「かまける」の意味とは?類語、メールの例文や英語を紹介!
「かまける」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「忙しさにかまけて」「遊びにかまける」などという表現で使われます。
それなら、この「かまける」というのは一体どんなような意味なのでしょうか。
ここでは、「かまける」の意味や類義語について解説します。
目次
- 「かまける」の意味とは?
- 「かまける」の類語や言い換え
- 「かまける」は方言?
- 「かまける」を使った例文
- かまけると怠けるの意味の違い
- 「かまける」を漢字で書くと?
- 「かまける」の英語
「かまける」の意味とは?
- 「かまける」は昔からある言葉
- 「かまける」の現代の意味
「かまける」は昔からある言葉
「かまける」というのは極めて古い言葉と言われています。
万葉集の中には「はしきやし翁の歌におほほしき九の児やらかまけて居らむ」という歌があることを、この言葉は昔から存在しているのです。
ここでの「かまける」は「心惹かれて」という意味です。
「かまける」の現代の意味
ともと「心惹かれて」「感心して」という意味で使われていた「かまける」という言葉は、「気負く」が変化したものであると考えられています。
「気持ちが何かに惹かれた」という意味が転じ、気をとられて他のことをなおざりにする、という意味になったと考えられているのです。
「かまける」の類語や言い換え
- 「他の事まで手が回らなくなる」【ほかのことまでてがまわらなくなる】
- 「かかりきりになる」【かかりきりになる】
- 「手一杯」【ていっぱい】
「他の事まで手が回らなくなる」【ほかのことまでてがまわらなくなる】
熟語ではありませんが、「かまける」をわかりやすくいうならば「他の事まで手が回らなくなる」という表現を使うことができます。
例えば、子育てで忙しくて他の事まで手が回らない、子供が病気になって他の事まで手が回らない、という使い方ができます。
誰であっても忙しかったり何か特別な用事が入ったりして他のことができない、という事がると思います。
忙しすぎて本来やるべきことをやり忘れてしまった、寝る前に何か大切なことをしていないことに気づいた、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
「かかりきりになる」【かかりきりになる】
「子供が高熱を出して看病にかかりきりになる」などという表現を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
特に「看病にかかりきりになる」という表現が使われることが多いでしょう。
かかりきりになるという表現も「かまける」と同様、特定のものに時間や労力を取られ、他のことができなくなる状態を指します。
「かかりっきりになる」ということもあります。
「手一杯」【ていっぱい】
仕事のプロジェクトなどを任され、それで手一杯になってしまった、宿題で手一杯になってしまって予習や復習ができない、などといった経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
その言葉通り、手がいっぱいになってしまって他の事まで手が回らない、などという時にこの「いっぱいになる」という表現を使うことができます。
「かまける」は方言?
- 方言として使われることもある
- 「かまける」は標準語
- 「かまける」のニュアンス
- 「ゆるがせ(忽)」
- 「忙しさにかまける」という表現は正しいの?
- 「なおざり」と「おざなり」
方言として使われることもある
「かまける」と聞くと、なんとなくお年寄りが使っていそうな、そして方言なような気がする、と思う人もいるかもしれません。
確かに岐阜県や長野県においては特にお年寄りが「かまける」という単語を方言として使うことがあるとも言われています。
この場合、「かまける」は確かに何かに夢中になって他のことをやらない、という意味を指しますが、口をいう、という意味を指す場合もあります。
「かまける」は標準語
しかし、その一方で「かまける」という言葉は個人にも掲載されている単語であり、立派な標準語なのです。
なんとなくお年寄りが使っているようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、若い人が使っても何の問題もありません。
「かまける」のニュアンス
今まで、「かまける」は「他の事まで手が回らなくなる」などと言い換えることが可能だと述べてきました。
しかし、「かまける」という単語自体は「あることに気をとられてしまい、他のことをなおざりにする」という意味ですから、消して良い意味で使われる事はありません。
どちらかというと何かに気をとられてしまったことにより、他のやるべきことをサボっているといったような悪いニュアンスで使われます。
「ゆるがせ(忽)」
あまり聞いたことがないという人もいるかもしれませんが、「かまける」によく似た表現には「忽」というものがあります。
「いるかせ」の音が変化したものであり、室町時代までは「ゆるかせ」と言われていました。
これも物事をいい加減にすること、なおざりにすること、おろそかにすること、という意味を指します。
また、同時に寛大な様子やのんびりした様子を表すこともあります。
「忙しさにかまける」という表現は正しいの?
「かまける」という表現はよく「忙しさにかまける」として使われることがあります。
例えば、「忙しさに振り回されて」「立て込んでいて」「バタバタして」なども同じ意味になります。
「かまける」というのはある特定の物事に気を取られるという意味ですから、「忙しさにかまける」と言えば「忙しさに気を取られる」という意味になり、違和感を感じる人もいるかもしれません。
しかし、「忙しさにかまける」でひとまとまりの表現であり、これは「忙しくて物事をおろそかにする」という意味になります。
よって、「忙しさにかまける」は決して誤用では無いのです。
「なおざり」と「おざなり」
「なおざり」も「かまける」に近い意味を持つ表現です。
「なおざり」と「おざなり」は音が非常によく似たような表現ではありますが、「なおざり」はいい加減にして放っておくことを指し、「おざなり」というのはそのものが出にいい加減な言動をすること、という意味になります。
そのため、「かまける」の類義語としては「なおざり」が正解です。
「かまける」を使った例文
- 「かまける」の例文1
- 「かまける」の例文2
- 「かまける」の例文3
「かまける」の例文1
「遊びにかまけて勉強がおろそかになる」
誰であっても、遊びに夢中になってしまって学校の宿題やテスト勉強に力を入れることができなかった、という経験を持つのではないでしょうか。
本来は宿題やテスト勉強するべきなのですが、どうしても遊びに夢中になってしまい、本来やるべきであった宿題やテスト勉強が中途半端になってしまった、という意味で「遊びにかまけて勉強がおろそかになる」と表現することができるのです。
確かにマイナスの意味で使われていますよ。
「かまける」の例文2
「子供の宿題にかまけて家事が終わらなかった」
親として子供の宿題を手伝わなければならないという状態に陥ることもあるかもしれません。
普段の宿題でも子供が「わからない」と言えばきちんと対応してあげなければいけません。
また、夏休み等は親が宿題をチェックしなければいけない、などということもあります。
そのような場合、子供の宿題に気をとられてしまい、家事や仕事が全く進まなかった、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
そのような場合、「子供の宿題にかまけて家事が終わらなかった」という言い方をすることができるのです。
「かまける」の例文3
「料理にかまけて時間をすっかり忘れてしまった」
家族や友人を招待してパーティーなどをする時、自分が料理に夢中になってしまい、今いったい何時なのかわからなくなってしまった、気づいたらゲストが来始めてしまった、などという経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
このような場合、「料理にかまけて時間をすっかり忘れてしまった」ということができます。
料理に気をとられてしまい、それ以外のことがなおざりになってしまっている状態です。
かまけると怠けるの意味の違い
「かまける」とよく似た表現に「怠ける」というものがあります。
しかし、この2つは意味が全然違うのです。
「怠ける」というのはするべきことをしないこと、怠ること、を指します。
つまり、「怠けないで」というのはするべきことをしていない人に対する言葉であるということがわかります。
しかし、「かまけていないで」というのはある1つのことに熱中してしまっている人に対し、他のことも見て、他のこともやって、という意味になるのです。
ですから「かまける」と「怠ける」は意味が違うと言えるのです。
ただし、いずれにせよ良い意味ではありませんので「かまけてないで」「怠けていないで」などと言われた場合はやるべきことをきちんとやるようにしましょう。
「かまける」を漢字で書くと?
「かまける」を漢字でかくと「感ける」になります。
よく使う感じではありますが、この読み方があるなんて知らなかった、と思う人も多いのではないでしょうか。
この漢字には「惑わす」という意味があります。
これが「かまける」に近い意味を持つと考えられています。
「かまける」の英語
- “too busy to”
- “occupied with”
- “so busy that”
“too busy to”
誰もが学生時代、too-to構文等という名称で習ったことがある文法なのではないでしょうか。
「〜すぎて〜できない」という意味になります。
だからこそ、この間に忙しいという意味を持つbusyを当てはめて「忙し過ぎて〜できない」という表現にすることが可能です。
これはビジネスの場においても日常的な会話においても使うことができる表現ですから、あらゆる場面で使うことが可能です。
“occupied with”
“occupy”には「占有する」、「占領する」などといった意味があります。
ですから、「〜に占有されている」「〜占領されている」などと述べることにより、「今は手一杯である」などという表現をすることが可能なのです。
例えば、「子供の看病にかまけて家事ができなかった」というのであれば、“I was occupied with taking care of my sick baby and couldn't do any house work.”ということが可能です。
“so busy that”
so-that構文というものも学生時代に勉強した記憶を持つ人が多いのではないでしょうか。
so A that Bとすることにより、A過ぎてB、という意味になります。
だからこそ、このAの部分にbusyを当てはめることにより、「忙し過ぎて〜できない」という意味にすることができるのです。
いかがでしょうか。
誰であれ、何かに心を奪われてしまい、他のことができなかったなどという経験を持つと思います。
しかし、この「かまける」という表現は消して良い意味で使われるわけではなく、どちらかと言えば悪い意味で使われることが多いため、使い方には注意が必要です。
また、誰かに対して「あの人は?にかまけて」などという使い方をする場合は誰のことを話しているのか、誰に対して話しているのか、などということを考慮し、失礼にならないようにすることも大切です。