「便宜を図る」とは?意味や使い方や例文!
ビジネスで「便宜は図る」という言葉を使うことがあります。
どの様な意味なのか、使い方や類語なども併せてに覚えておきましょう。
目次
- 「便宜を図る」とは?
- 「便宜を図る」の言葉の使い方
- 「便宜を図る」の類語や類似表現や似た言葉
- 「便宜を図る」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「便宜を図る」の反対語
- 「便宜を図る」の英語と解釈
「便宜を図る」とは?
「便宜を図る」の意味や語源などについて紹介します。
- 「便宜を図る」の読み方
- 「便宜を図る」の意味
- 「便宜を図る」の語源や由来
- 「便宜」と「忖度」との違い
「便宜を図る」の読み方
「便宜を図る」は「べんぎをはかる」と読みます。
「便宜」は「びんぎ」とも読みますが、「便宜を図る」の場合は「べんぎをはかる」と読むことが多くなります。
「便宜を図る」の意味
「便宜を図る」の意味は「相手にとって有利になる様に取り計らうこと」です。
ものごとを相手にとって良い結果になる様に進めようと、こちらから手を回すことをいいます。
この言葉が良く聞かれるのはニュースで政治家の汚職や賄賂に関して報道される時です。
政治家が誰かから「是非自分に有利になる様にお願いします」とお願いをされて大金を受け取った時などに使われるのです。
その為に「便宜を図る」という言葉は悪いイメージがありますが、基本的には「相手にとって有利になる様にすること」なので、それが必ずしも汚職や犯罪につながるとは限らないのです。
例えば「学校にエアコンを設置する様に便宜を図る」という使い方もできるのです。
「便宜を図る」の語源や由来
「便宜を図る」の語源は漢字の意味からきています。
「便宜」の意味は「好都合なこと」「特別な計らい」「便り」という意味があります。
「便宜を図る」の場合は、1つ目と2つ目の意味が使われます。
「図る」は「計画を立てて進めること」という意味があります。
これらの漢字が組み合さり「好都合になる様に計画を立てて進めること」という意味になりました。
「便宜」と「忖度」との違い
「便宜」と似た意味を持つ言葉に「忖度」があります。
「忖度」の意味は「他人の気持ちを推し量ること」です。
「便宜」の意味は「相手の状況を推し量り、何らかの行動を取ること」です。
つまり、「便宜」と「忖度」の違いは「実際に何らかの手を打ったのか、気持ちを汲んだだけか」という点になります。
「便宜を図る」の言葉の使い方
「便宜を図る」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 他人に言いふらさないこと
- 当人に言う場合
他人に言いふらさないこと
「便宜を図る」は、特定の人に対して特別に配慮するとう意味の言葉です。
その為に「えこひいき」しているという悪いイメージを持たれてしまうことでしょう。
もしも立場が上の人が自分に対して有利になる様にものごとを取り計らってくれた場合、周囲の人に「〇〇さんに便宜を図って貰いました」などと言いふらさない方が良いでしょう。
「便宜を図る」は当事者同士よりも、その状況を知っている第三者が使う言葉と言えます。
当人に言う場合
当人にお礼を言う時にも「便宜を図って頂きありがとうございました」と言うと直接的過ぎるので、「お心づかい頂きありがとうございました」と言った方が無難です。
また、お願いをする時にも「ご便宜お取り計らいくださいますようお願い申し上げます」と言う人がいますが、「便宜」という言葉はなるべく使わない方がいいでしょう。
「何卒よろしくお取り計らいお願い申し上げます」で十分意味は通じます。
「便宜を図る」の類語や類似表現や似た言葉
「便宜を図る」の類語を紹介します。
- 「口利きをする」【くちききをする】
- 「斡旋する」【あっせんする】
- 「仲介する」【ちゅうかいする】
- 「特別に計らう」【とくべつにはからう】
- 「配慮する」【はいりょする】
「口利きをする」【くちききをする】
「人と人の間に入って仲介すること」という意味です。
相手の有利に進められる様に話を取り持つときに使われます。
「斡旋する」【あっせんする】
「当事者の間に入ってうまく関係を取り持つこと」を言います。
仕事を紹介する時に使われる言葉ですが、労働組合に関係する使い方では「当事者同士の紛争や問題を解決する為に、第三者が中に入って取りなすこと」という意味になります。
「仲介する」【ちゅうかいする】
「当事者の間に入って取引などがスムーズに行く様に取り持つこと」を言います。
こちらは賃貸やマンションなど物件を紹介する時に使われます。
「特別に計らう」【とくべつにはからう】
「そのものごとについて上手くいく様に処置をすること」を言います。
日本独特の曖昧な表現ですが、特定の人が有利になる様に手を回すことで「便宜を図る」と同じ意味になります。
「配慮する」【はいりょする】
「相手の状況などを考えて良い結果になる様に計らうこと」を言います。
どちらかというと相手が何か不利な状況にいる時に、その理由を理解して措置を取るという意味になります。
「便宜を図る」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「便宜を図る」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「便宜を図る」を使った例文1
- 「便宜を図る」を使った例文2
「便宜を図る」を使った例文1
「インフルエンザで試験の日に欠席したが、別の日に受けられる様に便宜を図って貰った」
学校の定期考査の日にインフルエンザで欠席してしまいました。
学校側は別の日に受けられる様に日程を調整してくれたことを表しています。
あくまで校内の試験であり、入学試験の場合には個人に合わせて日程を変えることはできません。
「便宜を図る」を使った例文2
「行きたい部署に異動できる様に便宜を図って貰った」
会社で以前から行きたい部署があり、上司に希望を伝えていたところ、その部署でポジションが空いた時に異動できる様に上司から人事に手配をしてくれました。
普段から上司としっかりとコミュニケーションを取る様にしていた結果と言えます。
「便宜を図る」の反対語
「便宜を図る」の反対語を紹介します。
- 「融通が利かない」【ゆうづうがきかない】
- 「柔軟性がない」【じゅうなんせいがない】
「融通が利かない」【ゆうづうがきかない】
意味は「その時の状況に応じて上手く対応できないこと」「気配りができないこと」です。
「柔軟性がない」【じゅうなんせいがない】
意味は「その場に応じて適切な判断ができないこと」という意味です。
「便宜を図る」の英語と解釈
“My boss provided convenience for me to have a chance of presentation.”
「上司が私にプレゼンテーションが出来る様に便宜を図ってくれた」です。
“provide convenience”で「便宜を図る」という意味になります。
「便宜を図る」は「相手にとって有利になる様に取り計らうこと」です。
特定の人に対して行われる措置ですので、良いイメージを持たれない可能性があります。
当事者同士で使う時には「配慮」「心づかい」など、遠まわしな言い方をした方が良いでしょう。