「早とちり」の意味とは?「勘違い」との違い、ビジネスでの使い方や英語を解釈
この「早とちり」は、言葉の意味が縮まった結果、できた言葉だと考える言葉できます。
目次
- 「早とちり」の意味とは?
- 「早とちり」の読み方?
- 「早とちり」の英語(解釈)
- 「早とちり」の語源
- 「早とちり」の言葉の使い方
- 「早とちり」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「早とちり」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「早とちり」の類語や言い換え表現(シソーラス)
- 「早とちり」と「勘違い」の違い
- 「早とちり」の敬語・ビジネスでの使い方
「早とちり」の意味とは?
早とちりとは、「早合点をしてとちってしまう」ことです。
冒頭にも書きましたが、この「早合点」と「とちる」という2つの言葉からできており、先の「早合点」とは、「よく分からないうちに分かった気になってしまう」ことです。
つまり、まだ10のうち、2や3しか聞いていないのに、全てを分かったような気になってしまうことで、その結果、「とちってしまう」のが「早とちり」です。
「とちる」は、元は演劇用語で「セリフや演技を間違える」という意味です。
そこから転じて、「失敗」そのものを指す言葉として一般に定着しています。
この2つの意味が合わさって、「よく分かっていないうちに行動を起こしてしまった為に失敗する」という意味の言葉となっています。
「早とちり」の読み方?
「早とちり」は、「はやとちり」と読んでください。
「早」を「はや」と読むことだけに注意すれば問題ないでしょう。
「とちり」(とちる)は、漢字では「栃り」(栃る)と表記しますが、これは、以下で紹介する語源からきているもので、実際にそう使うことはまずありません。
平仮名が正式な表現だと覚えておいていいでしょう。
「早とちり」の英語(解釈)
早とちりは、英語では“jump to conclusions”と表記します。
直訳すると、「結論に飛びつく」という意味になり、「早とちり」の意味にかなり近いと解釈していいでしょう。
英語でよく使われるフレーズに、“don't jump to conclusions”という一文があり、「結論を急ぐな」という意味になります。
また、これで「早とちりするな」とも解釈でき、「慌て者」に対してよく使われています。
「早とちり」の語源
「早とちり」の「早」は、「早合点」のことだと先に書きましたが、「とちり」の方にもきちんとした語源があり、「とちり」(とちる)は、「栃麺棒」(とちめんぼう)からきています。
この「栃麺棒」自体、「慌てること」という意味で使うことができ、「栃麺」を作る時には迅速さが必要なことからできた言葉です(「栃麺棒」は、栃麺の為に必要な棒でもあります)。
そして、その早さがなかった為に失敗してしまうことが「栃る」(とちる)と呼ばれるようになり、「失敗する」という意味で使われるようになりました。
これらが「早とちり」の語源です。
「早とちり」の言葉の使い方
早とちりは、「慌てて間違えてしまった」という時に使われることが多い言葉ですが、その原因が自分の「早合点」だった時に使うものです。
何の情報もなく、単に慌てた所為で失敗してしまったという時には使えない言葉で、さわりを聞いただけで全部が分かった気になり、それによって失敗した場合に(もしくは、そのような様子に対して)使ってください。
「早とちり」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「早とちり」を使ったよく見る言葉や表現です。
この言葉の意味が分かっていれば、解釈に問題はないでしょう。
- 「早とちりな人」
「早とちりな人」
説明を最後まで聞かず、すぐに全て理解したような気になってしまうことが多い人に対して使います。
「気が短い人」だと考えてもいい表現で、そのような人が相手の場合、「早とちりな人だから、くれぐれも丁寧に説明して」などと注意喚起する場面なども見られます。
この「早とちり」でいいことは何もないので、そのような傾向がある人は、そうだと自覚して直す努力をしないといけないでしょう。
「早とちり」を使った例文や短文など(意味を解釈)
早とちりを使った例文や短文です。
意味は1つしかない言葉なので、難しい解釈をする必要はありません。
- 「早とちり」を使った例文1
- 「早とちり」を使った例文2
「早とちり」を使った例文1
「早とちりをしてしまい、後でやり直す羽目になってしまった」
分かった気になって何かを行ったが、うまくいまずにやり直すことになったと言っています。
「早とちり」してしまうと、後からこのようなことになってしまう場合も少なくないので、人の話や説明はきちんと最後まで聞きましょう。
「早とちり」を使った例文2
「どれだけ早とちりをしたら、そんな結論に至るのだろう」
「早とちり」の度合いが酷かったという使い方です。
全く説明を理解していなかった為に、とんでもない結果になりそうだ(なってしまった)と言っており、そのような早とちりが一番困るものです。
「早とちり」は、それをしてしまう人に問題があるのは間違いありませんが、そうさせないような伝え方なども考えるべきだと言えるでしょう。
「早とちり」の類語や言い換え表現(シソーラス)
早とちりと似た意味で使える言葉や、言い換えに使える表現です。
どれも、同じような意味で使うことができます。
- 「早呑み込み」【はやのみこみ】
- 「迂闊」【うかつ】
- 「考え過ぎ」【かんがえすぎ】
「早呑み込み」【はやのみこみ】
この言葉は、「早合点」とほとんど同じ意味で使います。
これによって失敗してしまうことが「早とリ」になり、「早呑み込みは失敗の元だよ」などという使い方をされます。
「失敗」と共に使うと、「早とちり」の言い換え表現に利用できます。
「迂闊」【うかつ】
「迂闊にミスを犯してしまった」などと使われます。
「うっかりとしていた」という意味で使うので、「早とちり」とは多少意味が異なりますが、「本人の不注意による失敗」として、こちらもよく使われる言葉です。
「考え過ぎ」【かんがえすぎ】
「早とちり」とは逆に、聞いた話や説明以上に考え過ぎてしまうと、それによって失敗を招くことも少なくありません。
「必要以上に考え過ぎてしまった為、余計なことをしてしまった」などと使われることが多く、早合点もよくありませんが、この考え過ぎてしまうのもいいこととは言えません。
「早とちり」と「勘違い」の違い
「勘違い」は、「間違って解釈してしまう」ことなので、「話や説明を充分に聞いていなかった為の失敗」である「早とちり」とは意味が異なります。
「早とちり」も「勘違い」の一種ではありますが、きちんとした原因がある(早合点をした為)のに対し、「勘違い」は理由が一定ではない(または、それといった明確な理由がない)点が違いとなります。
「早とちり」の敬語・ビジネスでの使い方
「早とちりしてしまった」と丁寧に使う時には、「早合点」を使って言い換えます。
この言葉は「早とちり」の意味に使われているように、これによる失敗こそが「早とちりです」。
よって、「早とちりをしてしまいました」でも充分に丁寧ですが、ビジネスで使う場合には、「早合点により、失敗してしまいました」とするのがいいでしょう。
要は、「早とちり」と略さずに、意味をそのまま丁寧に表現した方がいいと考えてください。
早とちりは、気が短い人に多いと考えることができます。
人の話や説明は、きちんと最後まで聞くものです。
また、必要以上に考え過ぎてしまっても、それも失敗してしまう原因となる場合があるので、こちらにも注意しないといけません。