「名実ともに」とは?意味や使い方!
人をほめる時に「名実ともに」という言葉を使うことがあります。
どの様な意味で使われているのか、例文と共に詳しく紹介します。
目次
- 「名実ともに」とは?
- 「名実ともに」を使った言葉と意味を解釈
- 「名実ともに」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「名実ともに」の類語や言い換え
- 「名実」を使った四字熟語
- 「名実ともに」の英語と解釈
「名実ともに」とは?
「名実ともに」の読み方と意味を紹介します。
- 「名実ともに」の読み方
- 「名実ともに」の意味
- 「名実ともに」の言葉の成り立ち
- 「名実ともに」の使い方
「名実ともに」の読み方
「名実ともに」は「めいじつともに」と読みます。
知ったかぶりで「みょうじつともに」と読んでしまうと思わぬ恥をかくので注意しましょう。
「名実ともに」の意味
「名実ともに」の意味は、「その人の名声と功績がつりあっていること」です。
人は社会人として働いたり貢献したりしていると、段々と肩書がついたり、地位を与えられるものです。
会社では一般社員から係長・課長・部長、そして成功する人は役員や社長になることもあります。
また、肩書がない職業でも長く続けていると「その道のプロ」「ベテラン」などと呼ばれることもあります。
しかしそれはその人が周囲の人がそう読んでいるだけであり、実際にはその地位と実力が全く見合っていない人も多いのです。
ひたすら人を押しのけて出世したり、ただそのポジションに長く居座っていたお蔭で出世できたという人もいます。
その様な人は何かトラブルが起きたり、決断が必要な時になると全く実力を発揮できないのです。
「名実ともに」と言われる人は、高い地位があり、周囲の人からの評判も非常に良い人物です。
そしていざというときには自ら行動してトラブルを解決したり、他の人々を導いていくなどして、その実力を証明できる人です。
組織や団体で上の地位にあり、しかも優れた人物であったり、歴史上成功した人でエピソードが残っている人などを言い表す言葉です。
「名実ともに」の言葉の成り立ち
「名実ともに」は、言葉の成り立ちを知ることでより意味を理解できます。
「名」は「その人に対する固有の呼び方・なまえ」という意味の他に「評判・名声」という意味もあります。
「実」は「ほんとう」「ありのまま」という意味があります。
「ともに」は「共に」と書き「そろって同じ状態であるさま」を意味します。
これらの言葉が組み合わさり「評判や名声が実際と同じ状態であること」として使われる様になりました。
「名実ともに」の使い方
「名実ともに」は、一般的には「地位があってしかも優秀な人」に対して使われます。
しかし、中には人ではなく動物や商業サービスなどを表すこともあるのです。
例えば競走馬は非常に有名な親馬から高額な種を買取り、子供を作ります。
名馬から生まれた子供はそれだけで前評判が高く、周囲も期待するのです。
その馬がG1レースで優勝した時に、親の七光りではなく「名実ともに備わった馬」と言われます。
その他には元々老舗のレストランに改めてグルメレポーターなどが取材に入り、料理を堪能した時に「名実共に三ツ星のレストラン」と表すことがあります。
「名実ともに」を使った言葉と意味を解釈
「名実ともに」を使った言葉と解釈を幾つか紹介します。
- 「名実ともに大人」【めいじつともにおとな】
- 「名実ともに夫婦」【めいじつともにふうふ】
- 「名実ともに人気」【めいじつともににんき】
「名実ともに大人」【めいじつともにおとな】
日本人は現在の法律上では20歳を超えると成人と見なされますが、20歳になった瞬間「大人になった」という変化が表れる訳ではありません。
20歳になっても精神的に幼く、ワガママを言ったり人に迷惑をかける人もいます。
「名実ともに大人」というのは、社会的ステイタスが高い人の集まりで立派に振る舞ったり、成人式を厳粛な雰囲気で終わらせられたりした時に使われます。
「名実ともに夫婦」【めいじつともにふうふ】
法律では男女が夫婦になるには「婚姻届」を提出して入籍することが必要です。
しかし世の中にはさまざまな事情で入籍できずに、同居のみしているカップルもいます。
その様なカップルが晴れて婚姻届を提出して受理された時にこの様に言うのです。
「名実ともに人気」【めいじつともににんき】
世の中には名前が知られていても実力がなかったり、逆に非常に優秀なのに有名になれない人もいます。
名前も人に知られていて、実力もあり、多くの人達にそれを認められて指示されている人のことをいいます。
「名実ともに」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「名実ともに」を使った例文を紹介します。
- 「名実ともに」を使った例文1
- 「名実ともに」を使った例文2
「名実ともに」を使った例文1
「これで君は名実ともに我がチームの一員になった」
スポーツで有名なクラブチームでは、しばらく試用期間を設けていることがあります。
この期間は実力があっても試合に出して貰えず、お互いが感触を確かめあっている状態です。
試用期間が終りそのチームに入団が認められ、これから活躍が期待される人材を表しています。
「名実ともに」を使った例文2
「あのドクターは名実ともに偉大な医師だ」
医学的な著書などで一般的に名前が知られている医師に担当医になった貰ったところ、誠実に治療をしてもらい難しい病気が完治した時の言葉です。
理論ばかりで患者の気持ちに寄り添わず、上から目線の態度を取る医師が多い中、名声もあれば技術もあり、倫理観もしっかり持っている素晴らしい医師であるという意味です。
「名実ともに」の類語や言い換え
「名実ともに」の類語を紹介します。
- 「押しも押されもせぬ」【おしもおされもせぬ】
- 「正真正銘」【しょうしんしょうめい】
- 「紛れもなく」【まぎれもなく】
「押しも押されもせぬ」【おしもおされもせぬ】
「まったくもって疑いの余地のない」という意味です。
「押しも押されぬ」と言う人がいますが、「押しも押されもせぬ」が正しい言い方です。
「正真正銘」【しょうしんしょうめい】
意味は「全くうそ偽りのない本物であること」です。
「紛れもなく」【まぎれもなく】
「その状態が明らかで疑う余地のない」という意味です。
「名実」を使った四字熟語
「名実」を使った四字熟語を紹介します。
- 「名実一体」【めいじついったい】
- 「名実相応」【めいじつそうおう】
「名実一体」【めいじついったい】
名声や評判がそのものの本質に見合っていることで、「名実ともに」の言い換えです。
「名実相応」【めいじつそうおう】
名声や評判がそのものにふさわしいという意味です。
「名実ともに」の英語と解釈
“He became a good doctor both in name and reality.”
「彼は名実ともに素晴らしい医者になった」となります。
“in name and reality”で「名実ともに」という意味になります。
「名実ともに」は「名声と実力が見合っていること」です。
周囲の人が人やものを評価する時に使う言葉です。
人気のある人が期待通りのパフォーマンスをした時に使ってみると良いでしょう。