「フルコースコーション」とは?意味や例文
F1やインディに代表されるモータースポーツには、その中だけで使われる専門用語がいくつもあります。
この「フルコースコーション」も、その中の1つです。

目次
- 「フルコースコーション」とは?
- 「セーフティーカー」とは?
- 「フルコースコーション」を使った例文と意味を解釈
- 「フルコースコーション」がないレースもある?
「フルコースコーション」とは?

「フルコースコーション」とは、レース中に重大な事故が発生した時に、一時的にセーフティーカーと呼ばれる先導車がコース上に入り、各車ともその車に後を一列で(セーフティーカーが入る直前と順位は変えずに)付いて周回している間のことです。
主にクラッシュ(他の車や壁などに衝突、もしくは横転などの大きなアクシデント)によって、その破片がコース上に散らばった状態になってしまっている間や、オイルやガソリンが同じくコース上に漏れてしまった時などに、それらを片付けて安全にレースが再開できるまでの間だと考えてください。
セーフティーカーが入っている間は、原則的に追い抜きができません。
それをやってしまうとペナルティとなってしまい、最後尾にされてしまいます(または、レースの走破タイムにペナルティ分の秒数が加算されるなどの罰則があります)。
そのような一時的なレースの中断だと捉えてください。
「セーフティーカー」とは?

セーフティーカーとは、レースカーとは全く別の市販車がベース(見た目はほぼ市販車です)の車で、フルコースコーションの間は、パトカーのように上部に取り付けられた非常灯を点灯させています。
最高でも時速100キロ程度で速度で走行し、各車とも前の車同様、それを追い抜くことはできません。
コース上の安全が確認されると、その次のタイミングでピットロードに消えていき、それと共にレースが再開されます。
尚、このセーフティーカーが先導して周回している間も周回数に数える為、全部で60周のレースの27周目に事故が発生した為にフルコースコーションがあり、セーフティーカーによる先導が3周あった時には、それもレースに含めて31周目からの再スタートとなります。
「フルコースコーション」を使った例文と意味を解釈

フルコースコーションを使った例文と、その意味の解釈です。
意味が分かってしまえば、レース中の事故による中断のことだとすぐに分かるでしょう。
- 「フルコースコーション」を使った例文1
「フルコースコーション」を使った例文1
「あのレースは、フルコースコーションが4回もあった荒れたレース内容だったと聞いている」
フルコースコーションは、セーフティーカーによる先導が何周あっても、それで1回とカウントします。
4回もあったということは、それぞれ4回別にセーフティーカーが入ったということです。
それだけあったのなら、確かに荒れたレースだと言っていいでしょう。
「フルコースコーション」がないレースもある?

フルコースコーションは、冒頭で挙げたF1やインディのような、コースを周回して競うレースでのみ使う言葉です。
例えば、日本のトヨタも数年前から参戦して話題になっているWRC(世界ラリー選手権)は、1本のコースを順番に走り切り、走破タイムで競うタイプのレースなので、フルコースコーションと呼ばれる状況になることはありません。
その手のレースでクラッシュがあった時には、コースの処理の為に次の車がスタートする時間を遅らせるなどの対応になります。
モータースポーツを観戦するなら、この「フルコースコーション」は是非覚えておきましょう。
F1やインディ以外にも、GTレースなどのコースを周回するタイプのレース全般で使われる言葉です。