「事象」とは?意味!「出来事」「現象」との違い
ビジネスで専門知識が必要な仕事をしていると「事象」という言葉を聞くことがあります。
どの様な意味があるのか、使い方などを紹介します。
目次
- 「事象」とは?
- 「事象」の表現の使い方
- 「事象」の数学での解釈
- 「事象」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「事象」の類語や類似表現
「事象」とは?
「事象」の読み方や意味などについて紹介します。
- 「事象」の読み方
- 「事象」の意味
「事象」の読み方
「事象」は「じしょう」と読みます。
「じぞう」ではないので注意しましょう。
「事象」の意味
事象の意味は以下の2つになります。
1つ目は「ある条件や環境が影響して生じるものごとのこと」という意味です。
例えば研究室で実験や観察などを行う時には、事前に目的に応じた環境設定をします。
成分の配分量や温度、明るさや湿度など細かい条件により引き起こされるものごとを言います。
2つ目は「数学用語で、同じ条件による動作を繰り返し行い、出た結果のこと」という意味です。
例えば何度もカードを引くという動作を繰り返し行えば、どの絵柄が出るかという「事象」を得られます。
これは数学的な用語ですが、商品の耐用性などを検査する為に必要な作業です。
「事象」は事前に条件設定された環境があり、それが理由でものごとが起きる時に使われます。
難しい言葉で説明してもよく分らないという人もいますが、「一定条件の下で生じるものごと」は全て「事象」と言えます。
それが人為的な条件設定ではなく自然現象であっても、誰かによりその事実が証明されれば「事象」と言うのです。
逆に言えば「事象」とする為には何らかの根拠である環境や条件が必要となるのです。
「事象」の表現の使い方
「事象」の使い方を幾つか紹介します。
- 「事象」と「出来事」の具体的な違い
- 「現象」と「事象」の具体的な違い
「事象」と「出来事」の具体的な違い
「事象」は使いにくいので「出来事」を使うという人もいますが、この2つは使い方が違います。
「事象」は、科学的なものではなく自然現象など誰かが事実確認をして報告したことも含まれます。
「出来事」は、実際に自分が見たり経験したりしたものごとに対して使われるのです。
「事象」の方が「出来事」よりも幅広い範囲で使用される言葉です。
「現象」と「事象」の具体的な違い
「事象」と似た言葉に「現象」がありますが、この2つも使い方が違います。
「事象」は、ある一定条件や環境の下に生じるものごとのことです。
「現象」は、条件や環境、或いは理由が明確ではなくても良く、人がそれを視覚的に認識した時に使われます。
最初からそれが起きるを分かっていて認識するものが「事象」で、なんの理由や前触れもなく目の前で起きることは「現象」になります。
「現象」は「自然現象」「心霊現象」「生理現象」という使い方があるのに対して「事象」は特に「○○事象」という固定の言い方はなく、「〜の事象が認められる」という使い方をするのです。
「事象」の数学での解釈
「事象」は数学の用語として良く使われる言葉です。
最初の意味の章で紹介した通り、数学においては「何度も同じ試みや実験をした結果起きること」という意味になります。
特に確率の問題では「事象」が重視され、この結果から法則が見いだされ、計算式に応用されています。
「事象」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「事象」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「事象」を使った例文1
- 「事象」を使った例文2
「事象」を使った例文1
「これらの事象により商品開発の方向性が定まった」
商品開発において実験と観察は必須になります。
中でも化粧品などは何度も同じ条件の下で実験を繰り返し、商品の安全性を確認してから販売するのです。
試作品のうちにしっかりと研究をすることで、顧客からの信頼を得られます。
もしも顧客から要望などがあれば、取りいれられるかどうかを検討することもあります。
実験して得られた事象を元に、今後どの様な商品開発が必要かということを話し合っているのです。
「事象」を使った例文2
「この事象からも分る様にもっと耐久性を強化した方がいい」
メーカーで研究室から上がってきた結果に対して会議が開かれている時の様子です。
自社の商品が他社製品と比較してどうも耐久性が低いのでは、という意見がありました。
そこで何度も同じ実験を行ったところ、わずかであっても耐久性が低い面が見られたのです。
実験結果をデータ化して会議にかけて、耐久性を強化する方向で意見が一致しました。
メーカーでは日々この様な実験が行われているので、モデルチェンジが多いのは仕方ありません。
「事象」の類語や類似表現
「事象」の類語は以下の通りです。
- 「事柄」【ことがら】
- 「ケース」【けーす】
- 「実例」【じつれい】
「事柄」【ことがら】
意味は「ものごとの見た目や内容のこと」です。
「事象」が「ある一定の条件や環境により生じた結果」であるのに対して、「事柄」はもっと漠然としています。
日常生活で起こるあらゆるものごとを話題に取り上げたり追求する時に使われる言葉で、環境や条件などは問いません。
詳細がよく分からなくても取り上げた段階で「事柄」になるのです。
「ケース」【けーす】
「事例」という意味です。
定められた条件や背景があり、それに当てはまる具体的な例のことを言います。
最初にとある問題や傾向を説明して、その具体例として実際にあった事件や出来事を紹介する時に使われます。
「〇〇に住んでいる〇〇さん(〇才)のケース」などとして、その人を例に挙げて説明することで、見ている人や聞いている人がよりその内容をイメージし易くするのです。
但し「ケース」の場合はあくまでも「その人の場合」という意味で、内容は省略されたり多少の脚色が入っている場合があります。
「実例」【じつれい】
「実際にあった例」のことです。
ものごとを説明する時に、概要だけでは分らないので実際にあった例を紹介して分り易くします。
「ケース」との違いは、あくまで本人に実際に起きたことであり、脚色や大袈裟に表現するのはNGです。
ビジネスの場合、実例を紹介する時には本人や関係者にきちんと確認して承諾を取る必要があるのです。
「事象」は「ある条件や環境が影響して生じるものごと」という意味です。
数学用語としても使われ、ビジネスでは研究職の人が良く使う言葉です。
非常に難しい言葉ですので、自分が使うことよりも人が「事象」と言った時にどんな内容を言っているのか理解できる様にしておけば良いでしょう。