「流転」とは?意味と使い方!類語や英語を紹介!
この「流転」は、元は仏教用語ですが、一般にもそこから転じた意味で使われている言葉です。
目次
- 「流転」の意味とは?
- 「流転」の読み方
- 「流転」の使い方
- 「流転」は元は仏教用語?
- 「流転」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「流転」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「流転」の英語(解釈)など
- 「流転輪廻」とは?
「流転」の意味とは?
流転は、一般には「常に状態が移り変わる」という意味で使います。
「万物は流転する」という有名な言葉があり、全ての物の形や様は一定の状態に留まらず、移り変わっていくという意味です。
「現在の状態に留まらない」という解釈で使われることが多く、「座礁した船が引き波によって流転している」などといった使われ方がそれになります。
この場合、座礁して自力では動けなくなった船が、強力な引き波によって動かされている(座礁した状態で留まっていない)という解釈になります。
「流転」の読み方
「流転」は、「るてん」と読んでください。
「流」を「る」と読むところが多少難しいですが、この他にも「流浪」(るろう、さまよい歩くという意味)など、同じく「る」と読む言葉があるので、このように読むこともある漢字だと覚えておきましょう。
「流転」の使い方
流転は、「何かが一定の状態に留まっていない」という意味で使うことが多い言葉です。
それが「留まらない」ことを表現する為の言葉ですが、実際の使われ方では「留まっていない」様子に対して用いられることがほとんどです。
よって、そう覚えておけば、すぐにどのような意味で使っているのか分かるでしょう(本質的な意味は一緒です)。
「流転」は元は仏教用語?
「流転」は、冒頭で元は仏教用語だと書きましたが、哲学者のヘラクレイトスによって「万物は流転する」と唱えられたのと、仏教の発祥の時期との前後が定かではない為(共に紀元前5世紀前後だと言われています)、本当はヘラクレイトスの方が先にこの言葉を生み出したのかも知れません。
ですが、一般には仏教用語から転じて一般にも使われるようになったという解釈で浸透しています。
よく見聞きする「有頂天」や「玄関」などの仏教用語が元となっている言葉が多いこともこの説に拍車をかけています。
仏教用語としてのこの言葉の使い方は、下の「流転輪廻」の項で詳しく解説します。
「流転」を使った例文や短文など(意味を解釈)
流転を使った例文や短文です。
ここまでに挙げてきた一般的な使い方で解釈してください。
- 「流転」を使った例文1
- 「流転」を使った例文2
「流転」を使った例文1
「車のブレーキが利かなくなり、しばらく流転していたが何とか止められた」
車はブレーキが利かなくなってしまうと、そこが坂道などではなくても簡単には止められません。
何かぶつけて止めるという荒業もありますが、当然その対象や自分自身の安全も考えた上で行わなくてはいけません。
急にそのような状態になってしまうことがないように、車は定期的なメンテナンスが欠かせません。
「流転」を使った例文2
「どこからか流転してきたと思われるボートが海岸に打ち上げられていた」
潮の流れによっては、このようなことは少なくありません。
ボートということは、誰かが乗っていて、事故が起きた可能性が考えられるので、このようなものを見掛けた際には警察などに連絡した方がいいでしょう。
「流転」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
流転と同様の意味の言葉や、言い換えに使用できる表現です。
どれも「その場所に留まっていない」という似た意味をもっています。
- 「漂泊」【ひょうはく】
- 「転変」【てんぺん】
- 「変遷」【へんせん】
- 「推移」【すいい】
「漂泊」【ひょうはく】
主に水の上で、同じ場所に留まらずに動き続けている様子を表現する言葉です。
「船が流転している」は、「船が漂白している」とこの言葉で言い換えることができます。
陸の上での様子に使うこともできますが、あまりそのような使い方は見聞きしません。
「転変」【てんぺん】
「流転」の本来の解釈の「常に状態が移り変わる」という意味で使います。
「万物は転変する」という使い方も見られ、「流転」が実際には「留まっていない様子」を表現することが多いのに対し、この言葉はそのように使われることは少なく、「流転」の元の意味そのままだと考えてください。
「変遷」【へんせん】
何かが「移り変わる」ことを表現する言葉です。
「流転」の「留まっていない」というニュアンスとは若干の違いがあり、「時代と共に生活様式も変遷している」といった使い方になります。
対象が移り変わる様を指して、「○○の変遷」と表現することができます。
「推移」【すいい】
上の「変遷」と同じく、何かが「移り変わる」ことという意味の言葉ですが、実際には「動き」という意味で使われています。
「売上げの推移」とすると、毎月の売上げの変動のことだと解釈できます。
これも、一つの状態で留まっていないという意味では類語だと考えていいでしょう。
「流転」の英語(解釈)など
流転は、英語では“state of flux”と表記します。
「状態が不確定」という解釈になり、「万物は流転する」の英語表記にもこの形で使われています。
尚、実際の使われ方で多い、「留まっていない」という意味では“not staying”とするのが一番分かりやすいですが、そのまま「留まっていない」という解釈になってしまうので、
上の“state of flux”使った方がいいでしょう(根本的な意味は一緒です)。
その「万物は流転する」は、“All things are in a state of flux.”と表現されます。
この形で、英語でも有名な言葉です。
「流転輪廻」とは?
上で挙げましたが、仏教用語として「流転」を使う場合、この「流転輪廻」(るてんりんね)という形で見掛けることが多いです。
意味は、「生と死を繰り返して終わりのないこと」となり、仏教では、人間は死後にその魂が新たに生まれる違う人間に転生し、その繰り返しによる終わりのない旅だと考えられているからです。
この時の「流転」の使い方は、「生や死という一つの状態に留まらない」という意味で、「輪廻」(りんね)が「その繰り返し」という解釈になります。
尚、この考え方は仏教のそれで、他の宗教では全く違うので注意してください。
死後の人間がどうなるのかについては、一定の考え方がある訳ではなく、宗教ごとに(人によっても)違う解釈となっています。
流転は、主に「同じ状態に留まっていない」という意味で使う言葉だと考えていいでしょう。
「万物は流転する」はとても有名な言葉なので、この機会に一緒に覚えておきましょう。