「頭が上がらない」の意味とは・慣用句・英語・類語「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違い
「頭が上がらない」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
逆に、頭が下がる、という表現を聞いたことがあるという人もいるかもしれませんね。
これらは、一体どのような意味を持つのでしょうか。
ここでは「頭が上がらない」という表現について紹介します。
頭が下がるという表現も紹介しますので、どのように違うのかしっかり覚えておきましょう。
目次
- 「頭が上がらない」の意味とは?
- 「頭が上がらない」の読み方?
- 「頭が上がらない」の英語(解釈)
- 「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違い
- 「頭が上がらない」の言葉の使い方
- 「頭が上がらない」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「頭が上がらない」の類語や類義表現(シソーラス)
- 「頭が上がらない人」の特徴
「頭が上がらない」の意味とは?
「頭が上がらない」、というのは引け目を感じて対等な関係に立てないという意味になります。
何か悪いことをしたとき、あるいは何か失敗してしまった時、自分の方が相手より下だと思うときに使います。
つまり、対等だけれど、何かしらの理由があり、自分が下に立っていると感じるときに使う言葉なのです。
例えば、職場などで同じ立場にいる同僚が1人いるとしましょう。
しかし、自分が何かしら大失敗をしてしまい、上司からひどく怒られたとします。
もしもその時、同等の立場にいる同僚から「大丈夫だよ、失敗は誰にでもある、頑張ろう」などと言われた場合、「自分は君に頭が上がらないよ」と表現できるのです。
「頭が上がらない」の読み方?
「頭が上がらない」、という表現はそのまま「あたまがあがらない」と読みます。
「のぼらない」ではありませんので気をつけましょう。
送り仮名がありますから、間違える事はまずないですね。
「頭が上がらない」の英語(解釈)
「頭が上がらない」という表現は、直訳してもきちんとした意味はありません。
これ自体はことわざのようなものですから、意味合いを捉えて訳す必要があります。
対等な立場になれない、という意味を持ちますので、“out of somebody’s league”と訳せます。
例えば、「彼はいつも私を助けてくれているから、私はあの人に頭が上がらない」というのであれば、“she helps me a lot so I am no match for him”、あるいは“helps me a lot so I am out of his league”と表現できます。
「頭が上がらない」と「頭が下がる」の違い
それならば、「頭が上がらない」という表現と頭が下がるという表現はどのように違うのでしょうか。
これらは意味が大きく異なりますが、今後をしている人は少なくありません。
「頭が上がらない」という表現は何かしら理由があり、自分がその人と対等な立場に立てない男という意味になります。
頭が下がるというのは自分より同等の人、あるいは自分よりも下にいる人が良い行いをしたり、優秀であった場合など、尊敬をあらわして使う言葉になります。
例えば、「あの人はいつも仕事をがんばっていて、本当に頭が下がる」というのです。
この時は、「あの人には頭が上がらない」とは言いません。
自分には何の過失もありませんし、理由があってその人と対等に立てないわけでは無いからです。
頭が下がる、という表現は相手が自分よりも優れている場合に使います。
それに対して「頭が上がらない」というのは、理由があって自分が下に立っている状態である、という時に使えるのです。
「頭が上がらない」の言葉の使い方
「頭が上がらない」、という表現は頭が下がる先という表現とは意味が違います。
しかし、どちらが正しいのかよくわからない、何が違うのかわからない、という人は少なくありません。
しっかりと区別がつけられるように、正しい使い方ができるようにしておきましょう。
頭が下がる、というのは感服する、尊敬する、という意味であり、「頭が上がらない」、というのは対等ではいられない、という意味です。
「頭が上がらない」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは例文をいくつか紹介します。
- 「頭が上がらない」を使った例文1
- 「頭が上がらない」を使った例文2
「頭が上がらない」を使った例文1
「大学時代の友人をライバル視してきたけれど、最近はミスが多くて彼には頭が上がらないよ」
人間には誰にでも競争心がありますよね。
特に大学時代の友人であったり、同級生であったりすると、誰よりも上でありたい、と感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、同級生が何の問題もなく昇進等を経験している中、自分は見過ごしてしまってうまくいかない、今日も上司に叱られた、などという事情があると、どうしてもその人には頭が上がらないと感じてしまうかもしれません。
しかし、間違いは誰にでもあります。
間違えない人はいないのです。
引け目を感じることなく、毎日少しずつ努力をしていかなければいけません。
「頭が上がらない」を使った例文2
「今日は一生懸命仕事をしたつもりだったけれど、彼女のフォローがなかったら成功できなかった彼女には頭が上がらない」
誰しも自分の仕事にプライドを持っていますよね。
任された仕事は責任を持ってやりたいと思います。
しかしその一方で、時と場合によっては誰かの助けが必要になることもあります。
特に自分がピンチに陥ったとき、失敗する前に誰かが助けてくれたら、そしてその人が本来自分と同等の人だったら、相手に「頭が上がらない」と感じることもあるかもしれません。
次は自分がその人を助けてあげられるように努力したいですね。
そうすれば自分に自信をつけられますよ。
「頭が上がらない」の類語や類義表現(シソーラス)
ここでは、「頭が上がらない」という表現の類義語を紹介します。
- 逆らえない【さからえない】
- 強く言えない【つよくいえない】
- 感心する【かんしんする】
逆らえない【さからえない】
逆らえないというのは、権力を持つ人に対して反論できない、という意味になります。
これも「頭が上がらない」という表現に似ていると言えるでしょう。
自分がミスをしてしまい、その人に「頭が上がらない」と思ったら、例えばその人が「今日飲みに行こうよ」と誘ってきた場合、なかなか断れませんよね。
負い目を感じてしまうと、その人に逆らえなくなってしまう、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
強く言えない【つよくいえない】
自分が下である、相手の方がよくできる、などと感じてしまうと、その人に対して強く意見が言えなくなってしまうこともあるでしょう。
同等の立場にいるのなら、自信を持って意見を言えば良いのです。
しかし、自分がミスをしてしまって相手と同等の立場に立てない、などと思っていると、知らぬ間に自信をなくしてしまい、相手に強く言えないかもしれません。
強くいう必要は無いのです。
意見交換を大切にしましょう。
感心する【かんしんする】
感心する、という表現は目上の人が目下の人に対して、あるいは同等の立場の人に使う言葉であり、目上の人に使う事はありません。
深く心に感じる事という意味を持ち、人の行動などが優れているときに褒め言葉として使います。
必ずしも「頭が上がらない」、という表現と同じというわけではありませんが、相手に対して対等の立場に立てない、相手に負い目がある、ということを示せる、という意味では同じだと言えるでしょう。
「頭が上がらない人」の特徴
「頭が上がらない」、と感じるような人にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、「頭が上がらない」、と思われる人の特徴を紹介します。
- 仕事に責任を持って終わらせられる
- 正攻法で行動する
仕事に責任を持って終わらせられる
誰であれ、仕事が嫌になってしまう事はありますよね。
今日はどうしても早く帰りたい、残業したくない、ミスをしてしまって気が重い、などと感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、周りから「頭が上がらない」と思われる人は、きちんと仕事をこなせます。
毎日責任を持って仕事をする人はやはり目立ちますね。
正攻法で行動する
どうしても、ルールを破ってしまうこともありますよね。
例えば、本来はタバコを吸って良い場所ではないけれど、どうしても我慢ができない、今日は禁酒をするつもりだったけれどビールを飲んでしまった、などという経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
「頭が上がらない」と思われる人は、自分で決めた事は必ず貫きますし、ルールはきちんと守ります。
時に簡単なことではありませんが、ルールが守れる、自分の良心に従って行動できる、という事は非常に大切なのです。
「頭が上がらない」、という表現は頭が下がるという表現とは全然違いますので、間違えないように覚えておきましょう。
混合してしまうと恥ずかしいことになります。
また、自分も周りから「頭が上がらない」と思われるような人になりたいですね。