「即物的」とは?意味や使い方!例文や解釈
「即物的」という言葉はどのような意味があり、使い方をするのかご存知でしょうか。
あまり聞き慣れない、意味を知らないという人もいるかもしれません。
ここでは言葉の意味、使い方、例文などを詳しく解説しています。
では一緒に「即物的」という言葉の理解を深めていきましょう。
目次
- 「即物的」とは?
- 「即物的」の表現の使い方
- 「即物的」の類語や類似表現や似た言葉
- 「即物的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「即物的」の反対語
- 「即物的」の英語と解釈
「即物的」とは?
「即物的」とは主観を交えずに、そのものの本質を見極めようとする態度のことです。
また、物質的なもの、例えばお金、利害などを重視することも「即物的」と言います。
「即物的」とは二つの意味合いがある言葉であると理解しておきましょう。
- 「即物的」の語源や由来
- 「即物的」の読み方
「即物的」の語源や由来
「即物的」とはザッハリッヒとも訳されます。
ザッハリッヒとは“sachlich”と書き、ドイツ語のことです。
また「即物的」とは三文字で一つの言葉です。
「即物」という言葉に「的」をくっつけているわけではないことを理解しておきましょう。
「即物的」の読み方
「即物的」と書いて「そくぶつてき」と読みます。
「即物的」の表現の使い方
「即物的」とは物事の考え方として主観を交えないで、そのものの本質を見極めること態度のことで、例えば「即物的描写」といった言葉もあります。
しかし別の意味がもう一つあり、物質的なこと(金銭、利害)を重視することも「即物的」と言います。
よく言われるのが「即物的な人」「即物的な考えで動いている」といった言い方です。
「お金のことしか考えていない奴」などとはっきり悪く言うのはどうかと思われる時に「即物的な人だから」とやんわりと表現するのにも役立ちます。
「即物的」の類語や類似表現や似た言葉
言葉の意味が理解できましたところで、の類語、似た言葉、言い換える言葉などもいくつか紹介します。
こちらの言葉も併せて覚えておくといいでしょう。
- 「写実的」【しゃじつてき】
- 「客観的」【きゃっかんてき】
- 「損得勘定で動く」【そんとくかんじょうでうごく】
「写実的」【しゃじつてき】
「写実的」とは事実をありのままに、文章を書いたり、絵を描こうとすること、リアリスティックとも言います。
「写実的な手法で素晴らしい」といったように使います。
「即物的」も主観を排除して物事を見極めようとすることを言いますので「写実的」と類語であると言えるでしょう。
「客観的」【きゃっかんてき】
「客観的」とは個人の勝手な思いつき、考えなどを離れて、普遍妥当性を持っているさまを言います。
「客観的に考えてみればこれはおかしなことだよ」「自分の言い分ばかり主張せず、客観的になったらどうなの」といったように会話においても「客観的」という言葉はよく使われます。
また「客観的」の反対語は「主観的」となりますのでこちらも併せて覚えておきますと役立ちます。
「損得勘定で動く」【そんとくかんじょうでうごく】
「即物的」とは物質的なことを重視するという意味もあります。
つまり「即物的な人」とは「損得勘定で動く人」という言い換えもできるのです。
「彼女は損得勘定で動くから、あてにはするまい」「損得勘定で動く人にとって、大事なのは人との繋がりじゃなくてお金の方だろう」などと使います。
いい意味で使われることはほとんどない言葉ですので使い方には気をつけましょう。
「即物的」を使った例文や短文など(意味を解釈)
それでは「即物的」を使った例文をいくつか紹介しましょう。
意味の解釈もつけていますので、使い方の参考にしてみてください。
- 「即物的」を使った例文1
- 「即物的」を使った例文2
「即物的」を使った例文1
「自分のお金を減らすのは絶対嫌なんだよ、彼女は本当に即物的な人だなあ」
「即物的」には物質的なことを重視するという意味もあります。
簡単に言えばお金や利害を優先させるということですから「即物的な人」というのはいい意味合いで使われる言葉ではありません。
自分の人柄、性格をこのような言葉で表されるのはいいこととは言えないでしょう。
「即物的」を使った例文2
「即物的描写の方が私は好みだね」
「即物的」とは自分の思い込み、考えといった「主観」を排除してそのものの本質を見極めようとするという意味があります。
つまり絵でも文章でも「主観」ではなく「客観」、誰が見てもそうであろうという考えで作られたものを「即物的」という言葉で言い表すのです。
「即物的」の反対語
「即物的」の反対語とはどのような言葉になるのでしょうか。
明確な反対語がない場合は意味合いから当てはまる言葉を探してみましょう。
- 「主観的」
- 「観念的」
「主観的」
「即物的」の類語に「客観的」という言葉があります。
「客観的」の反対語は「主観的」となりますので「即物的」の反対語としても当てはまります。
「主観的」とは自分の考え方、見方に基づく、とらわれているという意味です。
「主観的な判断は危険だよ」「まったく主観的だとは思いますが、私はそういう風にとらえています」などと使います。
「観念的」
「観念的」とは具体的な事実に基づくことがなく、自分の頭の中だけで考えることを言います。
「観念的な意見ですね、それは」「観念的に書いたものですから、現実とは違いますよ」などと使います。
「即物的」の英語と解釈
「即物的」という言葉は英語ではどのように言い表すのでしょうか。
英語では“practical and realistic”と言います。
例文は“Some people say that young people today tend to be practical and realistic”(今の若い人たちは即物的だと言う人がいる)となります。
いかがでしたでしょうか。
「即物的」という言葉の意味、使い方、例文などまとめてお伝えしました。
普段あまり聞き慣れない「即物的」という言葉ですが、主観を入れず、物事のあるがままを見極めようとする態度のことと、物質的なこと(お金、利害)を重視することという二つの意味合いがあります。
会話の前後の流れなどでどちらの意味合いか判断することができますし、それほど難しくはないでしょう。
それでは言葉の意味を正しく理解して使いこなしてください。