「大往生」とは?意味と使い方!例文!類語や英語を紹介!
「大往生」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
冠婚葬祭は非常に繊細な場ですから、間違いのない言葉遣いを心がけたいものです。
それならば、葬儀の時に耳にする可能性がある「大往生」という言葉はどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「大往生」という表現について紹介します。
目次
- 「大往生」の意味とは?
- 「大往生」の読み方
- 「大往生」の言葉の使い方
- 「大往生」を使った言葉と意味を解釈
- 「大往生」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「大往生」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「大往生」の英語(解釈)・例文など
「大往生」の意味とは?
「大往生」というのは少しの苦しみもなく、安らかに死ぬこと、あるいは立派な死に方、を指しています。
理想的な死に方と考えられており、一般的には苦痛や心の乱れがない状態で死ぬこと、そこから転じて長生きして寿命を全うした、などという意味で使われる場合もあります。
例えば、若くして病気で亡くなった場合は「大往生」とは言いません。
まだ寿命を全うしたわけではない、病気で苦しみながら亡くなったという場合は「大往生」とは言えません。
長生きし、思い残すことなく安らかに寿命を全うした、という場合は「大往生」だと考えられます。
「大往生」の場合、今までは華やかな宮型霊柩車が使われることが多かったと言われています。
金色で飾られた霊柩車を見たことがある、という人も多いのではないでしょうか。
これは日本文化を反映していると考えられており、海外でも人気が高く、霊柩車として使われた後は海外に輸出されることもありました。
しかし最近では装飾が必要なく、費用が抑えられるということでリムジン型の黒い霊柩車が用いられることも増えています。
「大往生」の読み方
これは「だいおうじょう」と読みます。
冠婚葬祭においては非常に重要な表現ですので、正しく覚えておく必要があります。
「大往生」の言葉の使い方
これはもともと往生という仏教用語からできた言葉です。
浄土に生まれることは極楽往生と言われていますが、そこには安らかに死ぬこと、という意味合いも含まれています。
そこから「大往生」という言葉が安らかに死ぬ、という意味で使われるようになりました。
「大往生」を使った言葉と意味を解釈
ここでは「大往生」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「大往生を遂げる」
「大往生を遂げる」
これは安らかになくなる、思い残すことや苦しみがない状態で心安らかになくなる、といった意味合いを持っています。
特に病気などで苦しみながら死ぬのではなく、家族に見守られ、平安な状態で満足できる人生を送った、後悔なく立派な最期を迎えた、という意味になります。
「大往生」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「大往生」を使った例文1
- 「大往生」を使った例文2
「大往生」を使った例文1
「大往生という表現は他人が使うべきではありません」
確かに、もしも誰かの葬儀に参列した時、その人が心安らかに亡くなったと言われたら、「大往生だったのかな」と思うこともあるでしょう。
しかし、遺族は「もっと長生きして欲しかった」と思っている可能性もあります。
悲しみの中にいる遺族に対して、周りの人が「大往生でしたね」などと言ってはいけません。
「大往生」だったかどうか判断するのは遺族であり、周りの人には分かりません。
ですから、自分が遺族ではない限り、「大往生」という言葉は軽々しく口にするべきではありません。
「大往生」を使った例文2
「父は95歳の高齢で大往生を遂げました」
もしも自分の親族が高齢で安らかにその生涯を閉じたのであれば、「大往生」と言う表現が使えます。
周りから「お悔やみ申し上げます」と言われたときには「いえ、大往生でした」と返答できます。
「大往生」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 「天に召される」【てんにめされる】
- 「天寿を全うする」【てんじゅをまっとうする】
- 「天に昇る」【てんにのぼる】
「天に召される」【てんにめされる】
天に召されるという表現は、死ぬ、昇天する、という意味です。
天国に行く、という意味合いを持ち、満足した人生を終えた、人の役に立つ人生を終えた、天国に行った、という意味になります。
文学的に言い換えた表現であり、直接的に死ぬという表現を使いたくない時などにも利用可能です。
お亡くなりになる、という尊敬語としても使われます。
「天寿を全うする」【てんじゅをまっとうする】
天寿を全うするという表現は、天から授かった寿命を生き尽くして死ぬ、長生きして死ぬ、という意味です。
人生を最後まで生きた、という意味を持ち、天寿というのはあらかじめ定まっていると考えられている寿命を指しています。
数え年では250歳のことを、天寿と呼びます。
実在した人の中では、中国の漢方医であった李青曇(りせいどん)という人物が256歳まで生きていたと考えられていますが、ギネスでは非公認になっています。
「天に昇る」【てんにのぼる】
天に昇る、という表現も文学的に言い換えた表現で、昇天する、あの世に旅立つ、という意味になります。
天にも昇る気持ち、と使われることもあり、この場合はこの上ない喜び、恐悦至極、無常の喜び、などという意味になります。
「大往生」の英語(解釈)・例文など
「大往生」という表現を英語にすると、“peaceful death”になります。
「大往生」を遂げたという表現であれば“die in a peace”、“die a calm death”という言い回しが使えます。
- 「大往生」の英文例1
- 「大往生」の英文例2
「大往生」の英文例1
“My grandpa died a peaceful and natural death.”
これは、「祖父は大往生を遂げた」という意味になります。
静かで自然な死を遂げた、という時にこのような言い回しが使えます。
最近は日本人の平均寿命も低くなっていると言われていますが、例えば祖父が90代で亡くなった場合などはまさに「大往生」だと言えるでしょう。
しかし、たとえ70代で亡くなったとしても遺族は天寿を全うしたと考えていることもありますので、年齢だけで「大往生」だったかどうかは判断できません。
「大往生」の英文例2
"She passed away as in sleep."
これは「彼女は眠るように大往生を遂げた」という意味になります。
苦しみながら死ぬのではなく、眠るように死ぬことができたら、幸せだと感じますよね。
まるで眠るかのように静かに安らかに亡くなった、というときにはこのような言い回しが使えます。
「大往生」という言葉は、葬儀のときにはよく使う表現だと言えます。
しかし、寿命を全うしたとは言えないような若い人が亡くなった時、あるいは遺族ではない人が葬儀に参列する時などには使うべきではない表現でもあります。
マナーを心得え、適切な使い方ができるようにしておきましょう。