「梅に鶯」の意味とは?「梅に鶯」と同じ意味のことわざ、使い方や例文を紹介!
「梅に鶯」とは、「取り合わせ(相性)の良い二つのもの」や「とても仲の良い二人の間柄」を意味することわざです。
「梅に鶯」の「意味・語源や由来・使い方と使用例・同じ意味のことわざ・季節・対義語・英語と解釈」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「梅に鶯」とは?
- 「梅に鶯」の使い方・使用例
- 「梅に鶯」と同じ意味のことわざ
- 梅と鶯(ウグイス)の季節は?
- 「梅に鶯」の対義語のことわざ
- 「梅に鶯」の英語と解釈
- 梅に鶯(ウグイス)は間違い?梅の木に止まっている鳥はメジロの可能性が高い
「梅に鶯」とは?
「梅に鶯(うめにうぐいす)」ということわざの意味は、「取り合わせ(相性)の良い二つのもの」や「仲の良い二人の間柄(あいだがら)・関係」になります。
「梅に鶯」というのは、古代から近世にかけて中国(漢詩)に影響を受けた日本人の春の風物詩(花鳥風月)の典型的な組み合わせになります。
そのため、梅のピンク色(薄紅色)と鶯の黄緑色の組み合わせが、美的・色彩的に調和していると認識され、絵画・詩歌・花札などの題材にもなりました。
その古代の中国・日本の美的センスから、「梅に鶯」ということわざは「仲の良い二人・相性の良い二つのもの」だけではなく、「美しく調和している二つのもの」や「切っても切れない間柄(組み合わせ)」といった意味のニュアンスも持っています。
- 「梅に鶯」の語源や由来
「梅に鶯」の語源や由来
「梅に鶯」の語源・由来は、古代から中国の漢詩文化で「春の風物詩・花鳥風月(かちょうふうげつ)」とされてきた「梅の花」と「鳥の鶯(ウグイス)」の取り合わせに、日本が長らく影響を受けてきたことにあります。
昔から、梅の花の蜜を吸うために、初春になると鶯(ウグイス)が梅の木の枝にやって来て止まると考えられてきたことに由来しています。
日本に「梅に鶯」という春の風物詩や相性の良さの感覚が入ってきたのは、古代の飛鳥・奈良時代とされています。
奈良・平安時代以降、「梅に鶯」は日本においても中国と同等以上に、「取り合わせ(相性)の良い二つのもの」や「仲が良い二人の間柄」を意味する言葉・ことわざになったのです。
「梅に鶯」の使い方・使用例
「梅に鶯」の使い方は、「取り合わせ・相性が良い二つのものがある時」や「二人の仲が非常に良い場合(切っても切れない関係がある場合)」に使うという使い方になります。
二つのものの取り合わせ、あるいは、二人の人間関係が調和していて切っても切れないものである時に、「梅に鶯」という言葉が以下のように使用できるのです。
- 「梅に鶯」の使用例
「梅に鶯」の使用例
「年を取ってからも梅に鶯のようなおしどり夫婦で、見ているこちらまで温かい気持ちにさせられました」
この「梅に鶯」を使った使用例の意味は、「年老いてからも、とても仲の良いお似合いのおしどり夫婦で、見ているこちらまで温かい気持ちにさせられた」ということを意味しています。
「梅に鶯」と同じ意味のことわざ
「梅に鶯」と同じ意味のことわざを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「紅葉に鹿」
- 「牡丹に蝶」
- 「牡丹に唐獅子」
「紅葉に鹿」
「紅葉に鹿(もみじにしか)」は、「梅に鶯」と同じく「取り合わせ・相性の良い二つのもの」や「仲の良い二人の間柄」を意味することわざになっています。
「梅に鶯」は「春の季節」を意味する取り合わせの良い風物詩の組み合わせですが、「紅葉に鹿」は「秋の季節」を意味する取り合わせの良い二つの風物詩を意味しています。
秋の奥深い山に赤や黄の色鮮やかな紅葉が散っていて、その紅葉の上を鹿が歩いているという図式が詩歌・絵画・花札のモチーフにされてきました。
「牡丹に蝶」
「牡丹に蝶(ぼたんにちょう)」は、「梅に鶯」と同じく「取り合わせ・相性の良い二つのもの」や「仲の良い二人の関係」を意味することわざです。
「梅に鶯」は「春の季節」を意味する花鳥風月のセットですが、「牡丹に蝶」は「初夏(6月頃)の季節」を意味する取り合わせの良い二つの風物詩を意味しています。
大きな牡丹の花の蜜を吸うために、綺麗な蝶が牡丹の周りを飛んでいるという図式が詩歌・絵画・花札の題材にされてきました。
「牡丹に唐獅子」
「牡丹に唐獅子(ぼたんにからじし)」は、「梅に鶯」と同じく「取り合わせ・相性の良い二つのもの」や「切っても切れない間柄」を意味することわざになっています。
「梅に鶯」は「春の季節」を意味する相性の良い風物詩の組み合わせですが、「牡丹に唐獅子」は「初夏の季節・強いもの」を意味する取り合わせの良い二つのものを意味しています。
「動物の王者の獅子」と「花の王者の牡丹」をセットにした図柄が、詩歌・絵画・任侠道(刺青)のモチーフにされてきました。
梅と鶯(ウグイス)の季節は?
梅と鶯(ウグイス)の季節は、「春・早春」になります。
日本でも短歌・俳句で季語として使用される場合には「春」の季節を意味する季語になります。
日本で春を代表する花といえば「桜」ですが、中国では古代の昔から、春の訪れを感じさせる花として「桜」よりも「梅」をイメージしてきました。
「梅に鶯」の対義語のことわざ
「梅に鶯」の対義語のことわざは、「水と油(みずとあぶら)」になります。
「梅に鶯」ということわざは、「美しく調和する取り合わせの良い二つのもの」や「仲の良い二人の間柄」を意味しています。
それに対して、「水と油」は「どうしても相性(取り合わせ)が悪いこと」や「性格が合わず仲の悪い二人の間柄」という反対の意味を持っています。
「水と油」のことわざは、水と油が決して混じり合わず分離することに由来しています。
「梅に鶯」の英語と解釈
「梅に鶯」ということわざは、“perfect match“や“best couple”、“match made in heaven”などの英語で表現することができます。
- “Cigarettes and coffee are perfect match ten years ago.”
“Cigarettes and coffee are perfect match ten years ago.”
この「梅に鶯」の言葉を用いた英語の例文は、「10年前までは、タバコとコーヒーは梅に鶯でした」を意味しています。
梅に鶯(ウグイス)は間違い?梅の木に止まっている鳥はメジロの可能性が高い
「梅に鶯」のことわざの由来は、早春に鶯(ウグイス)が梅の花の蜜を吸いにやって来て梅の枝に止まって鳴くことにあるとされますが、実際の自然現象としては梅の花の蜜が好きで吸いに来るのは「目白(メジロ)」です。
鶯(ウグイス)の主食は虫であり、花の蜜はそこまで好まず、また人への警戒心が強いので、人里の梅の木にはあまり止まらないのです。
また、花札などに描かれている「梅に鶯」の「ウグイス」の羽の色は黄緑色(深緑色)ですが、この羽の色も本当は「メジロ」の色なのです。
ただし、「梅に鶯」はあくまで古代中国の典型的な花鳥風月の取り合わせに由来して慣習的に採用されてきた「詩歌・絵画・花札の題材」なので、実際の自然現象としては違っていても、言葉・ことわざとしては「梅に鶯」のままで正しいということになります。
「梅に鶯」という言葉について徹底的に解説しましたが、「梅に鶯」には「取り合わせ(相性)の良い二つのもの」や「とても仲の良い二人の間柄」などの意味があります。
「梅に鶯」と同じ意味のことわざとしては、「紅葉に鹿」「牡丹に蝶」「牡丹に唐獅子」などがあります。
「梅に鶯」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。