「泥のように働く」とは?意味や類語!表現の使い方や例文を解釈
「泥のように働く」という言葉の語源や意味を紹介します。
さらに「泥のように働く」の語源となった言葉や、「泥のように働く」を使った例文を紹介して行きます。
目次
- 「泥のように働く」とは?
- 「泥のように働く」の表現の使い方や使うときの注意点
- 「泥のように働く」の元となった言葉
- 「泥のように働く」を使った例文や短文など
「泥のように働く」とは?
みなさんは「泥のように働く」という言葉を知っているでしょうか。
「馬車馬のように働く」の間違いではないかと思った人もいるかもしれません。
実は「泥のように働く」は最近ネット上で話題になっている新しい言葉です。
そこで「泥のように働く」という言葉の語源や意味を紹介します。
- 「泥のように働く」の語源
- 「泥のように働く」の意味
「泥のように働く」の語源
「泥のように働く」という言葉は、情報処理推進機構(IPA)が開催した討論会で、世の中に広く知れ渡ったとされる言葉です。
IT企業の重鎮が、討論会に散開している学生に向けたメッセージを送った中に入っていたフレーズが、「泥のように働く」という言葉です。
討論会でIPA理事長の西垣浩司氏が、伊藤忠商事の会長、丹羽宇一郎氏の言葉「入社して最初の10年間は『泥のように働いて』もらい、次の10年間は徹底的に勉強してもらう」を引用した発言をしました。
つまり「泥のように働く」という言葉は、丹羽氏が生み出した言葉で、この言葉が語源とされています。
「泥のように働く」の意味
「泥のように働く」には、どのような意味があるでしょうか。
「泥のように働く」の意味の本当のところは、発言者の丹羽氏しか分かりませんが、ネット上ではその意味の解釈を様々な人がしています。
そして「泥のように働く」は、「泥のように眠る」と「馬車馬のように働く」が合わさって作られた言葉という推測できます。
そのため「泥のように働く」には、「疲れ果てて正体なく眠ってしまうくらい、一生懸命、一心不乱に働いてもらう」という意味があると考えられます。
心や体にかなり負荷がかかりそうな働き方のため、反発する人も多い言葉になっています。
その一方で、そのような働き方を一定期間すべきだという意見が多いのも事実です。
若い頃のある時期に限定する働き方であることも、「泥のように働く」の意味に含まれているということも知っておきましょう。
「泥のように働く」の表現の使い方や使うときの注意点
続いて、「泥のように働く」という表現の使い方や注意点を紹介します。
「泥のように働く」は、比較的新しい造語のため、そのことを知った上で使うようにしましょう。
伊藤忠商事の会長に丹羽氏の言葉だということも併せて、話し相手に伝えるとなお良いでしょう。
「泥のように働く」は、新入社員など、若くて経験が少ない人に対して使う言葉です。
疲れてくたくたになるまで、一心不乱に働くことの大切さを告げる時等に、この言葉を使ってみましょう。
また人の働き方は、10年単位で区切って、ステージごとで働き方を変えることが大切だということなども合わせて伝えるようにしましょう。
「泥のように働く」の元となった言葉
続いて「泥のように働く」の元になった言葉を紹介します。
「泥のように眠る」「馬車馬のように働く」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
- 「泥のように眠る」【どろのようにねむる】
- 「馬車馬のように働く」【ばしゃうまのようにはたらく】
「泥のように眠る」【どろのようにねむる】
「泥のように眠る」という言葉があります。
「泥のように眠る」には、「正体がなくなるくらい深い眠りにつく」という意味があります。
例えば徹夜明けの睡眠不足のタイミングで眠ると、かなり深い眠りに落ちるのではないでしょうか。
また酔いつぶれて眠ってしまう時も、意識を失い、正体なく眠ってしまうでしょう。
この「泥のように眠る」という言葉は、中国の伝説上の生き物「泥(でい)」から生まれたとされています。
「泥」は、水中では活発に動き回れますが、陸地に出ると元気がなくなり、眠ってしまうためです。
このように「泥のように眠る」には、「正体なく、深く眠る」という意味があり、その語源は中国の「泥」にあるとされています。
「馬車馬のように働く」【ばしゃうまのようにはたらく】
「馬車馬のように働く」という言葉があります。
「馬車馬」は「馬車を引く馬」のことを指します。
馬車馬のドライバーである御者は、馬車馬に目隠しをして、わき見させず、前を向いて走ることに集中させています。
このことから「馬車馬のように働く」には、「わき目をふらず、一心に働くこと」という意味があります。
入社したばかりの頃は、目の前の仕事に集中した方がいいという意味で、「入社したばかりの時期は、『馬車馬のように働け』」などと言われることがあります。
「泥のように働く」を使った例文や短文など
「泥のように働く」という言葉を使った例文や短文を紹介して行きます。
「泥のように働く」の使い方のコツを、例文を通じて覚えましょう。
- 「泥のように働く」を使った例文1
- 「泥のように働け」を使った例文2
「泥のように働く」を使った例文1
「新卒で入社した会社で『泥のように働く』と決意する」
この例文のように、入社をする前の心構えとして、「泥のように働く」ことを決めた人もいるかもしれません。
毎日疲れて正体なく眠ってしまうくらい、一心不乱に仕事に打ち込もうという決意です。
入社したばかりの頃は、右も左もわからず、仕事についても会社についても何もわかりません。
そのため、疲労して家に帰り、眠るだけの毎日を送るような覚悟が必要かもしれません。
「泥のように働け」を使った例文2
「入社して10年は『泥のように働け』」
この例文は、伊藤忠商事の会長、丹羽氏の言葉の一部を切り取ったものです。
入社してまずは、このような働き方をして、次の10年間は勉強をするように促しています。
会社員人生を10年ごとに区切り、そのステージごとの働き方を意識的にすることが大切だという文章になっています。
そのため、一生、「泥のように働け」と言っているわけではない点に注意しましょう。
「泥のように働く」という言葉について見てきました。
伊藤忠商事の会長である丹羽氏の言葉で、一般的に浸透している言葉ではないため、ハッキリした意味が分からない言葉ですが、言わんとしているニュアンスは伝わる言葉でもあります。
誰かに「馬車馬のように働く」という言葉を使う時は、そのような背景を織り交ぜつつ、自分なりの意見を交えながら、話してみてはいかがでしょうか。