「胸を貸す」とは?意味!例文や類語
この「胸を貸す」は、主にスポーツの世界で使われる言葉ですが、ビジネスでも使うことがあります。
目次
- 慣用句での「胸を貸す」とは?
- 「胸を貸す」の語源や由来
- 「胸を貸す」は実は間違い?
- 「胸を貸す」を使った例文と意味を解釈
慣用句での「胸を貸す」とは?
「胸を貸す」とは、その競技や分野において上位者に当たる存在が相手をすることです。
この相手をするとは、そのままの意味ではなく、練習の相手になることだと解釈してください。
「今度、あのチームに胸を貸すになった」と使うと、どう見ても自分たちの方が格上だと理解した上で、練習相手をすることになったと言っていると考えていいでしょう。
また、練習(もしくは、それに該当するような行為)だけでなく、本戦でも使うことがある表現です。
ただし、その時には「貸す側」からではなく、「借りる側」が謙遜して使うもので、「次の相手は強敵だが、胸を借りるつもりで頑張ろう」といった形になります。
「胸を貸す」の語源や由来
「胸を貸す」という言葉は、相撲のぶつかり稽古からきています。
相撲で番付が上の力士が下の力士のぶつかり稽古の練習相手になることを、俺の胸にぶつかってこいといった意味から、この「胸を貸す」と表現しています。
そこから一般でも似た解釈で使われるようになった言葉です。
「胸を貸す」は実は間違い?
「胸を貸す」は、実は正しい相撲用語ではないと言われています。
この形で一般に広まっているので、相撲の世界でもこのまま使われていると思ってしまいがちですが、本来は「胸を出す」という言葉で、そこからが発展してこの「胸を貸す」となりました。
相撲では、現在でも「今日は稽古で20番も胸を出した」のように使われており、「胸を貸す」という言葉より、こちらを好む力士も多いです(どちらも使われています)。
一般で使う場合には、その「胸を出す」では変な意味にも聞こえてしまう為、「胸を貸す」と使った方でいいでしょう。
「胸を貸す」を使った例文と意味を解釈
「胸を貸す」を使った例文と、その意味の解釈です。
「借りる」と使っているものも合わせて挙げていきます。
- 「胸を貸す」を使った例文1
- 「胸を貸す」を使った例文2
「胸を貸す」を使った例文1
「練習試合で、あの高校に胸を貸すことになった」
先に書いたように、自分たちの方が実力的に上だと考えているからこその使い方です。
この場合、そのまま練習相手になってやるという意味になります。
「胸を貸す」を使った例文2
「次のコンペでは、あの企業に胸を借りることになりそうだ」
その企業には恐らく敵わないものの、一緒にそのコンペに参加することになるだろうと言っています。
「借りる」とすると、このように勝てないと思っている相手と戦う(ことになってしまった)という使い方ができる言葉です。
「胸を貸す」は、自分たちの方が上位だと分かっていて使う言葉の為、使い方を誤ると、偉そうな表現になってしまうので注意が必要になります。
「借りる」とすると、相手を上位者だと立てる謙譲表現になるので、こちらの形もうまく使ってください。