「関知しない」とは?使い方や例文!「関与しない」「無視する」との違い
「関知しない」という言葉を正しく理解できていますか?ここでは、「関知しない」という言葉について、「関与しない」「無視する」などとの違いとともにご紹介していますので、そういえば曖昧だな、と思う方はぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「関知しない」とは?意味
- 「関知しない」と他の言葉との違い
- 「関知しない」を使った例文
- 「関知しない」の言葉や表現の使い方
- 「関知しない」の類語や類似表現や似た言葉
- 「関知しない」の英語と解釈
「関知しない」とは?意味
まずは「関知」とはどういう意味の言葉なのか、ということですが、「関知」とは、ある特定の物事について関係があることや、事情についてよく知っていることを意味します。
「関」係があって、「知」っている、ということですね。
つまり、「関知しない」とは、知っていても興味を持たないことや、関係があっても責任を負わない、知らない、ということになります。
- 「関知しない」の読み方
「関知しない」の読み方
「関知しない」は、「かんち(しない)」と読みます。
「関」とはかかわること、「知」とはしること、しっていることなどですから、「関知」また、「関知しない」という意味が、漢字からも理解できるでしょう。
また、よく似た言葉として後述する「関与しない」と間違い、「かんよ」と読まないように注意しましょう。
「関知しない」と他の言葉との違い
同じ漢字を用いたり、似たような意味を持つ言葉というのはさまざまありますが、中でも「関与しない」「無視する」といった言葉とは共通項が多いのでは?と考えられています。
ここでは、「関知しない」との違いについてご紹介します。
- 「関与しない」との違い
- 「無視する」との違い
「関与しない」との違い
「関与」とは、関係すること、かかわりを持つこと、といった意味の言葉ですので、「関与しない」という言葉は、関係がないことを意味します。
また、「関与しない」という言葉には、積極的に交流をとらない、といった意味もあります。
「関知しない」とは、関係はあるが知らない、ということですので、そもそも関係を持たないようにする「関与しない」とは違いがあります。
「無視する」との違い
「無視する」とは、その存在があることを認めないことや、ないもののように扱うことをいいます。
「関知しない」とは、すでに関係があるものについていいますので、「無視する」とは違いがありますが、「関知しない」ようにするための手段として、「無視する」という方法を使う場合はあるようです。
「関知しない」を使った例文
では、「関知しない」という語句を使用した例文を見ていきましょう。
具体的な例文を見ていくことで理解が深まります。
- 「関知しない」を使った例文1
- 「関知しない」を使った例文2
「関知しない」を使った例文1
「二次制作物に関しましては、当社は一切、関知しておりません」
一次制作を行ったとき、それがとても人気が出ると、パロディになったり、別の表現になったりと、二次制作が起こることはよくあります。
しかし、それら二次制作物に関して、オリジナルを作った人や会社がすべて「関知」しているかというと、そうではないことのほうが多いのではないでしょうか。
「関知しない」を使った例文2
「彼らがうまくいくかどうか、私は関知していない」
日常会話に取り入れるとしたらこのようなかたちになるかと思いますが、あまり一般的とはいえません。
しかし、関係はしているが、知らない、ということを表すときの表現として覚えておかれるといいでしょう。
「関知しない」の言葉や表現の使い方
「関知しない」という言葉が使われるのはどちらかといえば、例文1に見られるような、公的なシーンといえるでしょう。
ビジネスの場でも使える言葉ですので、会社員など、ビジネスパーソンにとっては覚えておくと便利な言葉といえます。
「我が社のほうでは関知しておりません」のように、責任のない罪を避けるために使われることも多々あります。
「関知しない」の類語や類似表現や似た言葉
次に、「関知しない」という語句の類語表現を見ておきましょう。
類語を知っておくと、表現の幅が広がります。
- 「距離を置いている」【きょりをおいている】
- 「一歩引いている」【いっぽひいている】
- 「我関せず」【われかんせず】
「距離を置いている」【きょりをおいている】
「彼とは今、距離を置いているのよ」
恋愛中、マンネリ期間が訪れるとよく使われる言葉でもありますが、「距離を置く」という言葉があります。
物理的、もしくは心理的な距離を大きく空けておくことで、関心を引きすぎないようにしたり、自分を内観する時間を取るようつとめるときの常套句といえます。
関係あるが知らない、という「関知しない」の意味と、場面によってはかなり似た意味で使われる言葉といえます。
「一歩引いている」【いっぽひいている】
「すこし挙動の怪しい人がいるので、一歩引いていることにする」
積極的にならず、すこし間隔を空けて、後ろからのぞき見するような場合や、あまり関わりを持ちたくないので消極的であることをアピールするときに、物理的、精神的に一歩下がる状態を表します。
危機回避の意味あいもあるでしょう。
「我関せず」【われかんせず】
「面倒事に巻き込まれるのは御免なので、我関せずを貫く」
よく知っているがゆえに、関わり合いになりたくない、厄介なできごとなどを前にして、その件については一切、関わりをもたずにいる姿勢を見せるときに使われます。
使い方として、かなり「関知しない」と近いでしょう。
「関知しない」の英語と解釈
「関知しない」を英語でいうときには、“it's none of one's business.” や“I am not concerned about that.”といった英語をフレーズごと覚えておくと便利でしょう。
“it's none of ☆ business.”では、☆マークに“you”や“our”を入れることで、わたしたちには関係ない、あなたには関係ない(余計なお世話です)などとすることができます。
また、“I'm not concerned about that.”では、わたしはそれについて関知しない、という訳になるため、「関知しない」の英語としてとても便利です。
「関知しない」とは、関係はあるけれど知らない、というときに使われる言葉でした。
しっかり責任を取るべきところは取り、不要なときには事前に「関知しない」といっておくことで未然にトラブルを防ぐことができれば、社会生活の中で困ることも減りそうです。