「前身となる」とは?意味と使い方・対義語・言い換え表現まで解説!
「前身となる」という表現は、色々な場面で聞くことがあります。
ビジネスでもよく使われるので、きちんと意味を覚えておきましょう。
目次
- 「前身となる」とは?
- 「前身」の対義語
- 「前身」を使った言葉と意味を解釈
- 「前身となる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「前身」の類語や言い換え
「前身となる」とは?
「前身となる」は、その対象の「元となったもの」という解釈してください。
よく使われる例として、車のモデルチェンジ(同じ車種名で、新しい作りに変わること)が行われると、「このニューモデルは、前身となる2010年型と比較して〜」などと用いられます。
物理的な対象だけでなく、「元となったもの」があれば、企画や計画、アイデアなどにも使うことができます。
それらを一新するような時に、前のものに対して「前身となる以前の計画」といった使い方になります。
- 「前身となる」の読み方
- 仏教用語としての「前身」とは?
「前身となる」の読み方
「前身となる」は、「ぜんしんとなる」と読んでください。
「前身」(ぜんしん)は、「以前の」という意味の言葉で、形状や立場など色々なものに対して使えます。
「前身となる」も、先に挙げた車や計画などだけでなく、例えば、「現在の財務省の前身となるのは、かつての大蔵省だ」などと使えます。
仏教用語としての「前身」とは?
この「前身」は、仏教用語としても使われており、その場合の意味は、「前世の姿」です。
この「前世」については、宗教や占いなどによって解釈が異なりますが、一般的には、今の人生(姿)に転生する前の人生(をおくっていた姿)のこととして使います。
「私の前世は、江戸時代の侍だったらしい」などと聞くことがありますが、この「前世」を仏教では「前身」と表現しています。
尚、宗教によっては「転生」(肉体が滅んだ後も、精神は別の人間として生まれ変わること)という考え方を否定している場合がある為、「前身」がその意味で使えるのは仏教(徒の間)だけです。
「前身」の対義語
「前身」とは反対の「次の形や姿」を意味する言葉は、「後継」(こうけい)です。
また車を例に挙げますが、モデルチェンジ後の車から見て、1つ前のモデルは「前身」で、将来的にモデルチェンジが行われると、次のモデルは「後継」になります。
よく見る使われ方として、「後継機」や「後継車」といった形が挙げられます。
車の場合は「後継車」で、電子機器や家電などには「後継機」と使われます。
「前身」を使った言葉と意味を解釈
「前身」を使ったよく見る言葉と、その意味の解釈です。
車については先にも例を挙げているので分かりやすいでしょう。
- 「車の前身モデル」
- 「前身プロジェクト」
「車の前身モデル」
先の例のように、モデルチェンジをする前のモデルのことです。
車は、同じ車種名で何度もモデルチェンジを繰り返しており、有名なハイブリッドカーの「プリウス」で例えると、2019年現在の現行モデルは4代目(この車種名で登場以来、3回のモデルチェンジが行われています)に当たります。
この4代目は2015年からの発売で、その「前身モデル」は、2009年に発売された3代目です。
また、同じ車種内のことだけでなく、「元となった」車両に対しても使われる表現です。
かつて、トヨタで「アリスト」という車がありましたが、現在では「レクサスGS」に統合されており、レクサスGSの3代目の前身モデルは、アリストの最終モデルです。
「前身プロジェクト」
対象の前身となるプロジェクト(開発や計画、企画など)のことを指して使う表現です。
ソフトウェア開発ではよく聞く表現で、例を挙げると、現在の「Firefox」というウェブブラウザの前身は、「Netscape」というブラウザです(こちらは既に開発が終了しています)。
このような場合に、「Firefoxの前身プロジェクトはNetscapeだと聞いている」というような使われ方をします。
「前身となる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「前身となる」を使った例文や短文と、その意味の解釈です。
車の例以外で挙げていきます。
- 「前身となる」を使った例文1
- 「前身となる」を使った例文2
- 「前身となる」を使った例文2
「前身となる」を使った例文1
「このスマホは前身となるモデルより、バッテリーの持ちが随分とよくなった」
スマホの性能面は、序々に限界にきていると言われています。
その為、次世代モデルの開発では、性能のアップよりも、バッテリーの持ちが大きなテーマとされています。
「前身となる」を使った例文2
「前身モデルより、使い勝手が悪くなった」
どのような対象も、新しいものが必ずよくなっているとは限りません。
操作方法が変わってしまったなどの理由から、前身モデルの方がよかったと思うようなことも少なくないでしょう。
「前身となる」を使った例文2
「前身となる計画には穴が多かったが、今回のものは評価できる」
「前身となる」を「計画」に対して使っている例になります。
このような使い方もよく見聞きする言葉で、時代によって次々と変化する「都市計画」に対して頻繁に使われています。
「前身」の類語や言い換え
「前身」と似た意味の言葉や、言い換えになる表現です。
どれも、同じく「元となった」という意味で使うことができます。
- 「旧」【きゅう】
- 「1つ前の」【ひとつまえの】
- 「ベース」【べーす】
「旧」【きゅう】
「前身モデル」は、「旧モデル」とも表現できます。
ただし、「前身」のように、「元となった」という正確な意味ではない為、直接の「元」ではない2つ前のモデルに対しても使える表現です。
「1つ前の」【ひとつまえの】
上の「旧」とも絡みますが、「前身」の対象は、1つ前だけに限られます。
よって、「前身モデル」は「1つ前のモデル」と言い換えることができます。
対象によって、「一世代前の」などという形にしてもいいでしょう。
「ベース」【べーす】
「前身モデル」を「ベースとなったモデル」と表現できるように、カタカナ語の「ベース」は、「前身」の意味で使える言葉です。
しかし、こちらも「1つ前」とは限らないので、その点には注意して使ってください。
前身は、その1つ前で、元となったものという明確な意味のある言葉です。
一応の元とはなっているが1つ前ではないといったような場合には、上に挙げた「旧」や「ベース」を使った言い換えをするといいでしょう。