「逞しい」とは?意味と使い方!例文や語源!類語や英語を紹介!「強い」の違い
「逞しい」という言葉はよく聞きますが、「強い」とはどう違うのでしょう?このように、知っている言葉にも、考えてみれば知らないことというのは多々あります。
ここでは、「逞しい」という言葉についてご紹介していますので、この機会にぜひ一読ください。
目次
- 「逞しい」の意味とは?
- 「逞しい」の読み方
- 「逞しい」の語源
- 「逞しい」の言葉の使い方
- 「逞しい」を使った例文や短文など
- 「逞しい」の類語や言い換え
- 「逞しい」の英語
- 「逞しい」と「強い」の違い
「逞しい」の意味とは?
「逞しい」という言葉は大きく、三つの意味に分けられます。
一つ目は、体がっちりとしていて、腕っぷしが強そうであること、二つ目は、精神面の強さがあり、多少のことではへこたれないようす、三つ目は、あふれるほどの勢いを感じるさまです。
「逞しい」という言葉は、見た目にも内面にも使われる、ということがわかります。
「逞しい」の読み方
「逞しい」は「たくま(しい)」と読みます。
「逞」という漢字はほかに、「テイ」や「こころよ-い」といった読み方があり、ほしいままにすること、満足することといった意味でも使われますが、ここでは単に、たくましさ、たくましいこと、という意味で考えてよいでしょう。
「逞しい」の語源
「逞しい」という言葉は、「類勝」「猛増し」「手組み」といった言葉に由来するといわれています。
「類勝(たぐいまさる)」とは、ほかと比べて優れている、立派なようすです。
「猛増し(たけまし)」は、猛々しいということ、「手組み(たぐみ)」とは、腕を組んで仁王立ちする猛者のようすを表します。
どれも、内実ともにできた人物のことを指し示すことがわかります。
「逞しい」の言葉の使い方
「逞しい」という言葉は、一人であっても物事をきちんと進められるような安心や信頼のある人物や、体が健康、頑丈な人物に対して使われます。
総じて立派な人物に向けて使われる賞賛の言葉とも言えます。
自分に向けてでなく、他者に向けて使うことの方が多いのが特徴です。
「逞しい」を使った例文や短文など
では、「逞しい」という言葉を使用した例文を見ていきましょう。
使い方がわかっていれば、日常に応用できるようになります。
- 「逞しい」の例文1
- 「逞しい」の例文2
- 「逞しい」の例文3
「逞しい」の例文1
「未熟児として生まれた弟だが、アメフトを始めてからみるみるうちに逞しい体つきになった」
見た目の「逞しさ」は、スポーツや筋力トレーニングなどを日常的に行うことで、ある程度培われていきます。
遺伝や性質もありますので、すべての人がトレーニングに耐えうるわけでも、成果が出るわけでもありませんが、健康面からも、体を動かすというのはとてもいいことです。
「逞しい」の例文2
「海外青年協力隊へ応募すると聞いたときは心配だったが、ずいぶん逞しい顔つきになって帰国した」
経験が人を成長させるといいますが、中でも過酷な経験を多く、能動的に積むというのは人を大きく成長させます。
他者に依存せず、責任感をもって生きている人や、死線をくぐり抜けてきた人というのは、顔つきや雰囲気からも「逞しさ」を感じるものです。
「逞しい」の例文3
「逞しい感じのする男だと思っていたが、同棲してみるとゴキブリが出ただけで騒がれ、がっかりした」
体を鍛えたり、見た目にがっちりしている男性はとくに、「逞しい」という感じを周りに与えやすいです。
しかし、精神的なトレーニングを積んでおらず、ちいさな虫に驚いたり、ささいな出来事で落ち込んだりと、内面の強さを兼ね備えていないことも多くあります。
見られている自分と本来の自分とのギャップがあまりに大きい場合には、勝手な期待値の高さゆえにがっかりされるということもあるかもしれません。
「逞しい」の類語や言い換え
つぎに、「逞しい」という言葉の類語表現を見ておきましょう。
言い換えのきく言葉を知っていると語彙が広がります。
- 「強靭」【きょうじん】
- 「タフ」【たふ】
- 「健剛」【けんごう】
「強靭」【きょうじん】
「きょうじん」と読み、しなやかさを伴った強さや、粘り強さがあることを意味します。
「強靭」も、肉体面、精神面ともに使われる言葉で、すこしのことでは諦めない強さ、へこたれなさを表します。
「強靭な精神力がなければ、難関校に受かるなどほとんど無理だろう」
「タフ」【たふ】
多少のことではへばらないことや、相当の努力を必要とするものごとについて使われます。
英語でも「タフガイ」のように使われます。
手ごわい、ということもできるでしょう。
「彼女の仕事量は、そもそも尋常でなく多いが、彼女ほどのクオリティでこなすためには相当のタフさを求められる」
「健剛」【けんごう】
「けんごう」と読み、心身ともに強く、屈しないことを言います。
「逞しい」という言葉では、どちらかの意味だけでも使われましたが、フィジカルとメンタル、どちらも兼ね備えている場合には「健剛」というとより、その強さを表現できます。
「彼は少年の頃から健剛で、大人に媚びない態度をしていた」
「逞しい」の英語
「逞しい」を英語で表すには、どのような単語を知っておくといいでしょう。
よく知られているものも、あまり知られていないものもありますので、どちらも紹介します。
- “strong”、“powerful”、“tough”
- “hardy”、“robust”
“strong”、“powerful”、“tough”
この三つは、知っている人も多い単語といえます。
“strong”とは力が強いこと、体力的に優れていることを意味し、“powerful”とは、心身どちらに対しても使われる力強さや、逞しさ、また、権力をもっていることも意味します。
“tough”とは精神的な強さについてとくに言われますので、知っている単語の中でも、どれが使用する場面にふさわしいかを考え、選ぶとより話の内容が伝わりやすくなります。
“hardy”、“robust”
あまり使うことのない単語かもしれませんが、こちらも「逞しい」を意味する単語です。
“hardy”とは、頑丈で、苦難に耐えられる、苦難を乗り越えられる人をいい、“robust”とは、健全な強さ、がっちりしていることを意味します。
これらも、心身のどちらに特化した単語か、という差がありますので、使い分けすることでよりふさわしい言葉遣いができるようになります。
「逞しい」と「強い」の違い
「逞しい」という言葉は、強そうな感じがする、という見た目や雰囲気といった、外見上のことを第一義としてとらえている言葉ですが、「強い」とは、実際に強さを保有していることを意味します。
内実ともに「強い」ことを「逞しい」ということもあるため、使い分けがわかりづらい言葉ではありますが、そもそもの意味を考えれば、その差がはっきりとわかります。
「逞しい」とは、強そうなことや、実際に強いことを意味する言葉でした。
心身ともに頑丈であれば、どんな苦難や局面も乗り越えられるでしょうから、内実ともに「逞しく」あるよう、日々の積み重ねが必要になりそうです。