「忖度」とは?意味や使い方!例文や解釈
テレビやネットニュースで「忖度」という言葉を聞くことがあります。
どの様な意味で使われているもので、何故こんなに流行っているのか詳しく紹介します。
目次
- 「忖度」とは?
- 「忖度」の表現の使い方
- 「忖度」を使った言葉と意味を解釈
- 「忖度」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「忖度」の反対語
- 「忖度」の類語や類義語・言い換え
- 「忖度」の英語と解釈
「忖度」とは?
「忖度」の概要について紹介します。
- 「忖度」の読み方
- 「忖度」の意味
- 「忖度」の語源や由来
- 「忖度」が流行した理由
「忖度」の読み方
「忖度」は「そんたく」と読みます。
非常に難しい読み方なのですが、流行語にもなった言葉ですので読める様にしておきましょう。
「忖度」の意味
「忖度」の意味は「他人の気持ちを推し量ること」です。
「相手が何を求めているのか」「自分がどうしたら相手が満足するのか」など、人が意図するものを察して行動することを言います。
基本的に相手は何も言わないのですが、自分が相手になったつもりで色々と気を回してものごとを進めていく時の表現です。
これは日本独特の文化で、人間関係が「遠慮」と「気配り」でスムーズにいくことからよく使われています。
思ったことをすぐにズケズケと言わない、何も言わない相手に対して配慮をする、この2つの精神がかみ合っている状態なのです。
しかし現在では、政治家の汚職問題に関わる発言で「忖度」が使われたことから、「立場が強い相手の都合のいい様に便宜を図る」という悪い意味で使われる様になっています。
「忖度」の語源や由来
「忖度」の語源は、中国の歴史的書物である「詩経」の一文である「他人有心、予忖度之(他人に心あり、われ之を忖度す」から引用されています。
意味は本来の「他人の気持ちを推し量る」ということです。
その後日本に「忖度」が伝わり、平安時代の漢詩に「忖度」という言葉が使われています。
「忖度」が流行した理由
「忖度」という言葉が流行語になったのは、2017年の「森友学園問題」です。
学校法人「森友学園」に、国有地が格安で売却された問題に関して、籠池理事長が記者会見で「口利きではなく、忖度をしたということ」と発言をしたことで注目されました。
その言葉から「自分よりも立場が上の人に対して、相手の気持ちを汲んで配慮し本来は良くないとされる対応をすること=指示をされなくても個人の判断により上司の望む様に対処すること」という意味に解釈される様になったのです。
続いて「加計学園問題」でも官僚の忖度により安倍総理の夫人が関与していた事実を隠す為に決算文書が改ざんされたのでは、ということが注目されました。
これらの問題により「忖度」という言葉が流行り、2017年の流行語大賞にノミネートされました。
「忖度」の表現の使い方
「忖度」の使い方は、本来は周囲の人の気持ちを察して思いやるという意味です。
しかし現在では上記で紹介した様に「立場が上の人の望む様に便宜を図ること」という意味で使われます。
ビジネスで「忖度」と言うと、不正をした様に思われますので、なるべく使わない方が良いでしょう。
ビジネスに関係のないプライベートで使った方が無難です。
「忖度」を使った言葉と意味を解釈
「忖度」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「気持ちを忖度する」【きもちをそんたくする】
- 「意向を忖度する」【いこうをそんたくする】
- 「忖度まんじゅう」【そんたくまんじゅう】
「気持ちを忖度する」【きもちをそんたくする】
「相手の心情を推し量って対応をする」という意味です。
現在相手がどの様な状況でどの様な心理状態なのかを考えて接することを言います。
「意向を忖度する」【いこうをそんたくする】
「相手がどうしたいのかを察してそれに見合う様にする」という意味です。
相手が口には出さないけれども実はこうしたい、という希望を推測して行動することを言います。
「忖度まんじゅう」【そんたくまんじゅう】
「忖度」という言葉が流行したのをビジネスチャンスとして、関西地方で発売されたお菓子の名称です。
関西土産として大ヒットした商品です。
「忖度」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「忖度」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「忖度」を使った例文1
- 「忖度」を使った例文2
「忖度」を使った例文1
「両親の気持ちを忖度して公務員になろうと思った」
両親が子供に対して安定した仕事の公務員になって欲しいと願っている様に思えました。
特に何か言われた訳ではないのですが、普段の言葉から察して公務員を目指すことにしたことを表します。
「忖度」を使った例文2
「社長の意向を忖度して仕入れ業者を決めた」
社長と知り合いで付き合いの古い人が経営している仕入れ業者があり、社長も「いい会社だ」と言っていたので、その気持ちを汲んで新規の仕入れを業者に決めたことを表しています。
「忖度」の反対語
「忖度」には特に反対語はありませんが、似た意味の言葉を紹介します。
- 「利己的」【りこてき】
- 「マイペース」【まいぺーす】
「利己的」【りこてき】
「常に自分の利益だけを考えて行動する性質」という意味です。
他人の気持ちを考えないという点で「忖度」の対義語になります。
「マイペース」【まいぺーす】
「他人に左右されず、自分のやり方や考え方を変えない性質」のことを言います。
他人のことを全く気にしないという点で「忖度」の対義語になります。
「忖度」の類語や類義語・言い換え
「忖度」の類語を紹介します。
- 「推察」【すいさつ】
- 「推考」【すいこう】
- 「斟酌」【しんしゃく】
「推察」【すいさつ】
「他人の事情や心情を考えること」という意味です。
人が現在どの様な状況なのかを考えながらものごとを進めていく時に使われます。
「推考」【すいこう】
「ものごとの背景や道理などを考えて判断すること」という意味です。
よく考えて結論を出す時に使われます。
「斟酌」【しんしゃく】
「相手の気持ちや事情を察して考慮すること」という意味です。
難しい言葉ですが「忖度」の言い換えとして使われます。
「忖度」の英語と解釈
“You should read between the lines.”
「行間を読んだ方がいい=忖度するべきだ」に近い表現です。
海外には「忖度」という英語表現はありません。
欧米では自己主張をしないとドンドン自分が不利になるという考え方があり、お互い何も言わずに心中を察するという習慣が理解できないからです。
何かして欲しいことがあったら自分からお願いするのが基本ですので、「理解できない」と思われるでしょう。
“read between the lines”は「空気を読む」に近く、日常会話で非常に良く使われるので覚えておきましょう。
「忖度」の意味は「他人の気持ちを推し量ること」です。
ビジネスではあまり良くない意味で使われることが多いので、注意しましょう。