「一糸乱れぬ」とは?意味や使い方!例文や解釈
「一糸乱れぬ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
一体どの様な意味なのか詳しく紹介します。
目次
- 「一糸乱れぬ」とは?
- 「一糸乱れぬ」の表現の使い方
- 「一糸乱れぬ」の類語や類似表現や似た言葉
- 「一糸乱れぬ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「一糸乱れぬ」の反対語
- 「一糸乱れぬ」の英語と解釈
「一糸乱れぬ」とは?
「一糸乱れぬ」の概要を紹介します。
- 「一糸乱れぬ」の読み方
- 「一糸乱れぬ」の意味
- 「一糸乱れぬ」の語源や由来
- 「一糸乱れぬ」と「一糸まとわぬ」の違い
「一糸乱れぬ」の読み方
「一糸乱れぬ」は「いっしみだれぬ」と読みます。
「一糸」の読み方が難しいので覚えておきましょう。
また、パソコンの変換では「いっし」の読み方で「一糸」の他に「一矢・一紙」など数多く出てきますので間違わない様にしましょう。
「一糸乱れぬ」の意味
「一糸乱れぬ」の意味は「ほんのわずかな乱れもなく、ピッタリと揃っている様子のこと」です。
主に自主的に行動する性質のある生き物に対して使われる言葉で、数多くの個体が一斉に同じ動作をしていて、秩序正しく整然としている状態のことを言います。
数多くのものが一斉に動けば、少しでもずれたり間違ったりすることがあるものですが、全く乱れることなく統率された動きをしています。
本能的に同じ行動を取ることもあれば、その時の為に厳しい訓練を受けてきた賜物のこともあります。
「一糸乱れぬ」の語源や由来
「一糸乱れぬ」の語源は、言葉の意味に由来しています。
元は「糸一本の乱れもない」という意味で、「絹糸」のことを表しています。
絹糸は木綿糸よりも遥かに細く、「極めて細いもの」という意味で使われています。
ここから「絹糸=極めて細いもの=ほんのわずかなもの」という意味で使われる様になりました。
「乱れぬ」は「乱れる」という動詞の未然形「乱れ」に、打消の助動詞「ぬ」が付いたもので「乱れない」という意味になります。
「一糸乱れぬ」と「一糸まとわぬ」の違い
「一糸乱れぬ」とよく似た言葉に「一糸まとわぬ」があります。
この2つは全く意味が違うのでしっかりと覚えておきましょう。
「一糸乱れぬ」は「ほんの僅かな乱れもなく整然と揃っていること」という意味です。
大勢のものが一斉に行動する時に使われる表現です。
「一糸まとわぬ」は、「一本の糸もまとっていない=ほんのわずかなものも身に付けていない=全裸」という意味です。
言い間違えてしまうと状況によってはとんだ赤恥をかくことになりますので十分注意しましょう。
「一糸乱れぬ」の表現の使い方
「一糸乱れぬ」の使い方についてポイントを紹介します。
- 大勢で行動していること
- 客観的に見ていること
- 「一糸乱れず」と「一糸乱れぬ」
- 「一糸乱れぬ」が使われる主なシーン
大勢で行動していること
「一糸乱れぬ」は、大勢で行動している状態を荒らします。
たった数人ならば動きを揃えるのはさほど困難なものではないので、「一糸乱れぬ」は使われません。
客観的に見ていること
「一糸乱れぬ」は、その状態を見ている人が使います。
自分達が集団の中に入っている時には全体が見えない為に「一糸乱れぬ」は使えません。
「一糸乱れず」と「一糸乱れぬ」
「一糸乱れず」と言うこともありますが、意味は同じです。
使い方については、「一糸乱れず」の後には基本的に「行動した」などの動詞が続きます。
「一糸乱れぬ」の後には基本的に「行動」などの名詞が続きます。
自分が何を人に伝えたいのかを考えて使分けをしましょう。
「一糸乱れぬ」が使われる主なシーン
「一糸乱れぬ」が使われる主なシーンは以下の通りです。
「シンクロナイズドスイミング」は、「シンクロ(同時化)」という言葉が付く競技で、正に「一糸乱れぬ演技」が評価されます。
「軍隊の行進」は、厳しい規律により統率された兵士たちの「一糸乱れぬ行進」が、国を守ろうという強い意志の象徴になっています。
「一糸乱れぬ」の類語や類似表現や似た言葉
「一糸乱れぬ」の類語を紹介します。
- 完全調和
- 一体化
- シンクロ
完全調和
「完璧に全体がつりあい、違和感や不自然な部分がなくまとまっていること」という意味です。
こちらの場合は芸術作品や建築物などの全体的なイメージに対する「融合性」を表す言葉です。
一体化
「あるものが他のものと同じ性質に変化したり、同じ状態になること」という意味です。
違うものが集まってまるで元々1つだった様に見えることを表します。
シンクロ
英語の“synchronize”から来た日本語で、使い方の章で紹介した「シンクロナイズドスイミング」の元になります。
意味は「同期する」「同時に起こる」で、「シンクロする」として使われています。
元々はスマホやパソコンなど異なるもの同士を同じ状態にするという意味ですが、現在では単に同時に動くことに対して「同期する」と言います。
「一糸乱れぬ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「一糸乱れぬ」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「一糸乱れぬ」を使った例文1
- 「一糸乱れぬ」を使った例文2
「一糸乱れぬ」を使った例文1
「ダンス部が一糸乱れぬダンスで全国大会に出場した」
文化祭に向けてダンス部が厳しい練習を繰り返し、全員がピッタリと同じ動きが出来る様になりました。
最近ではダンスの大会に出場して注目される高校のダンス部も多く、息の合ったダンスで全国大会に出場する程の出来栄えを誇っています。
「一糸乱れぬ」を使った例文2
「一糸乱れぬ軍事行進に少し寒気がした」
これは日本のことではないでしょう。
他国の軍事演習の光景がメディアで放映されると、あまりにも大勢の兵士たちがまるでロボットの様に無表情でピッタリと同じ行進をするので、驚くと同時に恐怖を感じることがあります。
日本ではそれほどまでに大々的に軍事演習やパレードを行うことがないので、不思議な光景に見えるのです。
「一糸乱れぬ」の反対語
「一糸乱れぬ」の反対語を紹介します。
- 「バラバラ」【ばらばら】
- 「混沌」【こんとん】
「バラバラ」【ばらばら】
「多くの人やモノが乱れて散らばる様子」です。
バラバラは細かいものが散らばる時の音を言葉に表した擬音語です。
「混沌」【こんとん】
意味は「全てが混ざっていて区別がつかない状態」です。
元々は聖書の「天地創造」のシーンで、天地の区別がなくドロドロとしていた状態を表す言葉です。
「一糸乱れぬ」の英語と解釈
“The were marching in perfect order.”
「彼らは一糸乱れぬ行進をした」です。
“in perfect order”で「完全な順番=一糸乱れぬ」という意味になります。
「一糸乱れぬ」は「ほんのわずかな乱れもなく、ピッタリと揃っている様子のこと」という意味です。
何度も練習をして感動する程息がピッタリと合った演技を見た時に使ってみましょう。