「嚢中の錐」とは?意味や類語!例文や表現の使い方
「嚢中の錐」とは、「優れた人は、大勢の人の中にいてもその才能が自然に現れて目立つことのたとえ」を意味する故事成語です。
「嚢中の錐」の「意味・読み方・語源や由来・使い方・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「嚢中の錐」とは?
- 「嚢中の錐」の語源や由来
- 「嚢中の錐」の表現の使い方
- 「嚢中の錐」を使った例文と意味を解釈
- 「嚢中の錐」の類語や類義語・言い換え
「嚢中の錐」とは?
「嚢中の錐」という故事成語・諺(ことわざ)は、「優れた人は、大勢の人の中にいてもその才能が自然に外に現れて目立つことの喩え(たとえ)」を意味しています。
「嚢中の錐」というのは、「優秀な人物・才覚のある人物は、多くの人の中にあっても自然に目立つこと」を意味する格言なのです。
「嚢中(のうちゅう)」とは「袋の中」、「錐(きり)」とは「板などに小穴を開けるための尖った大工道具」を意味しています。
- 「嚢中の錐」の読み方
「嚢中の錐」の読み方
「嚢中の錐」の読み方は、「のうちゅうのきり」になります。
「嚢中の錐」の語源や由来
「嚢中の錐」の語源・由来は、中国の古典である「史記 平原君伝(しき へいげんくんでん)」に由来しています。
「史記 平原君伝」の漢文の原文には「夫賢士之処世也、譬若三錐之処二嚢中一、其末立見」とあり、「嚢中の錐」の語源は、その原文における「錐の嚢中に処るが若し(きりののうちゅうにおるがごとし)」になります。
すなわち、「袋の中の錐(きり)はその先が自然に袋の外に突き出る、袋を破って出てくる」というのが、「嚢中の錐」の語源なのです。
「嚢中の錐」の表現の使い方
「嚢中の錐」のことわざの表現の使い方は、「才能のある優れた人物が、衆人(大勢の人)の中にいてもすぐに才能を現して目立つ場合」に使うという使い方になります。
例えば、「どんなに悪友に妨害されようとも、嚢中の錐である彼がいずれ、サッカー選手として頭角を現してくるのは確実でした」といった文章で、「嚢中の錐」という故事成語を正しく使用することができます。
「嚢中の錐」を使った例文と意味を解釈
「嚢中の錐」を使った例文を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「嚢中の錐」を使った例文1
- 「嚢中の錐」を使った例文2
「嚢中の錐」を使った例文1
「嚢中の錐と評価された若手のエリートサラリーマンですが、本当に短期間で目覚ましい成績を上げました」
この「嚢中の錐」を使った例文は、「大勢の人の中にあっても自然にその能力が目立つ人物と評価された若手のエリートサラリーマンだが、本当に短期間で目覚ましい成績を上げた」ということを意味しています。
「嚢中の錐」を使った例文2
「嚢中の錐と呼ばれるほど才覚のある人は、どんな障害や困難があってもいずれはその実力を発揮することになります」
この「嚢中の錐」を使った例文は、「多くの人の中にいても自ずから優秀さが目立つ逸材と呼ばれるほど才覚のある人は、どんな障害や困難があってもいずれはその実力を発揮することになる」ということを意味しています。
「嚢中の錐」の類語や類義語・言い換え
「嚢中の錐」の類語・類義語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「出る杭」
- 「鶏群の一鶴」【けいぐんのいっかく】
「出る杭」
「嚢中の錐」の類語・言い換えとして、「出る杭(でるくい)」があります。
「出る杭」は「出る杭は打たれる」ということわざでよく知られている言葉ですが、「才能・実力があって人並み以上に目立つ人、頭角を現す人」を意味しています。
大勢の人の中でも目立つ優秀な人を意味する「嚢中の錐」とほとんど同じ意味を持つ類語(シソーラス)として、「出る杭」を上げることができます。
「鶏群の一鶴」【けいぐんのいっかく】
「嚢中の錐」の類義語・言い換えとして、「鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)」があります。
「鶏群の一鶴」ということわざは、鶏の群れに一羽だけ鶴が混じっていることから転じて、「大勢の普通の人の中に、一人だけ目立つ優秀な人が混じっている」ということを意味しています。
その意味合いから、多くの人の中に優れた人がいて目立つことを示す「嚢中の錐」の表現は、「鶏群の一鶴」ということわざの表現で言い換えることが可能なのです。
「嚢中の錐」という言葉について解説しましたが、「嚢中の錐」には「優れた人は、大勢の人の中にいてもその才能が自然に現れて目立つことのたとえ」などの意味があります。
「嚢中の錐」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「出る杭」「鶏群一鶴」などがあります。
「嚢中の錐」という言葉について調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。