「茫洋」とは?意味や使い方!例文や解釈
「茫洋」という言葉を聞いてすぐに意味が分かる人は少ないのではないでしょうか。
正しい意味と使い方などを知っておき、いつ聞いても意味を理解できる様にしておきましょう。
目次
- 「茫洋」とは?
- 「茫洋」の表現の使い方
- 「茫洋」の類語や類似表現や似た言葉
- 「茫洋」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「茫洋」の反対語
- 「茫洋」の英語と解釈
「茫洋」とは?
「茫洋」の意味や語源などについて紹介します。
- 「茫洋」の読み方
- 「果てしなく広がっている様子」の意味
- 「ぼんやりと広がっていて見当がつかない様子」の意味
- 「茫洋」の語源や由来
- 「茫洋」と「芒洋」の違い
「茫洋」の読み方
「茫洋」は「ぼうよう」と読みます。
読み方も書き方も難しいので、何度も見たり書いたりして覚えましょう。
「果てしなく広がっている様子」の意味
目の前の風景が果てしなく広がっていて、終わりの地点が見えないことを言います。
実際に海や山並みなど、実際に自分がその場所に立って広大な景色を見ている時に使われます。
「ぼんやりと広がっていて見当がつかない様子」の意味
なんとなく奥が深い、或いは広い含みがある様に見えて、中身がどうなっているのか分からないことを言います。
こちらは目に見えるものではなく、その時の状況や人の内面に対して使われます。
人やものごとが広すぎて要所が掴めずに計り知ることができない時を表す言葉です。
「茫洋」の語源や由来
「茫洋」の語源は漢字の意味に表れています。
「茫」は「広々としている様子」「ぼんやりとしている様子」という2つの意味があり、「茫漠」「茫然」などに使われています。
「洋」は「広い海」「西洋のこと」「大きく広がる様子」などの意味があり、「茫洋」の場合は3つ目の意味になります。
つまり「茫洋」はどちらも「大きく広がる様子」を表す言葉が組み合わさり、意味を強調しているのです。
「茫洋」と「芒洋」の違い
「茫洋」と「芒洋」はどちらもよく似ていて読み方も同じ「ぼうよう」です。
実はこの2つは同じ意味の言葉です。
「芒」は「すすき(イネ科のすすき)」と読みます。
意味はその他にも「草木の穂先の尖った部分」「細くとがった先端」「大きく広がること」という意味があるのです。
どちらを使っても間違いではありません。
「茫洋」の表現の使い方
「茫洋」の使い方のポイントを紹介します。
- 「茫洋たる」として使う
- 日常会話では「茫洋とした」として使う
- 人に対して使う時には注意すること
「茫洋たる」として使う
「茫洋」は「茫洋たる」として使われることが多くなります。
しかし非常に古めかしい表現で、日常会話ではなく文学の中で見られます。
文章で風景などを表現する時に「茫洋とした〇〇」とすることもできますが、「茫洋たる〇〇」とした方が風格を感じる表現になるのです。
日常会話では「茫洋とした」として使う
日常会話で使う時には「茫洋とした」として使った方が馴染み易くなります。
「茫洋とした人」は、「心の広い人」と「ぼんやりとしていて掴み所がない人」という2つの意味で使われます。
身体が大きい人は大らかで許容力があることから「心が広い人」という意味で「茫洋とした人」と言われます。
ところが同じ「茫洋とした人」でも前後の言葉に「イマイチなんだよね」などネガティブな言葉が付いた場合には「ぼんやりとしていて掴み所がない人」という意味になるのです。
2つの意味を含んでいるので、前後の意味合いを理解する様にしましょう。
人に対して使う時には注意すること
上記の様に「茫洋」は広大な景色を言い表す時には良い意味なのですが、人に対して使う時にはポジティブな意味とネガティブな意味があるので注意が必要です。
自分ではほめているつもりでも、本人が聞いて悪口を言われていると誤解されることもあるので、前後の表現でしっかりと意味が伝わる様にしましょう。
「茫洋」の類語や類似表現や似た言葉
「茫洋」の類語を紹介します。
- 「広大」【こうだい】
- 「限りない」【かぎりない】
- 「果てしない」【はてしない】
「広大」【こうだい】
「大きく広がる様子」のことで、実際に目に見える風景に対して使われます。
「広大」は「茫洋の言い換えとして使われる言葉で、若い人に使う時にはこちらの言葉に言い替えた方が意味は通じ易くなります。
「限りない」【かぎりない】
「果てしなくきりがない」という意味です。
最も簡単に「茫洋」を表している言葉で、誰にでも通じるでしょう。
「果てしない」【はてしない】
「終わりなくどこまでも続いている様子」という意味です。
こちらは目に見える景色の他に、現在置かれている状況や心理などにも使えます。
「茫洋」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「茫洋」を使った例文を紹介します。
- 「茫洋」を使った例文1
- 「茫洋」を使った例文2
「茫洋」を使った例文1
「山頂から茫洋とした海を眺めていた」
山の上から当たり一面の海を見渡せる絶景スポットに行った時の表現です。
遠くに水平線が見える程広大な海が見渡せることが伝わります。
「茫洋」を使った例文2
「彼は茫洋とした表情で話を聞いていた」
会議や商談の席で、ぼんやりと掴みどころのない表情で話を聞いている人がいました。
内容を理解しているのかいないのか、賛成なのか反対なのか計り知れず、その後の対応に困る様子が伝わります。
「茫洋」の反対語
「茫洋」の反対語を紹介します。
- 「狭小」【きょうしょう】
- 「際立つ」きわだつ
「狭小」【きょうしょう】
「狭くて小さいこと」という意味です。
目に見える風景が狭くて見ごたえがない時などに使われます。
「際立つ」きわだつ
「周囲のものや人と比べて特徴がはっきりと目立つこと」です。
人に対して使われる時にはほめ言葉になります。
「茫洋」の英語と解釈
「茫洋」の意味別に英訳を紹介します。
- “I was looking at a vast ocean.”
- “I don't have any idea for such a vague question.”
“I was looking at a vast ocean.”
「茫洋とした海を見つめていた」になります。
「vast」は「広大な=茫洋」という意味になります。
“I don't have any idea for such a vague question.”
「その様な茫洋とした質問には答えようがない」という意味です。
“vauge”は「あいまいな、つかみどころがない」という意味で、常にはっきりとした態度が好まれる海外では“vague question”としてよく使われます。
「茫洋」は「果てしなく広がっている様子」「ぼんやりと広がっていて見当がつかない様子」の2つの意味があります。
人に対して使う時にも「懐が広い人」「ぼんやりとしている人」という2つの意味があるので、注意しましょう。