「株を守りて兎を待つ」とは?意味と類語!例文と使い方!
ことわざには様々なものがありますが、どれも過去の出来事に由来しています。
そしなかなか使うことは無くても耳にするものや人生の教訓として扱われるものもあります。
そんなことわざのひとつに「株を守りて兎を待つ」ということわざがあります。
目次
- 「株を守りて兎を待つ」の意味とは?
- 「株を守りて兎を待つ」の語源や由来
- 「株守」「守株待兎」「株を守る」「株を守りて兎を待つ」は同じ意味で使える?
- 「株を守りて兎を待つ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「株を守りて兎を待つ」の類義のことわざ
- 「株を守りて兎を待つ」の英語や例文(解釈)など
「株を守りて兎を待つ」の意味とは?
「株を守りて兎を待つ」の意味として、昔の出来事・古くからの経験などに固執してしまい、変化に対応できない・変わることができないといった意味となります。
ここでの昔の出来事・過去の経験は偶然に起こったこととしており、実力・成果とは異なります。
そのため偶然起こったことを当てにする悪い状況を表す意味も含みます。
また人に対して「融通が効かない・こだわりすぎている・変化に追い付かない」など指導・評価の意味合いも持ちますが、多くはマイナスイメージを含んでいます。
- 「株を守りて兎を待つ」の読み方
「株を守りて兎を待つ」の読み方
「株を守りて兎を待つ」という言葉の読み方として「かぶをまもりてうさぎをまつ」と読みます。
この読み方は今の言葉での読み方となり、漢字もそれぞれ訓読みとなります。
しかしことことわざの由来として中国が起源にあり、「株」は「くいぜ」とも読むことができます。
「株を守りて兎を待つ」の語源や由来
「株を守りて兎を待つ」という言葉は中国から由来した言葉とされています。
昔、中国の宋にて農民が畑を耕していたが、走ってきた兎が切り株に当たり、命を落としました。
農民はその兎を手に入れましたが、それ以降畑を耕すよりも切り株に兎が当たることを待つようになりました。
しかしそんな偶然はそう起こらないにも関わらず、待ち続けるも二度目は来ずに国の笑い者になってしまいました。
このことが由来し、出来事の中核となる「株」と「兎」という言葉を用いた「株を守りて兎を待つ」ということわざが生まれました。
「株守」「守株待兎」「株を守る」「株を守りて兎を待つ」は同じ意味で使える?
「株を守りて兎を待つ」ということわざは複数の言葉が重なってその意味を持ちます。
しかし「株守」「守株待兎」「株を守る」などことわざ中で用いられた言葉で構成された単語・熟語もいくつか存在しています。
しかしどの言葉も持つ意味は「株を守りて兎を待つ」と同じとされています。
あくまで同じ意味で四字熟語や単語・慣用句に置き換えただけとされています。
そのため表現は違えど同じ意味で用いることができ、表現も様々なため場面に応じて使い分けが可能となります。
「株を守りて兎を待つ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「株を守りて兎を待つ」ということわざは日常的に使う機会は少ないのですが、耳にしたり言われる・使う可能性は十分にあります。
また意味合いとしても指導・指摘・評価などマイナスイメージを含むため、解釈を誤らないようにどのような使い方となるか、例文を紹介します。
- 「株を守りて兎を待つ」を使った例文1
- 「株を守りて兎を待つ」を使った例文2
「株を守りて兎を待つ」を使った例文1
「上司に『君はいつも同じやり方にこだわりすぎてバリエーションがないね。そんな君には株を守りて兎を待つということわざがぴったり当てはまるよ』と言われた」
ここでは上司が部下に対して指導の意味で用いています。
同じやり方にこだわっていることで変化がない・柔軟さが足りないといった意味合いを込めています。
また直接指摘せずにあえてことわざで表現することで間接的に伝えるようにしています。
「株を守りて兎を待つ」を使った例文2
「授業で『株を守りて兎を待つ』ということわざを習ったが、先生からこうはならないようにと言われた」
ここでは先生から授業中に受けた指導の回想のなかで用いています。
授業中にことわざの意味を生徒に伝え、それと同時に「こうはなってはいけない」とも伝えています。
ことわざの通りに成長してしまうと悪い方向に向かうとすることからもことわざを通じて生徒への教育を行っています。
「株を守りて兎を待つ」の類義のことわざ
「株を守りて兎を待つ」という言葉は同じ意味でも四字熟語・単語・慣用句など様々な表現が存在します。
同時に意味に類義したことわざも存在しています。
意味を混同しないためにもどのようなものがあるか、例紹介していきます。
- 「柳の下の泥鰌」【やなぎのしたのどじょう】
- 「朔日毎に餅は食えぬ」【さくじつごとにもちはくえぬ】
- 「剣を落として舟を刻む」【けんをおとしてふねをきざむ】
- 「琴柱に膠す【ことじににかわす】
- 「曲がらねば世が渡られぬ」【まがらねばよがわたられぬ】
- 「人と屏風は直ぐには立たず」【ひととびょうぶはすぐにはたたず】
「柳の下の泥鰌」【やなぎのしたのどじょう】
この言葉の意味として一度うまくいったことが何度も起こるわけではない・偶然は続かないという忌みとなります。
このことわざは柳の木の下で偶然ドジョウを捕まえたが、待てども狙えども二度目はなかったことが由来しています。
そのため場面は違えど「株を守りて兎を待つ」と同じ状況であり、意味もほぼ同義となります。
「朔日毎に餅は食えぬ」【さくじつごとにもちはくえぬ】
このことわざの由来はお正月の朔日(1日)はお餅が食べられるが、毎月の朔日に食べられるわけではないこととされています。
そのため良いことが一度あってもそれが毎回ではないという意味になります。
「剣を落として舟を刻む」【けんをおとしてふねをきざむ】
このことわざは船にのっている人が剣を水の中に落としたことがきっかけです。
その際に舟の舷に印を付け、その下を探します。
しかし船は動くため印も動くため見つからないのに印にこだわり続けたことが由来となります。
そして物事の変化についていけずに固執してしまうことを意味し、類義のことわざとされています。
「琴柱に膠す【ことじににかわす】
このことわざは琴柱を動かすことができないように膠で固定してしまうと調子を変えられないということが由来したことわざです。
その意味も物事において融通が効かない・柔軟さがないといった意味となります。
「曲がらねば世が渡られぬ」【まがらねばよがわたられぬ】
このことわざは生きていくには正しさ・真面目さ・清さだけでは生きてはいけないとすることわざです。
意味としては正しいことだけでなく、時には意思を曲げる柔軟さもないと生きるに苦労すると意味しています。
そして他者に使う際「柔軟に対応できない」という意味になるため類義したことわざとされています。
「人と屏風は直ぐには立たず」【ひととびょうぶはすぐにはたたず】
これば屏風は曲げないと立たないことを人に置き換えたことわざです。
人も時には折れる・妥協して曲がらないと生けていけないという意味を持ち、その背景には頑固さ・変化できないこといった意味も含んでいます。
「株を守りて兎を待つ」の英語や例文(解釈)など
「株を守りて兎を待つ」ということわざはそのまま表現する英訳は存在せず、意味からの解釈となります。
実際にどのような表現になるか紹介します。
- “lack of innovation”
“lack of innovation”
“lack”の意味として「不足・欠如」といった足りない・満たされていない意味を表し、それは“innovation”に対応しています。
“innovation”の意味として「」新しい・革新など変化が伴うことを意味します。
それが足りないということから昔のことにこだわる・変化できないといった解釈とされ、「株を守りて兎を待つ」の英訳とされています。
「株を守りて兎を待つ」ということわざは生きていく上での教訓のように扱われることもあることわざです。
また類義したことわざや同じ意味の単語・四字熟語など表現も多彩です。
そして多くは指摘・指導など他者の至らない部分に対して用いられるため、正しく理解した上で使うことが求められます。