「役不足」の意味とは?誤用や間違い、対義語や英語、使い方や例文を紹介!
この「役不足」は、誤用が横行している言葉だと言えるでしょう。
もちろん本来の意味で使って欲しいのは言うまでもありません。
目次
- 「役不足」の意味とは?
- 「役不足」の読み方?
- 「役不足」の英語(解釈)
- 「役不足」の対義語
- 「役不足」の言葉の使い方・誤用や間違い
- 「役不足」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
- 「役不足」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「役不足」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
「役不足」の意味とは?
役不足とは、「与えられた役割や役目が、その人の力量に対して軽過ぎる」という意味の言葉です。
つまり、「そんな役割や役目を与えるつもりか」と馬鹿にされていると感じた時に使うのが本来の使い方です。
詳しくは後述しますが、世の中では誤用されているケースが結構見られ、この本来の意味では使っていないことが往々にしてあります。
しかし、そちらで定着してしまっているという訳でもないので、きちんとした意味で覚えておきましょう。
「役不足」の読み方?
「役不足」は、「やくぶそく」と読んでください。
元は演劇用語で、与えられた役に不満がある(主役などではない端役を与えられた)時に、自分にはそんな役は軽過ぎる、もっと上の役が欲しいという意味で使う言葉です。
そこから転じて、一般でもほとんど同じ意味で使われるようになりました。
元の「役」は文字通り、演劇上での「役」でしたが、それが「役割」や「役目」、時には「役職」として用いられています。
「役不足」の英語(解釈)
役不足は、英語では“be worthy of a better role”と表記します。
この表現で、「もっといい役割の価値がある」となり、「役不足」の意味と解釈することができます。
ただ、多少堅い表現となっているので、使う場面によってはもっと簡単にこの「役不足」の意味を表現できる言葉があります。
それは、“too easy”で、この言葉で「簡単過ぎる」と言ってしまうことです。
仲間内程度の会話であれば、こちらの表現でも充分に「役不足だよ」と表現できます。
以下で、もっと詳しくこれらの言葉で「役不足」だと伝えている例文を挙げていきます。
- “he may be worthy of a better role”
- “it's too easy for me such a role”
“he may be worthy of a better role”
「彼には役不足かも知れない」という使い方です。
彼の技量や実力からして、もっと上の役割や役目があるのではないかと暗に伝えているとも考えていいでしょう。
人に対して使う時には、こちらの“be worthy of a better role”の方がいいでしょう。
“it's too easy for me such a role”
「そんな役目は自分には役不足だ」と解釈してください。
こちらでは、“too easy”で「役不足」としています。
もっと軽めに「俺には簡単過ぎるよ」などといった訳にしても構いません。
「役不足」は元々そのような意味だからです。
「役不足」の対義語
役不足の反対は、「自分には役割が重過ぎる」ということになるので、その意味になる「荷が重い」(にがおもい)が対義語(表現)だと考えていいでしょう。
また、「力不足」(ちからぶそく)でも、それと置き換えることができます。
「自分では力不足だ」と言うと、「自分には荷が重い」という意味になるので、こちらも対義語だと考えていいでしょう。
「役不足」の言葉の使い方・誤用や間違い
役不足は、ここまでに挙げてきたような意味で使う言葉ですが、冒頭でも書いたように、誤用されているケースがまま見られます。
ここでは、それについて詳しく解説していきます。
- 「役不足」の本来の使い方
- 「役不足」の間違ったの使い方
「役不足」の本来の使い方
この言葉は、「自分には役割や役目、または役職が軽過ぎる(簡単過ぎる)」という意味で使います。
これこそが本来の意味で、こちらの意味で使ってこその言葉です。
しかし、世の中では何故か以下で説明する誤用で使っているケースが多く見られます。
「役不足」の間違ったの使い方
誤用としての使い方とは、「その役割や役目には荷が重い(それらをこなすには実力が不足している)」という解釈です。
これでは対義語として使っていることになってしまい、全く逆の意味になってしまいます。
その為、きちんと意味が分かっている人から、「それを言うなら「力不足」だ」と指摘されることが少なくありませんが、無理にそのような指摘ばかりしていると、以下のように呼ばれてしまう場合があります。
「役不足」を使った言葉・慣用句や熟語・関連(意味・解釈)
「役不足」の誤用に対して厳しい人を揶揄して使う言葉です。
すぐ上で書いた、そのように呼ばれるという表現です。
- 「役不足警察」
「役不足警察」
この「役不足」という言葉は、誤用で使われることが多いことから、そういった使い方があると、すぐに違うと指摘したがる人を揶揄してこのように呼んでいます。
その指摘自体は合っているのですが、言葉の間違いくらいのことで、まるで警察の取り締まりのようだと言っている訳です。
尚、この手の言葉には、その他にも「確信犯警察」などがあります。
これもまた、「確信犯」という言葉の誤用を見付けると、それに対してすぐに突っ込んでくるような人のことです(「確信犯」の本来の意味や誤用については特にここでは述べませんが、「役不足」のように誤用されることが多い言葉の1つです)。
「役不足」を使った例文や短文など(意味を解釈)
役不足を使った例文や短文です。
もちろんですが、本来の意味で使っています。
- 「役不足」を使った例文1
- 「役不足」を使った例文2
「役不足」を使った例文1
「店頭でのチラシ配りなんて、役不足にもほどがある」
そうは言っても、それも大切な仕事の1つです。
しかし、自分にはもっと他の仕事の方が向いている(そちらの方が実力を発揮できる)と思って言っているのが分かる使い方です。
「役不足」を使った例文2
「こんな役不足な役目しかもらえないとは、見くびられたものだ」
「見くびられる」は、「馬鹿にされる」という意味だと考えてください。
主に「下に見られる」という意味で使う表現で、この例文では、そんな役目しかできないと思われていると言っています。
「役不足」の類語や言い換え(シソーラス)言い換え
役不足と似た意味で使える言葉や、言い換えることができる表現です。
「役不足」の意味そのものだと考えてもいいでしょう。
- 「物足りない」【ものたりない】
- 「満足できない」【まんぞくできない】
「物足りない」【ものたりない】
この「物足りない」は、「不足している」という意味で、「そんな役目は自分には物足りない」といったように、「役不足」だということをこちらで言い換えて表現できます。
「満足できない」【まんぞくできない】
これも、「不足や不満がある」ことを表現する為の言葉です。
「そんな役目では満足できない」と使うと、その役目に「役不足」だと言っているのと同じになります。
「役不足」は、誤用されているケースがそれなりに多い言葉ですが、決してそちらで定着しているという訳ではないので、本来の意味で正しく使ってください。