「二の鉄を踏む」は間違い?言い換えなど
ついうっかり失敗した時に「二の鉄を踏む」と言うことがあります。
これは正しい言葉なのでしょうか、正しい使い方や意味などを紹介します。
目次
- 「二の鉄を踏む」とは?間違い?
- 最近では使われる傾向も
- 「二の鉄を踏む」の言い換えと意味
- 「同じ轍を踏む」を使った使用例など(意味を解釈)
- 「二の鉄を踏む」を使った使用例など(意味を解釈)
「二の鉄を踏む」とは?間違い?
「二の鉄を踏む」という言い方には大きな間違いがあります。
まずは、「二の鉄を踏む」という言葉はありません。
「同じ轍を踏む」と「二の足を踏む」が混同しているのです。
正しくは「同じ轍を踏む」或いは「轍を踏む」です。
2つ目は、「鉄」ではなく「轍」であるということです。
どちらも同じ「てつ」と読みますが、轍は「わだち」のことです。
土の道や雪道では、人力車や荷車が通った後にタイヤの跡が残り、これを「わだち」と呼ぶのです。
「二の轍を踏む」が間違いなのは、「2つの轍を踏んで付ける」という意味で、慣用句的な意味がない言葉になってしまうからです。
最近では使われる傾向も
言葉は時代により言い方や意味が変わってくるものです。
今当たり前の様に使っている言葉の中でも、昔は違う言い方や意味だったものがあります。
最近ではネット上で「二の鉄を踏む」という表現が見られる様になっています。
間違いを正すよりも、そのまま筆者の言いたいことを汲みとる方向になっていると言えます。
「二の鉄を踏む」の言い換えと意味
「二の鉄を踏む」の本来の言い方や類語について紹介します。
- 「同じ轍を踏む」【おなじわだちをふむ】
- 「二の舞を演じる」【にのまいをえんじる】
「同じ轍を踏む」【おなじわだちをふむ】
先に紹介した「二の鉄を踏む」の正しい言い方です。
意味は「先に誰かがした失敗と同じ失敗を繰り返すこと」です。
「轍」は「わだち」のことで、前に車輪が通った後にできるでこぼこの跡に自分の車輪がはまってしまい、動かなくなったり転倒することから由来しています。
昔の道路はアスファルトではなく土でしたので、雨が降ると酷くぬかるんでしまいました。
荷車で通る時には前の車の通った跡を避けて通らなければならないのですが、それをせずに踏み込んでしまう失敗に例えているのです。
「二の舞を演じる」【にのまいをえんじる】
意味は「前の人と同じ失敗を繰り返すこと」で、「二の轍を踏む」と同義語です。
「二の舞」とは、二人の人が滑稽な動作で舞い踊る演目です。
人の前に出て、前の人の動作を真似たり、非常に滑稽な舞を披露することから「前の人の失敗を繰り返す」という意味で使われる様になりました。
「同じ轍を踏む」を使った使用例など(意味を解釈)
「同じ轍を踏む」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「同じ轍を踏む」を使った例文1
「同じ轍を踏む」を使った例文1
「ライバル会社に出しぬかれてしまうという同じ轍を踏むのは避けたい」
以前新商品を発表しようと準備してきたところ、ほんの僅かなタイミングの差でライバル会社に出しぬかれてしまいした。
慌ててこちらが新商品を発表しても顧客が分散して共倒れになることが分かっているので、仕方なく発表を見送ったという過去があります。
今回はそうならない様にライバル会社の動向をしっかりと見て、万全の態勢で発表する予定です。
「二の鉄を踏む」を使った使用例など(意味を解釈)
「二の鉄を踏む」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「二の鉄を踏む」を使った例文1
「二の鉄を踏む」を使った例文1
「よく確認しないと発注ミスが生じて前回の二の鉄を踏むことになるぞ」
上司か先輩が部下や後輩に対して言うことです。
前回確認を怠り、発注ミスが起きてしまい顧客に迷惑をかけてしまいました。
今回も同じような発注があったので、しっかり確認して前回の様なトラブルを避ける様に指示を出しています。
但し、この言い方は間違いであり、正しくは「同じ轍を踏むことになるぞ」です。
辞書には「二の鉄を踏む」という言葉はありません。
正しくは「同じ轍を踏む」で、意味は「先に誰かがした失敗を繰り返すこと」です。
言葉は使っているうちに認められる様になるものですが、なるべく正しく使う様にしましょう。