「気持ちを汲む」とは?意味!表現の使い方
会社や学校などで集団行動をしていると「気持ちを汲む」という言葉を耳にすることがあります。
一体どの様な意味なのか、解釈や使い方を紹介します。
目次
- 「気持ちを汲む」とは?意味
- 「気持ちを汲む」の表現の使い方
- 「気持ちを汲む」を分解して解釈
- 「気持ちを汲む」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「気持ちを汲む」の類語や関連語
- 「気持ちを汲む」の英語と解釈
「気持ちを汲む」とは?意味
「気持ちを汲む」の意味は「相手の立場になって考えたり共感すること」という意味です。
気持ちは目に見えませんので、自分から相手のことを理解しようとしなければなりません。
人は自分の気持ちを相手に伝える時にはまず言語を使いますが、それだけでは不十分なことがあります。
人にこんなことを言うのは恥ずかしいとためらったり、プライドが高い人は自分の弱みを他人に見せたくないと思う為に、言いたいことを中々言えないことが多いのです。
その様な時に言葉以外の相手の表情や仕草などから気持ちを察したり、相手に共感して同じ立場になって考えたり、相手に思いやりを持つことを「気持ちを汲む」と言うのです。
目に見えないものですからあくまで自分の想像に過ぎず、相手も気づかないかも知れませんが、人間として大切なことなのです。
「気持ちを汲む」の表現の使い方
「気持ちを汲む」が使われるシーンを幾つか紹介します。
- 相手の希望により自分の意志とは違う行動を取る時
- 期待されている行動を取る時
- 自分が妥協する時
相手の希望により自分の意志とは違う行動を取る時
自分が相手の為に良かれと思っていることでも、相手が違うことを望んだ時に敢えてその通りにしてあげる時に使います。
例えば、親友が病気や出産などで入院した時にはすぐにでもお見舞いに駆け付けてあげたいものですが、親友が普段から身だしなみをきちんとしている女性で「メイクもしないパジャマ姿を見られたくないので来ないで欲しい」と思うことがあります。
その様な時には自分の気持ちを抑えて退院するまで待つ様にするのが「気持ちを汲む」ということです。
期待されている行動を取る時
人には遠慮という気持ちがあるので、こうして欲しいと思っていても中々本音を口に出せないものです。
「大丈夫」「平気」と言っておきながら実は内心SOSを出していることもあるのです。
その様な時に周囲の状況や相手の表情などから察して、相手が「こうしてくれると助かるんだけどなあ」と自分に期待されている行動を取る時に「気持ちを汲む」と使います。
自分が妥協する時
相手の行為が迷惑だと思っていても、それが自分のことを思って良かれと思ってしてくれていることが分かっていると中々断れません。
過去に相手が同じ様な苦労をしたので自分には同じ思いをして欲しくないと思っていたり、以前相手が困っている時に自分が助けてあげて、その恩返しだと思って一生懸命やってくれているのが分っている時には、敢えて何も言わずに相手の好きな様にさせてあげることもあります。
多少の妥協をしても相手の意志を尊重する時に「気持ちを汲む」と言うのです。
「気持ちを汲む」を分解して解釈
「気持ちを汲む」をより理解する為に分解して解釈します。
- 「気持ち」【きもち】
- 「汲む」【くむ】
「気持ち」【きもち】
「気持ち」には実に多くの意味がありますが、「気持ちを汲む」の「気持ち」は「その時の相手の内面にあるもの」になるので、以下の全てが該当します。
1つ目は「ものごとに対して心にわく感情や考え」という意味で、一般的な「気持ち」はこちらの意味です。
2つ目は「ものごとに接した時の心の状態、気分のよしあし」という意味で、「気持ち良い・悪い」の感情です。
3つ目は「もののごとに対する自分の心構え」という意味で、「気持ちを引き締める」などに使われます。
4つ目は「身体症状からくる快・不快の状態」という意味で、「二日酔いで気持が悪い」などに使われます。
5つ目は「相手への感謝の気持ちを謙遜して使う時」という意味で、「気持ちですが」などに使われます。
6つ目は「ほんのわずか」という意味で「気持ち少なめにして下さい」などに使われます。
その時に相手がどの様な状態なのかにより上記のどの意味が当てはまるのかが変わってきます。
「汲む」【くむ】
意味は「器などで液体をすくい取る」の他に「人の心を推し量る」「立場や事情を理解する」という意味があり、「気持ちを汲む」の場合は後の2つが当てはまります。
「気持ちを汲む」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「気持ちを汲む」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「気持ちを汲む」を使った例文1
- 「気持ちを汲む」を使った例文2
「気持ちを汲む」を使った例文1
「本人の気持ちを汲んでごく親しい友人のみで送別会を行った」
この人は、会社を退職するのか転勤するのかなどの事情があるのですが、「辞めたくない」「行きたくない」という気持ちが強いものと思われます。
会社をあげて送別会をすると「追い出される」「自分は必要ない存在では」と思い込んでしまうことから、少人数のうちわのみで送別会を開いたことを表しています。
「気持ちを汲む」を使った例文2
「上司の気持ちを汲むと残業してでも仕上げたいところだ」
この上司はいい人で、普段から部下に対して残業を強いる様なことはしないのでしょう。
しかし仕事が忙しくて期日が迫っているので、口には出しませんが残業をして欲しいと思っている筈です。
部下が上司の立場を察してやる気を出していることが分ります。
「気持ちを汲む」の類語や関連語
「気持ちを汲む」の類語を紹介します。
- 「胸中を察する」【きょうちゅうをさっする】
- 「相手を慮る」【あいてをおもんぱかる】
- 「忖度」【そんたく】
「胸中を察する」【きょうちゅうをさっする】
「相手の心に思っていることに気付き理解すること」という意味です。
相手が悩んでいたり辛いと思っている気持ちに気付く時に使います。
「相手を慮る」【あいてをおもんぱかる】
意味は「相手の状況などをよく考えること」です。
「忖度」【そんたく】
意味は「相手の心を推し量って配慮すること」です。
2017年の流行語大賞に選ばれています。
「気持ちを汲む」の英語と解釈
“Considering his feeling, we should not better do that.”
「彼の気持ちを汲むとそうしない方がいいだろう」になります。
“consider”は「熟慮する」という意味があり、状況や立場などをよく考える時に使われます。
「気持ちを汲む」は「相手の立場になって考えたり共感すること」という意味です。
気持ちを汲んだ上でどの様な行動をしたのかが重要になります。
自分が相手のことをよく考えて行動する時に使ってみましょう。