慣用句「油を売る」とは?意味や言い換え!例文と解釈
皆さんの中には「あっ、また油売ってるな」と言われたことがある人がいるのではないかと思います。
この言葉は、今でも時々使われることがあり、決していい意味でないことは確かなのですが、今一つ、この言葉を理解されていない人もいるかもしれません。
そこで今回は、この「油を売る」について説明していくことにします。
目次
- 「油を売る」とは?
- 「油を売る」の語源や由来
- 「油を売る」の表現の使い方
- 「油を売る」を使った例文と意味を解釈
- 「油を売る」の類語や類義語・言い換え
「油を売る」とは?
「油を売る」とは、実際に油を売るのではなく「仕事中に怠ける」、「仕事をサボる」という意味があります。
仕事をしている最中に、他人の目を盗んでサボることですが、仕事をせずに人とおしゃべりばかりして、無駄な話時間を費やすことという意味でも解釈されています。
- 「油を売る」の読み方
「油を売る」の読み方
「油を売る」は「あぶらをうる」と読みますが、難しい読み方ではないので、ここで確認しておく程度でいいでしょう。
「油を売る」の語源や由来
「油を売る」の語源は、江戸時代まで遡りますが、この時代では油は、部屋の明かりとして行灯の燃料や女性の髪油としても必要なものでした。
この油を行商人が売っていたのですが、お客さんに油を売りに行く時に、油を貯めるマスの中が満タンになり、垂れまでの客と雑談していたことから、「油を売る」が「仕事中に怠ける」という意味になったとされています。
「油を売る」の表現の使い方
「油を売る」とは、「仕事の最中にサボる」ということを意味していますので、営業マンが仕事をせずに、カフェで時間を潰していたり、寝ていたりすることを差して使うことになります。
また、このようなシーンだけでなく、「本来的やるべきことをしなくて、他のことをしている」ようなケースでも使われることがあります。
「油を売る」を使った例文と意味を解釈
では、「油を売る」を使った例文を見ながら具体的な活用シーンをイメージしてみることにしましょう。
- 「油を売る」を使った例文1
- 「油を売る」を使った例文2
「油を売る」を使った例文1
「あいつは、いつも油を売ってばかりのようで、本当に営業しているのだろうか」
会社の中ではこんな人が何人かいることがありますが、「油を売る」の典型的な活用例です。
昔は外回りをしている営業だと、夏の暑い日に汗だくになって、取引先を訪ね回ることが馬鹿らしくて、エアコンの効いた涼しい喫茶店でサボっている光景がよくありました。
今ではインターネットやメールを使ったコミュニケーションが発達して、カフェの中でも仕事ができるようになったので、「油を売る」スタイルもかなり変わってきたのかもしれません。
「油を売る」を使った例文2
「嫁は、いつも買い物へ行ったら、どこかで油を売っているのか、帰宅するまでに何時間もかかっている」
奥さんの行動の中でも、「油を売る」が使われることがあります。
夕飯の材料を買うために外出したままで、何時間経っても帰ってこないのですから、どこで喋っているのやらと思います。
「油を売る」の類語や類義語・言い換え
「油を売る」を他の言葉で言い換えるとするなら、どのような言葉があるかを見ていくことにします。
- 「寄り道をする」【よりみちする】
- 「的外れなことをする」【まとはずれなことをする】
「寄り道をする」【よりみちする】
「寄り道をする」が「油を売る」の類義語として使うことができるでしょう。
「目的地へ行く途中で、全く関係のない所へ立ち寄ること」や、「回り道して立ち寄ること」という意味で使われます。
「的外れなことをする」【まとはずれなことをする】
これもまた、類義語として扱える言葉で、「本来やらなければならないことと、異なることをして無駄な時間を費やすこと」という解釈になります。
「油を売る」の意味や使い方を見てきましたが、このようなことは、日時生活でも仕事の場面でもよくあることです。
しかし、誰かが見ている可能性もあるので、日頃の行動には気を付けましょう。