「様式美」とは?意味や類語!使った言葉や例文!meaning
芸術の話をしていて「様式美」という言葉を聞くことがあります。
どの様な意味なのか、今更誰にも訊けないという人は以下を参考にして下さい。
目次
- 「様式美」とは?意味
- 「様式美」を使った言葉やサービスと意味を解釈
- 「様式美」の表現の使い方
- 「様式美」を使った短文など(意味を解釈)
- 「様式美」の類語や関連語
- 「様式美」の英語と解釈
「様式美」とは?意味
「様式美」の意味と「形式美」「機能美」との違いについて紹介します。
- 読み方
- 「様式美」の意味:「芸術作品の表現方法」
- 「様式美」の意味:「お約束」「決まり事」
- 「様式美」と「形式美」の違い
- 「様式美」と「機能美」の違い
読み方
「様式美」は「ようしきび」と読みます。
「洋式美」ではありませんので書き間違いに注意しましょう。
「様式美」の意味:「芸術作品の表現方法」
「様式美」とは、芸術作品や建築物など、時代の流れにより様々なデザインが派生してきたものに関して「一定の流れを守ることでその美しさを際立たせる表現方法」のことです。
芸術作品には、その時の時代や民族の習慣などが反映された特徴があります。
その時のしきたりや流行、多くの人が慣習として行っていることに従って形成されたもの美しさを総じて「様式美」というのです。
つまり、時代や民族が違えばそれぞれの「様式美」があり、人はそれぞれの「様式美」を愛で大切にしているのです。
「様式美」の意味:「お約束」「決まり事」
若い人達の中で使われる「様式美」はこちらの意味が多くなります。
「このジャンルにはこの格好」「このツッコミにはこのボケ」「このアプローチにはこの返し」など、それぞれの「お約束」を守ることを「様式美」と言うのです。
どんなに自分の方がセンスは上でも変えられない鉄板のお約束があり、周囲の人は100%それを期待しています。
そうすることで潔さと達成感、そして連帯感が生まれて「様式美」を完成させます。
特に音楽でヘヴィ―メタルと言われるジャンルには「様式美」が存在していて、長髪に黒のレザーファッション、ブーツがお決まりで、真夏でもそのファッションを貫きます。
更に音楽性としては泣きのメロディーのギターソロ、キーボードとの絡み、そして歌詞の内容が中世のヨーロッパや宗教をイメージさせるものであることも「お約束」なのです。
この「お約束」を守ることで、多くの人達が「よくやってくれた」と感動することが「様式美」なのです。
「様式美」と「形式美」の違い
「様式美」とよく似た言葉に「形式美」があります。
「様式美」は「芸術で流れを大切にして創作されたものの美しさを表すこと」です。
作品を創るにあたり、周囲の環境や状況なども重要になります。
「形式美」は「芸術で作品全体の統一感や調和の美しさを表すこと」です。
作品を創る時にデザインや形など目に見える部分を大切に仕上げます。
2つの違いは「流れを大切にするか、出来上がったものの外観を大切にするか」という点です。
「様式美」と「機能美」の違い
最近では「機能美」という言葉も使われる様になっています。
「機能美」は、「機能性を優先させたデザインの中に美しさを認めること」という意味です。
例えば美しい装飾がされている洋服やアクセサリーは、見た目が美しくてもいざ身に付けると重たかったり動きにくかったりするものです。
装飾を省いてシンプルな造りにしてその中に少しだけ工夫を凝らしたデザインを盛り込み、本質的な美しさを際立たせるのが「機能美」なのです。
「様式美」が全ての作品の背景や意味するものを含んで美しさを表しているのに対し、「機能美」は「シンプル=美」というコンセプトなのです。
「様式美」を使った言葉やサービスと意味を解釈
「様式美」を使った言葉と意味を解釈します。
- 「様式美を感じる」
- 「様式美系のバンド」
「様式美を感じる」
どこかのホテルや美術館などに行き、昔の雰囲気がそのまま感じられる時に使います。
その場所に行くだけで当時の文化や人々の様子、流行のものなどが分る様な作品に対して使います。
その他には「バロック音楽」を聞いて中世ヨーロッパの貴族の雰囲気が感じられる時などにも使います。
「様式美系のバンド」
70年代に流行したハードロック系の音楽を、ファッションまで真似ているバンドです。
ヴィジュアル系との最も大きな違いは音楽性にあります。
ヴィジュアル系は見た目は派手ですが意外に音楽は軽く、曲も短く、ラブソングが多くなります。
様式美系のバンドは自分の内面を表現した歌詞に、観客が退屈する程のギターソロやキーボードソロなども入れ込み、現実離れした世界観を表現しているのです。
「様式美」の表現の使い方
「様式美」の表現を使うシーンは以下の通りです。
- 芸術品や建築物を見て
- お決まりのネタに対して
- 音楽に対して
芸術品や建築物を見て
芸術品や建築物を見てその時代背景が分ったり、それを作成するにあたりこだわったのだろうと思える特徴がある様なものに対して「様式美を感じる」「様式美がある」と使います。
お決まりのネタに対して
誰が見ても結果が想像できる様なネタや、マンネリだけれども何故か引き込まれてしまうという時に「様式美だ」と使います。
人によっては「プロレス」も「受けの美学=様式美」と言うこともあるのです。
音楽に対して
ギターソロがキュルキュルと高速で、泣ける様な展開の構成であり、ボーカルが高音で歌う時に「様式美系だ」と言います。
派手なキーボードやシンセサイザーなどが入り、残響音があるものも「様式美系」になります。
「様式美」を使った短文など(意味を解釈)
「様式美」を使った例文を紹介します。
- 「様式美」を使った例文1
- 「様式美」を使った例文2
「様式美」を使った例文1
「この柱と壁の装飾に様式美を感じる」
観光名所になっている建造物の中に入り、柱と壁の装飾が中世のヨーロッパ的で、時代の違いを感じる時に使われます。
「様式美」を使った例文2
「様式美系を追求しているのでブーツは外せない」
様式美系のバンドは真夏でも革ジャンとブーツは外せません。
暑くても我慢して自分たちのポリシーを貫いているバンドマン達なのです。
「様式美」の類語や関連語
「様式美」の類語は以下の通りです。
- 「流儀」【りゅうぎ】
- 「美学」【びがく】
- 「お決まりの美しさ」【おきまりのうつくしさ】
「流儀」【りゅうぎ】
「技術や芸能などでその流派に伝わるやり方」という意味です。
「美学」【びがく】
「ものごとに対して美しさや価値を追求する学問」のことです。
「お決まりの美しさ」【おきまりのうつくしさ】
「お決まりであることに美しさを見出すこと」です。
「様式美」の英語と解釈
“They were moved by the beauty of form at the art museum.”
「彼らは美術館で様式美に感動した」です。
「様式美」という表現は英語にはないので直訳として“beauty of form”が使われます。
「様式美」は「芸術作品の表現方法」「お決まりの流れ」という意味があります。
そのものを鑑賞して仕上りにつながる流れを感じ取り、美しいと思った時に使ってみましょう。