「すこ」の意味とは?言い換え、「ほんとすこ」、「これすこ」は使ったらキモい?
ここ最近、あまり「書き間違い」という言葉を耳にしなくなりました。
パソコンが一般家庭に普及し、職場でも私生活でも文字を書くよりもパソコンやスマートフォンなどで「打つ」機会のほうが多くなり、打ち間違いという言葉の方がポピュラーになってきています。
そんな打ち間違いと深い関わりのある「すこ」という言葉、聞いたことはありますか?
目次
- 「すこ」の意味とは?
- 「すこ」の言い換えや似た言葉
- 「すこ」の使い方や例文
- 「すこ」の対義語はまだ決まっていない
- 「すこ」は気持ち悪いと思う人が多い
「すこ」の意味とは?
「すこ」とだけ聞くと、一体何の事だか予想もできません。
「ほんとすこ」「すこだ…」といったような言葉にすると、耳よりも目にしたことがある人の方が多い事でしょう。
「すこ」というのは2015年ごろから、Twitterやネット掲示板で使われるようになったインターネットスラングのひとつで、「好き」という意味です。
つまり先述した「ほんとすこ」や「すこだ…」は「ほんと好き」「好きだ…」と訳します。
日本語として「すこ」という単語は存在せず、近年うまれた造語です。
最近少しずつ日の目を浴び始めた言葉ですが、まだまだネットスラングとしては浸透しきっていません。
他にネットスラングとしてよく知られている「w」などど比べれば、知らない人の方が断然多いでしょう。
- 「すこ」の読み
- すこの語源は好きのタイプミス
「すこ」の読み
特に何か別の読み方をするわけではなく、発音はそのまま「すこ」です。
日常会話で口にする人はほとんどいません。
「すこ」だけでなく、ネット掲示板内だけで流行っていた言葉がここ最近、Twitterやインスタなど一般にも出回るようになりましたが、私生活で口に出すと怪訝な顔をされてしまいます。
元々、ネット掲示板をよく利用するいわゆる「オタク」や「ひきこもり」などが仲間内で使っている言葉だったためです。
文章に書いたり、それこそネット上にタイピングして書き込むときにしか使いません。
すこの語源は好きのタイプミス
この言葉が生まれたのは、某有名動画共有サイト上です。
そのサイトは、視聴者が直接コメントを書き込むことができ、画面上に自分が打ち込んだコメントが字幕として流れるようになっています。
とある動画を見ていた視聴者が、自分の好きな場面にさしかかった時に「この曲好き」とキーボードで打とうとして、「この曲すこ」になってしまったのがきっかけでした。
ネットといえば「炎上」という言葉が浮かぶように、ネット上の言葉は一度発信すると取り消しが難しく、それを目にした人のあいだにまたたく間に広がり批判されたり揚げ足をとられてしまいます。
この動画に打ち込まれた誤字もすぐ反応があり、誤字と分かっていてわざとイジったりからかって流用するコメントも打ち込まれ、その語感の良さも相まってネットをよく利用する層に爆発的に広がっていきました。
「すこ」の言い換えや似た言葉
- 「ほんとすこ」【ほんとすこ】
- 「これすこ」【これすこ】
- 「ここすこ」【これすこ】
「ほんとすこ」【ほんとすこ】
先述した「ほんと好き」を、タイピングミスがきっかけで生まれた「すこ」と組み合わせネットスラング風にした言葉です。
ただ好きという言葉を使うよりも、もっと深い愛情を表現できます。
ネット掲示板などで生まれた言葉は、どうしてもオタク層に広がりやすく、この言葉を使うのもほぼオタク層。
日常会話では耳にしません。
最近よく使われるようになってからは、ネットで検索するとその文章を含んだスレッド(記事)が多数ヒットするようになりました。
「これすこ」【これすこ】
文字でやり取りをする掲示板やチャットなどで、他の人が取り上げた話題や物に対して賛同するときに使います。
「これが好き」という事です。
「ここすこ」【これすこ】
「すこ」の語源、元ネタとされる原文に近い形です。
ネット上では長々と文章を打つと読み手がうんざりしてしまうため、文字や言葉を少し省略して入力します「ここ(の○○が)好き」という略語のようなものです。
3〜4文字程度で収まる言葉はリズムが良く、このタイプミスをネットスラングとして使う人が増えたのもちょうど短く収まる言葉として応用がききやすいからでしょう。
「すこ」の使い方や例文
- 「すこ」の使い方
- 「すこ」の例文1
- 「すこ」の例文2
「すこ」の使い方
好きな物や好きな事を、強調して伝えたいときに使います。
日常的な誰かと交わす会話では使わない方が無難です。
掲示板サイトを利用している人も、女子高生などに流行して使われている様子をテレビで見ると「普段の生活で使うのはありえない」「使い方が違う」と否定する派が多いのが現状です。
仲間内で使う暗号のようにひっそりと使われているのがネットスラングとしての正しい姿です。
誤用や間違った意味が広がるのを極端に嫌がるネットユーザーとしては、あまりまだ広がりを見せていない「すこ」という言葉をかなり限定的な場面で使っています。
「すこ」の例文1
「このアニメをすこれ」
「このアニメを好きになれ」という、「すこ」を応用した変化系です。
命令として誰かに何かを進めたり、強要するときに使います。
「すこ」が「好き」という意味でも、「好きになってくれ」は「すこになってくれ」とは言いません。
語源には下ネタも一部絡んでいますが、何より語感の良さと入力文字の少なさがウケています。
元々、「すこ」がタイプミスをからかったり馬鹿にして生まれた言葉ですから、「すこ」はそのまま残して様々な言葉に流用することで、おもちゃのように言葉遊びしているうちに変化の仕方が定着してきたと思われます。
「すこ」の例文2
「このアングル、すこだ…w」
「…」に加えさらに有名なネットスラングで笑いを表現する「w」を付けます。
よくこの「すこ」という言葉とセットで「w」が使われます。
この「…w」の組み合わせに気持ち悪さを感じる人が多く、あえて陰湿な気持ち悪さを出すための表現手法として利用する人もいます。
口に出して行う会話では伝わりにくい独特の表現です。
特にネット上でのコメントは、それぞれの趣味が色濃くでる会話が多く、下ごころを含んだ歪な愛情を表わす事もあります。
「すこ」の対義語はまだ決まっていない
好きをネットスラング風にして「すこ」としてネット掲示板で使う人が増えていますが、対義語として「嫌い」という意味のネットスラングはまだ生まれていません。
元々「すこ」はタイプミスで生まれた言葉。
「嫌い」というタイプミスがないのでしょう。
今までネットスラングとして使われてきた言葉はほとんど、タイプミスや変換ミスで生まれています。
あえて受けを狙って作られた言葉は受け入れられにくく、浸透しません。
タイプミスが起こるまで、また、その言葉の語感や面白さが受け入れられるまでは「嫌い」は「嫌い」のままでしょう。
逆に、「すこ」の対義語としての「嫌いのネットスラング」を生み出す事が出来れば、「ンゴ」などと同じように女子高生など一般の人にも広がっていく言葉になるはずです。
「すこ」は気持ち悪いと思う人が多い
元ネタや今使っている層がネット掲示板利用者ということと、「すこ」が使われる場面が限定的なこと、響きが気持ち悪く感じるなど複数の理由が重なって、不快に感じる人が多いようです。
仲間内でしか使わないような言葉を、通じにくい相手に上から目線で使う人もいるため、「自己陶酔しているようで感じ悪い」と受け取られてしまう事もあるようです。
また、過去にネット掲示板では匿名を利用して暴言を書き込む人も多く、そういった暴言を規制する動きもありました。
その規制の抜け穴を探すようにあえて分かりづらい漢字にしたり、違う言葉へ置き換えたりとまるでいたちごっこのようにしつこく書き込むユーザーも存在します。
そのようなしつこいイメージが付いてまわり、「すこ」などのようにネット掲示板やサイトから生まれたスラングを嫌う人も多いのです。
また、その響きから下ネタを連想させたり、下ネタによく使う人も多いからでしょう。
この風潮は「すこ」だけではなく、今まで生み出されてきたネットスラング全てに言えます。
もう流行していないネットスラングを使えば同じネットユーザーから「気持ち悪い」と罵られてしまいます。
元ネタがタイプミスを馬鹿にしたものということもあって、あまりプラスイメージが持たれていない言葉です。
ここ最近、一部の界隈で流行っているネットスラングや特殊な言葉を、「こんなの知っているぞ」と言わんばかりに日常会話で利用する人も増えています。
同じネットユーザーでも冷ややかな目で見ることのあるネットスラング。
TPOを考えて、冗談の通じる仲間内だけで楽しく隠語のように使えるのが理想の形だと思います。