「頭をよぎる」とは?意味と類語!例文と使い方!
皆さんは、「頭をよぎる」という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、この表現を聞いて、どのようなシーンをイメージするでしょうか?
日常使っている言葉だけに色々な場面を思い起こすと思うのですが、この言葉の意味を改めて尋ねられると、明快な答えを返すことができる人は、案外と少ないかもしれません。
そのようなことから、今回はこの「頭をよぎる」について説明をしていきたいと思います。
目次
- 「頭をよぎる」とは?
- 「頭をよぎる」の類語や言い換え
- 「頭をよぎる」を使った言葉と意味を解釈
- 「頭をよぎる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「よぎる」を解釈
- 「よぎる」の英語や例文(解釈)など
「頭をよぎる」とは?
「頭のよぎる」とは、「何らかの考えや懸念、心配事が心の中にふっと浮かんでくるさま」を表現している言葉です。
誰でも、バタバタと仕事をしている時は、頭の中は、今、目の前に迫っていることに対してのことで精一杯の状況でしょう。
しかし、何かの弾みで、心配事を思い出したりすることがありますが、まさにこのようなことが、「頭をよぎる」ということになってくるでしょう。
- 漢字
- 「頭をよぎる」と「脳裏をよぎる」の違いはある?
漢字
「よぎる」を漢字で書くと、「過る」となりますが、普通に読むと、「過ぎる(すぎる)」となりますが、送りがなの使い方が異なってきます
ここで、正しい書き方も忘れないようにしておきましょう。
「頭をよぎる」と「脳裏をよぎる」の違いはある?
「頭をよぎる」は「心の中で心配なことが浮かんでくる」ということでしたが、「脳裏をよぎる」という表現は、どのような解釈すべきでしょうか?
「脳裏」は「頭の中」という意味があり、「頭」=「意思」=「心」という解釈ができるので、「脳裏をよぎる」も「頭をよぎる」と同じく「心の中に心配していることが浮かんでくる」という解釈になってきます。
ただ、語感の違いから、「脳裏をよぎる」という表現の方が、「心配事」の重さの度合いが強いニュアンスが感じられます。
「頭をよぎる」の類語や言い換え
では、「頭をよぎる」という表現は、他に同じような意味を持つ言葉や慣用句があるのでしょうか?
ここでは、普段から日常生活やビジネスシーンでも使われているような場面での「頭をよぎる」の類義語を探してみました。
- 「チラッと考える」
- 「頭をかすめる」
- 「頭に浮かぶ」
- 「通りすぎる」
- 「道すがら立ち寄る」
- 「考えが浮かぶ」
「チラッと考える」
「チラっと考える」という言葉が「頭をよぎる」に近い意味を持つ類義語として出てきます。
「ほんの短い間だけある考えを持つこと」、「僅かな一瞬の間に浮かんできた思いや考え」という意味があります。
「このような不利な状況の中で、試合に負けてしまうことをチラっと考えてしまったのです」というような場面で出てきそうなフレーズです。
必死に戦っている試合でも、相手の猛攻に耐えきれず、「もうダメだ」という弱気の心から、一瞬だけ「負けてしまう」という思いを持ってしまうことがあると思いますが、このようなシチュエーションで使うことができる表現です。
「頭をかすめる」
「頭をかすめる」という表現もあり、これも「頭の中で不安なことが通り抜けていく」という意味で理解することができるでしょう。
「かすめる」とは「財布をかすめる」という場面で使われる言葉で、「さっと盗み取る」や「目をごまかす」、「くらます」という意味があります。
本来ならば「誰も気づかないうちに盗み取る」といったような意味合いがある「かすめる」も、ほんの僅かな時間の中での動きの意味合いがあることから、「頭」+「かすめる」で、「頭の中で不安なことが通り抜ける」という解釈ができるのです。
「頭に浮かぶ」
「頭に浮かぶ」とは、「ある人物や物のことが思い出される」という意味があり、「頭をよぎる」に似た解釈で使える表現です。
特に窮地に立たされた時に、「困った時に頭に浮かんでくるのが、親父のことだった」、「頭に浮かんでくるのは、良くないことばかりだ」というような場面で活用されているフレーズです。
「頭に浮かぶ」という表現は、何か切迫した環境下で使われる印象が強いのですが、小説でもテレビドラマのセリフでも、これが出てくると、鬼気迫るシーンが連想されます。
「頭をよぎる」を使った言葉と意味を解釈
では、ここで「頭をよぎる」を使った言葉の意味を解釈してみることにしましょう。
- 「過去の失敗が頭をよぎる」
- 「離婚が頭をよぎる」
- 「不安が頭をよぎる」
「過去の失敗が頭をよぎる」
「過去の失敗が頭をよぎる」とは、「昔、経験した失敗のことを思い出してしまう」とことです。
誰でも自分の犯した失敗のことは思い出したくないものですが、似たようなシチュエーションになった時に、ふと「頭をよぎる」ことがあります。
そのような経験を持っている人も結構いるのではないかと思うのですが、そのような場面では、過去の失敗で「今回もあの時と同じような失敗を繰りかえすかもしれない」という不安が蘇ってくるのかもしれません。
ここで大切なことは、過去の失敗の経験で萎縮しないようにすることです。
「離婚が頭をよぎる」
「離婚が頭をよぎる」とは、「パートナーから離婚を突き付けられるかもしれないという心配や予感が頭の中に浮かんでくる」という意味になるでしょう。
このようなシチューションが浮気がバレた時や、不倫相手から結婚を迫られたりするような時ではないでしょうか?
最近は、芸能番組で浮気問題や不倫問題が取り沙汰されて、変な注目を集めることがありますが、このような時に「離婚が頭をよぎる」という言葉が当てはまるかもしれません。
「不安が頭をよぎる」
「不安が頭をよぎる」とは、「不安な気持ちが頭の中を通り過ぎる」という理解ができますが、「不安を覚える」という言い回しも、これと同じ意味合いがあります。
「頭をよぎる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、ここで「頭をよぎる」を使った例文の意味を解釈していくことで、具体的な活用シーンを連想してみてください。
- 「頭をよぎる」を使った例文1
- 「頭をよぎる」を使った例文2
「頭をよぎる」を使った例文1
「そんな考えも頭をよぎったのですが、それはアイツのヘルプの合図だったかもしれなかったのです」
これは「アイツ」が危険なシチュエーションで窮地に立たされた時に助けを求めていたのかもしれません。
「アイツ」の合図を目にした時に「助けてくれ」とも感じた私だったのですが、その考えもほんの一瞬のことで、再び別のことを思うようになったのかもしれませんね。
「頭をよぎる」を使った例文2
「気を失う直前に僕の頭をよぎったのは、アイツが犯人かもしれないということだった」
推理小説や刑事ドラマで出てくるワンシーンのようですが、意識を失う直前に頭に浮かんできたのが、犯人かもしれない「アイツ」だったのしょうが、「もっと早くに気付くべきたった」という後悔の念もありそうな感じがします。
「よぎる」を解釈
では、ここで「よぎる」も併せて解釈していくことにします。
- 「チラッと考える」
- 「頭をかすめる」
- 「頭に浮かぶ」
- 「通りすぎる」
- 「道すがら立ち寄る」
- 「考えが浮かぶ」
「通りすぎる」
「よぎる」には「そこを通り過ぎる」、「かすめて通り抜ける」という意味合いがあります。
「私の前で目にも止まらぬ速さで、車がよぎっていったのです」この例文出は「よぎる」=「通り過ぎる」という意味合いで使われています。
「道すがら立ち寄る」
「塾の帰りに行きつけのカフェをよぎっていきました」というような使い方もできるかもしれません。
ここでの「よぎる」とは、「ちょっ立ち寄る」という意味合いがありますが、「道草的にちょっと立ち寄ってみた」という意味で出てきそうな表現かもしれません。
「考えが浮かぶ」
「よぎる」は「脳裏をかすめる」というニュアンスで「考えが浮かぶ」という意味もあります。
「ふと全く異なる考えが頭をよぎったのは、僅か1秒ほどの間でのことだったのです」このような形で「よぎる」を使うことができますが、これも非常に短い時間の中での出来事です。
「よぎる」の英語や例文(解釈)など
「よぎる」を英語で表現すると、“cross one's mind”という表現で言うことができます。
直接的な訳だと、「心が交錯する」というような解釈になるでしょうが、「よぎる」には、人の心の動きが反映されていることが理解できます。
「頭をよぎる」という言葉を聞くと、「心配な気持ちが脳裏をかすめてしまう」ということを想い出すことがないでしょうか?
誰でも、過去に苦い経験をしたり、嫌な思いをしたことがいくつがあるかと思います。
そのような経験を持っている人は、同じような場面に遭遇した時に、どうしても嫌な記憶が蘇ってくるものです。
このような時こそ、嫌な思いや記憶に蓋を閉めるのではなく、敢えて開けたままにして、マイナスの記憶を払拭するような努力をしなくてはなりません。
そうすることで、頭に辛いことがよぎっても、そこから逃げ出す弱い自分ではなくります。
そのような意味では、「頭をよぎる」という言葉は深いものを感じさせてくれる表現かもしれません。