「ご乱心」とは?意味!類語や言い換え
「ご乱心」は、日常ではまず見聞きしませんが、時代劇を見ているとよく耳にする言葉です。
目次
- 「ご乱心」とは?
- 「ご乱心」の表現の使い方
- 「ご乱心」を使った例文と意味を解釈
- 「ご乱心」の類語や言い換え
「ご乱心」とは?
この「ご乱心」(ごらんしん)は、「正気ではないと思われる状態」を指して使います。
時代劇でよく耳にするのは、殿様などの偉い人物が、その権力を使ってとんでもないことでも行った時に、正気でやっているのかという意味で用いられるからです。
また、本当に正気を失った状態に対して使う場合もあり、有名なのは「忠臣蔵」という時代劇中での使われ方です。
「ご乱心」の表現の使い方
上で挙げた忠臣蔵で「ご乱心」が使われたのは、浅野内匠頭が遺恨から、吉良上野介に殿中で短刀で切りかかったことに対し、その事情を分かっていた周りが何とか庇う為に、「ご乱心でしたことだ」と処理しようとした場面です。
もし本当に乱心であったのであれば、家名断絶とまではいかない処分で済むところでしたが、本人が遺恨からだとはっきりと言ってしまった為、その本人は即日切腹、浅野家は取り潰されることになってしまいました。
これが、日本の歴史でも有名な「赤穂事件」(後の吉良邸への討ち入り)に発展するきっかけでした。
「乱心」で、「正気ではない」という意味になり、「ご乱心」は、自分より目上の人や立場が上の上の人がその状態だと思われる時に用いる形です。
「ご乱心」を使った例文と意味を解釈
「ご乱心」を使った例文と、その意味の解釈です。
時代劇で使っているものと、一般的に使う際の例になります。
- 「ご乱心」を使った例文1
- 「ご乱心」を使った例文2
「ご乱心」を使った例文1
「この映画は、殿様がご乱心だという場面から始まるようだ」
時代劇ではそれほど珍しくない、殿様のような偉い人物がご乱心だというシーンですが、そこから始まるものはそうはありません。
上の忠臣蔵はフィクションではなく(演出的な付け足しは多々ありますが)、歴史上の出来事を時代劇にしたものですが、時代劇の中には完全にフィクションな内容のものも多い為、そのような映画なのかも知れません。
「ご乱心」を使った例文2
「今年もリストラを行うとは、うちの社長はご乱心だとしか思えない」
2年連続でリストラが行われることに対し、とても正気ではないと皮肉って使っている例になります。
一般的な使い方では、このような形が多いと言えるでしょう。
本当に正気を失っているという訳ではなく、そうとしか思えないといったことに対して用いる表現です。
「ご乱心」の類語や言い換え
「ご乱心」の言い換えになる言葉です。
一般的にはこれらの表現の方がよく使われます。
- 「狂気の沙汰」【きょうきのさた】
- 「常軌を逸している」【じょうきをいっしている】
「狂気の沙汰」【きょうきのさた】
「乱心」は、この「狂気」と表現することができます。
そのような状態や行動だという意味になるのが「狂気の沙汰」です。
この表現は、立場が上の人以外にも使うことができます。
「常軌を逸している」【じょうきをいっしている】
「常軌を逸する」とは、「正気ではなくなる」ことです。
よって、「ご乱心」は、このような状態そのものです。
こちらもまた、特に自分との立場の違いは考えずに使える表現です。
「ご乱心」は、あまり使うことはない言葉ですが、言い換え表現と合わせて意味は覚えておくといいでしょう。