「先入観」とは?意味や類語・例文・英語・使い方!「先入観」と「思い込み」の違いまで徹底解釈!
この「先入観」は、見聞きすることの多い言葉ですが、詳しい意味まで知っている人は意外と少ないかも知れません。
目次
- 「先入観」の意味とは?
- 「先入観」と「思い込み」の違い
- 「先入観」の対義語
- 「先入観」を使った言葉など解釈
- 「先入観」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「先入観」の類語や言い換え
- 「先入観」の英語や例文(解釈)など
「先入観」の意味とは?
先入観とは、事前の伝聞などによって得た知識からなる判断基準のことです。
例を挙げると、ある人が気難しいと先に聞いていた為、その人とまだ会ったことがなくても、気難しいというイメージが先に立ってしまっている状態です。
そのような「先入観」をもった状態で、実際に該当の人と会ったとすると、自然に「気難しいので余計なことは言わないようにしなければいけない」といったような判断基準の元に対応することになるでしょう。
もちろん、実際に気難しいかどうかとは別の問題で、自分でそうだと判断した訳ではないのに、この「先入観」によって、そのような人だと思い込んでしまうことになります。
- 「先入観」の読み方
「先入観」の読み方
「先入観」は、「せんにゅうかん」と読む言葉です。
漢字からこの読み方を想像するのは特に難しくないと思われますが、逆に、「せんにゅうかん」という口語から漢字にする際には注意が必要になります。
それは、「観」を「感」だと考えてしまうことが多いからです。
実際にも、「先入感」と使っている間違いを見掛けることが少なくありません。
「感覚」のことだと思い、そちらの漢字の方だと考えてしまうのだと思われますが、それではなく、「観念」(かんねん、何かについて思う意識のことです)なので、「観」の字が使われています。
「先入観」と「思い込み」の違い
「思い込み」とは、自分勝手にそうだと決め付けてしまっている判断基準だと解釈していいでしょう。
その為、「先入観」とよく似た意味だと思われてしまいがちですが、この2つには大きな違いがあります。
それは、「思い込み」は、特に何かの知識などからなるものではなく、勝手にそう決め付けてしまっているだけなのに対し、「先入観」は、それをもつ原因となる知識や伝聞があるという点です。
先に挙げた気難しい人がいい例で、人からそう聞いていたことがそのような先入観をもってしまった原因です。
このような理由もなく、会ったことがない人を気難しいだろうとはまず考えないものですが、反対に、見た目のイメージだけでそうだと決め付けてしまうようなことが「思い込み」です。
「先入観」の対義語
先入観の反対の意味の言葉は、「直観」(ちょっかん)という言葉です。
同音の「直感」の方ではないので、そちらと間違えないように気を付けてください。
この「直観」とは、事前の情報などを一切参考にせずに、その場で決める(決まる)観念のことです。
よって、一切の「先入観」がない状態(あったとしても、参考にしない)という意味を含んでおり、そのまま対義語になります。
「先入観をもたず、直観だけで判断して欲しい」などという使われ方になり、この使い方からも、完全に反対の意味だと分かるでしょう。
「先入観」を使った言葉など解釈
「先入観」の使い方で、よく見聞きする表現です。
この言葉は、それを「もつ」、「ある」と使うことが多いですが、以下のような使い方もできる言葉です。
- 「先入観にとらわれる」
- 「先入観が強い」
「先入観にとらわれる」
「先入観が大きく先に立ってしまっている」状態のことです。
この「とらわれる」と使うと、それに「支配されている」為、どうしてもその先入観の原因となった知識や伝聞などに影響された判断を行うことになってしまいます。
先入観をもつ(少なからず、それが頭にある)こと自体、あまりいいことではありませんが、それにとらわれて(支配されて)しまっていては、正しい判断は行えないでしょう。
「先入観が強い」
この表現は、「〜という先入観が強い」といった使い方と、「先入観が強い人」と使う場合に分かれます。
前者の場合、伝聞などによる知識を大きく参考にしてしまっていると考えてください。
後者は、何事にも自分が既に聞いている内容などを参考にする傾向が強い人のことです。
先入観は、自分で見聞きしたり、体験したことが元になっている訳ではないので、このような人は少し厄介かも知れません。
「先入観」を使った例文や短文など(意味を解釈)
先入観を使った例文や短文と、その意味の解釈です。
これをもってしまう原因は、理由となる伝聞などにすぐに納得してしまうからです。
- 「先入観」を使った例文1
- 「先入観」を使った例文2
「先入観」を使った例文1
「変な先入観があった為に、みすみすチャンスを逃してしまった」
先入観が悪い方向に働いてしまったいい例だと言えるでしょう。
どのようなチャンスだったのかは分かりませんが、例えば、初日は混むので2日目の方がいいと聞いていて、そのような先入観があった為に、初日は避けて2日目に行ってみたところ、既にお目当てのものはなくなっていたといった具合です。
「先入観」を使った例文2
「彼はすぐに先入観をもってしまう性格のようだ」
そのような人は、人からの伝聞などを信じ過ぎてしまう傾向があります。
人から聞いた内容に何の疑いも感じないということ自体が悪い訳でもありませんが、様々な先入観が植えつけられてしまうのと同時に、騙されやすいとも表現できます。
よく言えば、素直で正直だと言うことができますが、現実問題として、多少は人を疑うということも必要です。
「先入観」の類語や言い換え
先入観と似た意味のある言葉や、言い換えになる表現などです。
どちらも似た意味ですが、多少の違いがある点に注意してください。
- 「固定観念」【こていかんねん】
- 「偏見」【へんけん】
「固定観念」【こていかんねん】
固定的にもってしまっている観念のことで、「先入観」と混同して使われることも多い言葉です。
この2つの違いは、「固定観念」の方は、自分はこうだと「思い込んでいる」観念で、「思い込み」に近い言葉だという点です。
ただし、その思い込みの理由は様々で一定ではありません。
よって、「先入観」と意味が被る場合もあり、「思い込み」とも被る場合もあり、更に、実体験によるものだったりと、理由は様々ながら、それらによって生まれた固定的な観念だと考えてください。
「偏見」【へんけん】
この「偏見」は、文字通り「偏ったものの見方」のことです。
これがある理由が、「先入観」や「固定観念」だということが少なくありません。
また、それらとは関係のない「偏見」の場合もあるので、それほど関連性が高い言葉ではないものの、「正しい判断をしていない(可能性がある、またはそれが高い)」という点では似ている言葉だと言っていいでしょう。
「先入観」の英語や例文(解釈)など
先入観を英語で表現すると、“preconception”となります。
“He has a strong preconception.”とすると、「彼は強い先入観のある人だ」という意味になり、その彼は、何事にも事前に得た知識や情報を参考にする傾向が強いと解釈できる例文です。
先入観は、何事に対してももたないに限りますが、人間誰しも1つや2つのそれはあって当然だと言えるでしょう。
問題は、そのようなものをどこまで参考にするかです。
それだけによる判断は危険なことも多いので注意してください。