「拍車がかかる」の意味とは?拍車とは?元々はネガティブな表現に使われていた?詳しく紹介!
「拍車がかかる」、という言い回しを聞いたことがあるでしょうか。
聞いた事はあるけれどよくわからない、という人も多いことでしょう。
実際には、「拍車がかかる」という表現はどのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「拍車がかかる」という表現について紹介します。
目次
- 「拍車がかかる」の意味とは?
- 「拍車がかかる」の読み方?
- 「拍車がかかる」の英語(解釈)
- 「拍車がかかる」の対義語
- 「拍車がかかる」の言葉の使い方・元々はネガティブな表現に使われていた?
- 「拍車がかかる」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「拍車がかかる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「拍車がかかる」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
- 「拍車がかかる」と「拍車をかける」の違い
「拍車がかかる」の意味とは?
「拍車がかかる」、というのは物事が何かをきっかけとしてよりいっそう進行するようになること、という意味を持ちます。
一段と速くなる、事の成り行きが良くなる、力が加わる、という意味を持ちます。
良い意味でも悪い意味でも使われます。
- 「拍車がかかる」の拍車とは?
「拍車がかかる」の拍車とは?
「拍車がかかる」、という表現の拍車、とは、一体どのような意味を持つのでしょうか。
これは車の名前ではありません。
拍車とは乗馬をする時、靴のかかとにつけておく金具のことを指します。
馬に乗るときは馬にまたがり、ふくらはぎで馬の横っ腹を圧迫し、前進させます。
その合図をより強くするため、かかとに突起物をつけるようになりました。
これが拍車です。
「拍車がかかる」の読み方?
「拍車がかかる」、という表現は「はくしゃがかかる」と読みます。
しっかり読めるようにしておきましょう。
「拍車がかかる」の英語(解釈)
「拍車がかかる」、という表現は刺激する、という意味になります。
そのため、“reinforce”という表現が適切です。
これは強化する、という意味があり、その勢いをつけるということになります。
例えば、「あの政治家は経済に拍車をかけ、景気を回復させると約束した」ということであれば“That politician promised he would reinforce the economy on to complete recovery.”と表現できます。
「拍車がかかる」の対義語
「拍車がかかる」、という表現には特にこれといった対義語がありません。
ただし、進行をより一段と速くさせる、という意味であるということを踏まえれば、その対義語は「焼け石に水」などという表現が適切だと言えるでしょう。
焼け石に水、というのはわずかばかりの努力や援助では効果がほとんど期待できない、という意味になります。
真っ赤に焼けてしまった一緒に水をかけても意味がありませんね。
水は蒸発してしまい、石は全く冷えません。
少しばかりの努力では何の意味もない、という意味になります。
それに対して「拍車がかかる」、という表現はよりいっそう勢いを増、スピードが速くなる、という意味になりますので、焼け石に水、という表現はまさに対義語だと言えるでしょう。
「拍車がかかる」の言葉の使い方・元々はネガティブな表現に使われていた?
「拍車がかかる」、という言葉は安土桃山時代から存在していたと考えられています。
というのは、そもそも馬に乗っていた鎌倉時代や江戸時代の武士たちは靴を履いていませんでしたから、拍車を取り付けることがありません。
しかし、安土桃山時代に日本にやってきたポルトガルの宣教師たちが「日本で馬に乗るにあたり、拍車がない」と書き残した手紙が残っています。
つまり、拍車をつけた靴を履き、馬に乗る習慣を持っているヨーロッパの人たちにとって、そのようなものをつけずに馬に乗る日本人は驚きの光景として映ったのでしょう。
日本では鐙を拍車の代わりにしていました。
しかし、馬の横っ腹を金具が付いた靴で蹴るとは、危険そうですよね。
今では馬を守るためにそのような金具はつけないようにと言われています。
「拍車がかかる」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
ここでは「拍車がかかる」、という表現を利用した言い回しを紹介します。
- 「インフレに拍車がかかる」
「インフレに拍車がかかる」
「インフレに拍車がかかる」、というのはインフレの勢いが加速する、という意味です。
インフレとはインフレーションのことであり、インフレーションというのは経済において科学や物価が持続的に上昇する、ということになります。
例えばガソリンの価格等は直接的に人々の生活に影響を与えます。
そのように物価が上がるという事はインフレになっているということであり、例えば石油価格が上がったり、経済が悪化したりすることによって拍車がかかってしまう場合があります。
「拍車がかかる」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「拍車がかかる」の例文1
- 「拍車がかかる」の例文2
「拍車がかかる」の例文1
「彼女は娘のダイエットをやめさせようとしたが、逆にダイエットに拍車がかかってしまった」
最近では自分の見た目を気にしすぎて、極度のダイエットをしてしまった結果、拒食症になるなどといった問題を抱える女性が増えています。
もしも自分の娘がダイエットに夢中になり、あまりにも体重を減らしてしまえば心配になりますよね。
しかし、そのような場合に助言の仕方を誤ってしまえば、逆に拍車をかけてしまう可能性があります。
「拍車がかかる」の例文2
「もともと一生懸命勉強していたが、試験を目前として拍車がかかったらしい」
受験等のために一生懸命勉強している人は、試験が近づいてくるにつれてさらに拍車をかけ、勉強することがあります。
特に周りのライバルたちが進学先を決めたり、自分に自信を持ったりすると、さらに拍車をかけて勉強できますね。
受験は大変ですが、その努力はきっと報われます。
「拍車がかかる」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
ここでは類義語を紹介します。
- 「本格化する」【ほんかくかする】
- 「火に油を注ぐ」【ひにあぶらをそそぐ】
- 「追い風に乗る」【おいかぜにのる】
「本格化する」【ほんかくかする】
本格化する、という表現はその場の雰囲気が高まること、を指しています。
本格という表現に接尾辞である「化」がついた表現であり、今まで準備してきたことが本格化する、などといった使われ方があります。
「火に油を注ぐ」【ひにあぶらをそそぐ】
火に油を注ぐ、という表現は勢いの激しいものにいっそう勢いを加えること、という意味を持ちます。
騒ぎを大きくしてしまうなど、望ましくない結果が生じた場合に使われます。
良い結果が出る場合に使われる事はありません。
「追い風に乗る」【おいかぜにのる】
追い風になる、というのは背後から進行方向に向かった風を受けて加速すること、という意味を持ちます。
好意的な雰囲気によって利益を得る、上昇気流に乗る、などといった言い回しもあります。
「拍車がかかる」と「拍車をかける」の違い
「拍車がかかる」、というのは良い影響を受ける、という意味ですが、拍車をかける、というのは良い影響を与える、ということになります。
自分が勢いをつける側か、勢いをつけさせる側か、によって表現が異なります。
拍車をかける、という表現は日常的にも使えますし、ビジネスでも使えます。
経済的にも大切な言葉ですから、ぜひ覚えておきたいものです。