないこと」になります。

また「初心」とは自分を築き上げる「軸(じく)」「骨組み」ともいえます。

自分自身の軸(初心)を「忘れて」しまったり、「失くして」しまうことも反対語になると考えられます。

ではどのような言葉があるでしょうか?

  • 「初心忘るべからず」の反対語にはどのような言葉があるの?
  • 「初心を忘れない」コツ
  • 「常に自分を見返す」
  • 「過去の失敗は忘れるな」

「初心忘るべからず」の反対語にはどのような言葉があるの?

ことわざや四文字熟語で「初心にかえらない」、自分の「軸(じく)」がないことを表す言葉を集めてみました。

「明日は明日の風が吹く」

明日になったら今日とはまったく違う風が吹くのだから、先のことを案じても始まらない、成り行きに任せて生きるのがよいということわざです。

物事はなるようになってしまうのだという、開き直った気持ちを表しています。

過去をふりかえらない、という点で「初心忘るべからず」とは反対の言葉になっています。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

「過(す)ぎたるは猶(なお)及(およ)ばざるが如(ごと)し」と読みます。

度が過ぎるということは、足りないことと同じこと、つまり、何事も「適当(てきとう)」であることが大切で、やり過ぎることはやり足りないことと同じでいいこととは言えない、という意味です。

ここでいう「適当」とは「いいかげんなやりかた」という悪い意味ではなく、「状況に適している」ことをいいます。

「初心忘るべからず」とは物事の基本や経験を生かしていくことですが、「初心者」の気持ちのままでいつまでもいて二の足を踏んでしまっていては前に進むことはできませんよね。

「長いものに巻かれろ」

目上の者や勢力の強い相手とは争わずに、従った方が得策だという意味を持つことわざです。

志を持って立ち上がったとしても、権力者の意に合わなければそれに屈していく、または初めは戦っていたとしても形成が不利になるのが目に見えてわかったときに潔く降参することは処世術のひとつです。

「大勢順応」

主体性がなく、他の意見に安易に同調することを「大勢順応(たいせいじゅんのう)」といいます。

年月が経ってしまうと初めに抱いていた志をなくし、「今まではこうだったから」「みんながそうだといったならいいんじゃないか」と考えることを放棄してしまうことはよくあることです。

そのようなときこそ「初心忘るべからず」で現状を変えていくチャレンジが必要なのかもしれませんね。

「初心を忘れない」コツ

物事をはじめるときは誰もが新鮮な気持ちで意気揚々と取り組んでいくことでしょう。

何が起るかわからないハラハラドキドキとした気持ちはスリルがあって緊張感でいっぱいです。

そのためには失敗しないように気をつけますし、失敗したとしても次につながるステップになります。

ところが、時間が経つにつれ慣れていくことによっていつの間にか当たり前のこととなり、新鮮な気持ちは薄れていってしまいます。

しかし、「今日と同じ日は決してこない」のです。

人生はコピー&ペーストでは決して成り立ちません。

よく似ていても必ず何かが違っていますし、人によっても見方は様々です。

視野を広げる、いつもとは違った方向で見つめなおしていけば「初心」がまた新鮮に見えてくるのではないでしょうか。

「常に自分を見返す」

「初心忘るべからず」とは常に自分を見返すこと、つまり、自己を客観的に見ることが必要です。

人から賞賛あるいは誹謗中傷されたとしてそのまま受け取っているだけでは進歩はないのです。

事実を見つめなおして改善できることは改善する、よりよく出来ることがあるなら精進すればよりよい人生を過ごせるかもしれません。

「過去の失敗は忘れるな」

何かことを仕損じたり、失敗したときに「初心にかえって、やりなおします」と表現することがあります。

一般的に初心者の場合、失敗することは多いかもしれませんが、段々とことに慣れてくると失敗したり間違えたりすることが少なくなり、思いどおりの結果を手にすることが多くなっていきます。

ミスを起こしたときに「いつもはうまくやっているのだから、今回はたまたまミスしただけだ」と考えてそのまま放置してしまうことはありませんか?しかし、ミスの原因を放置しておくとまた同じようなミスをしてしまう可能性があります。

過去の失敗やミスから学ぶことはたくさんあるのです。

「たまたま起こしたミス」としてではなく、「何故そんなミスを起こしたか」と考えていくことが大切なのではないでしょうか。

「過去の失敗」は生きるうえで大切な「財産」になっていくのです。

icon まとめ

今よりもはるか昔の室町時代に生きた世阿弥が残した言葉「初心忘るべからず」が現在も尚、「最初の気持ちや志を忘れずに、慢心せずにいつも視野を広げていきなさい」という戒めの言葉として私たちの教訓として残っています。

物事には必ず「はじめて」の出来事があってからスタートします。

「初心忘るべからず」はスタートを切ったときにも熟練したときにも心に響く言葉ではないでしょうか