「張本人」とは?意味や類語!表現の使い方
よく使う言葉ながら、何故そのような意味なのか(そう使われるのか)までは知らない言葉というものもあるものです。
この「張本人」も、その中の1つでしょう。
目次
- 「張本人」とは?
- 「張本人」の語源や由来
- 「張本人」を使った例文と意味を解釈
- 「張本人」の類語や言い換え
「張本人」とは?
張本人とは、その物事のきっかけとなった人を指して使う言葉です。
例えば、仕事で何かトラブルが起きて、それが人為的(誰かのミス)によるものだと分かった時に、「誰がこのトラブルの張本人だ?」のように使います。
この場合には、「主犯」といった意味合いが強いです。
また、仲間うちで、Aだ、いやBだと言い合いになったようなケースで、最初にAだと言い出した人が途中からBに考えが変わってしまうと、「お前がAと言い出した張本人だろ」などと責められることになるでしょう。
こちらでは、「言い出しっぺ」というニュアンスだと捉えてください。
どちらも物事のきっかけを作ったということには変わらず、このような使い方になる言葉です。
「張本人」の語源や由来
張本人がこのような意味で使われる言葉なのは、「張」(ちょう)は「張る」(はる)と使う言葉で、「弓を張る」行為からです。
弓は弦を張ることで、初めて使うことができます。
そこから、物事(この語源では弓の使用)の最初のきっかけを作った本人として、「張本人」と使うようになりました。
尚、在日と呼ばれる人たちの中には、「張」という苗字の人が少なくありません。
そのような人の前でこの「張本人」と使うと、日本語がきちんと理解できる人であっても(そこまでは知らずに)、自分のことが指されているのかと思われるかも知れないので注意してください。
日本人でもこの由来までは知らない人も多いと思われる言葉なだけに、帰化した人であれば、尚更難しい言葉なのは間違いありません。
「張本人」を使った例文と意味を解釈
張本人を使った例文と意味の解釈です。
意味が意味だけに、悪い意味で使うことが多い言葉ですが、そうでもない意味で使っている例文も挙げていきます。
- 「張本人」を使った例文1
- 「張本人」を使った例文2
「張本人」を使った例文1
「彼が今回の騒動の張本人だったようだ」
彼がその騒動を引き起こすきっかけとなった人間だったと言っています。
このような使い方がほとんどになる言葉なので、どうしても悪いイメージが付いてしまっている言葉です。
「張本人」を使った例文2
「何故そんなに詳しいかと言えば、これを考えた張本人は自分だからだ」
自分がその事柄の考案者だという意味で使っている例になります。
張本人はこのようにも使える言葉で、こういったケースでは特に悪いニュアンスは含みません。
「張本人」の類語や言い換え
張本人と似た意味の言葉や、言い換えに使用できる表現です。
これらも日頃から普通に使われています。
- 「当事者」【とうじしゃ】
- 「元凶」【げんきょう】
「当事者」【とうじしゃ】
「張本人」と同じく、その物事に大きく絡んでいる(場合によっては原因となった)人のことですが、「張本人」そのもののことではなく、その中の1人、その物事における重要人物という意味合いで使う言葉です。
「張本人」もこの「当事者」の中に含まれ、「彼も当事者の1人だったようだ」といったような使い方になります。
「元凶」【げんきょう】
「張本人」を悪事のきっかけとなった人という意味で使う場合に、その言い換え表現になります。
「この件は元凶は○○だ」のように使い、複数の人や団体にも使える言葉です。
この表現にはいい意味は全く含まれないので、こう表現されるだけで程度の違いはあっても、何かしらの意味で悪者だと意味になると考えてください。
「張本人」は、悪い意味で使われるだけの言葉ではありません。
紹介した言葉の由来も合わせて、正しい意味と使い方を覚えておきましょう。